説明[]
駆け出しの遊侠の者たちよ、この盲目の老人のはなしに耳を傾けてくれ——
ジュラバドの廃墟を、狂妄な夢の結末を…
宝石のように点在する天蓋を、割拠する諸国のことを…
びえ立つ城と金色の塔は怒涛の潮流によって転覆され、殿堂と宮殿はみすぼらしい貧民に占拠された…
怒りに駆られた狂暴な下民たちは黄銅の仮面の導きに従った。有識者はこれを「大疫」と呼ぶ。
ジュラバドはこの黒き大疫ののちに滅び、赤砂の主も自己破滅の一途を辿った…
睡蓮から生まれたジンニーのリルパァールは、恐ろしい陰謀を企てたが故に、魂が散りぢりとなる報いを受けた。
広く恵み豊かだったオアシスの国は一日にして黄砂に崩れ落ち、部族と国は再び動乱のさなかへ…
その後、砂海とオアシスに住んでいた凡人たちは七つの国の民となって分かれたが、サファイアの都であるトゥライトゥーラは中でもひときわ秀でていた。
「私は長く生きていると自負している。この金色の荒野の上で、蜉蝣のように果敢なくちっぽけな道化や悪人を山ほど見てきた…」
「私がまだ幼かった頃、赤銅でできた高い壁が月明かりの下で波打つサファイアの天蓋を守っていた。」
「私がまだ幼かった頃、トゥライトゥーラの運河は流れる光の網を織りなして、ともされた灯は月明かりよりも明るかった…」
「今、私は両の眼を失ったけれど、貴族が奴隷の身になって放浪し、王子が兵士によって高位から引きずり降ろされるのを見た…」
「今、私は両の眼を失ったけれど、智者が貴人に貶められ、異国の舞子に権力を奪われたことを語ることはできる…」
「国家の朝生暮死など、一夕の夢に過ぎない。合間には良き民も悪人も、麦殻のように、形なきひき臼によって潰されていく。」
サファイアの海はとめどなき虚言のために埃を被り、虚言は伝説や歴史へと変貌した——
無数の国を掠め盗った将官も、最後には道案内をする下僕一人しか傍に残らなかったが…
一方、若い下僕の懐には故国の「鍵」と、儚い復国への希望が秘められていた…
鷹によって滑稽な死を迎えた王者の喉には、血の滴る鮮やかな刃物の跡が残っており、
王子と誓いを結んだ踊り子は、暴君の冷酷さに恨みを抱えている…
凡人の器用な手は空を舞う鷹の形を作り上げ、散りぢりになったジンニーはその中に入れられた。
ジュラバドの高き壁から空を翔け、哀しき砂海の国を飛び越えて…
最後にはエルマイトの後継者の手に落ち、払い落とされた砂のように記憶を喪った。
人造の片羽根が砂丘に横たわり、国の末路を静かに告げる…
老いた声の中、放浪する王子は燃やされた故郷の宮殿を思い出す。
あの時の師は将官であると同時に詩人でもあり——故国を滅ぼした暴君に忠誠を誓った。
万物は報いを受ける運命にある。一人は両目を失い、もう一人は王座を失った…
運命のひき臼は前へと軋み続け、粉々になった希望を世の中に撒く。
その他の言語[]
言語 | 正式名称 |
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日本語 | 黄金の邦国の結末 Ougon no Houkoku no Ketsumatsu |
中国語 (簡体字) | 黄金邦国的结末 Huángjīn Bāngguó de Jiémò |
中国語 (繁体字) | 黃金邦國的結末 Huángjīn Bāngguó de Jiémò |
英語 | End of the Golden Realm |
韓国語 | 황금빛 국가의 결말 Hwanggeumppit Gukkka-ui Gyeolmal |
スペイン語 | Fin de los Reinos Dorados |
フランス語 | Fin du royaume doré |
ロシア語 | Конец золотого царства Konets zolotogo tsarstva |
タイ語 | End of the Golden Realm |
ベトナム語 | Ngày Tàn Của Vương Đô Vàng |
ドイツ語 | Ende des goldenen Reiches |
インドネシア語 | End of the Golden Realm |
ポルトガル語 | Final do País Dourado |
トルコ語 | Altın Rüyanın Sonu |
イタリア語 | Fine del regno dorato |