霧雨に眷恋される街は、テイワットストーリーの魔神任務、第四章・第一幕「白露と黒潮の序詩」の第2話である。
手順[]
- リネがいる拠点に行く
- ボーモント工房に行く
- カブリエール商会の用心棒を倒す
- タルタリヤと会話する
- 新聞屋に行く
- 「ナヴィア線」に乗ってエリニュス島に行く
- 歌劇場の噴水広場に行く
- エピクレシス歌劇場に入る
- リネが用意した席に着く
- マジックショーを観る
ゲームプレイメモ[]
お試しキャラ[]
WLWL | キャラクター & 武器 |
天賦 & 聖遺物 | ステータス |
---|---|---|---|
7 |
![]() ![]() |
|
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
|
|||
8 |
![]() ![]() |
|
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
|
対話[]
ゲーム内の任務の説明
水神と少し会話した後、あなたはリネの誘いに乗って、彼とリネットが手掛けるマジックショーの初演を観るため歌劇場に向かった。
- (マークされたエリアに近づく)
- リネ: ここが僕たちの仮住まいさ…
- リネ: あっ、フレミネ!いたのか。みんなはどこ?この二人をみんなに紹介したいんだけど…
- フレミネ: リネ、リネット…みんなはさっき出かけたよ…
- リネ: そうか、まあ…「お父様」がそろそろ帰ってくる時期だから、みんな忙しいんだろうね。仕方ない…
- リネ: ああ、二人とも——この子は僕の弟でフレミネだ。凄く腕のいい潜水士なんだよ。
- フレミネ: こ、こんにちは…
- パイモン: こんにちは!オイラはパイモンで、こいつは旅人だ。潜水士の弟がいるなんて、すごいな。
リネって家族がいっぱいいるんだね。
すごい家庭。
- リネ: ははっ…
- フレミネ: その…リネ、ちょっとこっちに…
- リネ: ん?どうしたの?何か話でもあるのかい…?
大丈夫、こっちのことは気にしないで。
- (フレミネがリネに横やりを入れる)
- リネ: …そうか、分かったよ。
- パイモン: なにかあったのか?
- リネ: いいや、何でもないよ。家事とか、そういう話。
- リネ: そうだフレミネ、旅人と一緒にマジックポケットの材料を集めたんだけど、そっちはどうだった?
- フレミネ: うん、ぼくも水中でいっぱい採ってきた。ちょうど渡そうと思ってたところ。
- リネ: さすがだね。やっぱり水中のほうが効率がいいか。じゃあ、急いで工房に送り届けよう…
- リネット: 雨が…降ってきたみたい。
- パイモン: ホントだな、今の今まで晴れてたのに…フォンテーヌの天気って変なの。
- リネ: ははっ、仕方ない仕方ない。歌劇場で審判がある日はいつも、こんなにわか雨が降るんだ。安心して、すぐに止むから。
- フレミネ: ……
- パイモン: ん?フレミネ、どうしたんだ?
- フレミネ: ぼくはあの伝説を信じてる…
- 水の龍王がいた。今はどこにいるか分からないけど…その水龍が涙を流すと、空から雨が降るって。 フレミネ: フォンテーヌにはかつて
- フレミネ: 小さい頃、母さんに言われたことがある。雨が止んでほしかったら、空に向かってこう叫べばいい…
- フレミネ: 「水龍——水龍——泣かないで——」
それってまさかフォンテーヌの元素龍?
トワリンみたいな…
- パイモン: もし本当に元素龍なら、そういった不思議な力があってもおかしくないけど…
- パイモン: うーん、オイラも試してみるか…
- パイモン: 「水龍——水龍——泣かないで——」
- パイモン: ……
- リネ: ふむ…何も起きないね。やっぱり、伝説は伝説か。
- リネット: お兄ちゃん、ロマンの分かる魔術師になれば、もっと人気になれるかもよ?
- リネ: あはは…そうだね。もしかしたら、知り合いでもない僕たちから慰めを受けても、別に気分はよくならないってだけかも。
- 少しすると、雨が止んだ。
- リネ: 今日の雨は結構降ったね…もうこんな時間か、まずいな。
- パイモン: なにかやることがあるのか?
- リネ: ああ、歌劇場でやる公演の準備だよ。どうにか今日の巡水船の最終便までには間に合わせないと。
- リネ: 公演当日は、巡水船でエリニュス島に来て。歌劇場はその島にある。リネットが歌劇場前の噴水広場まで迎えに行くから。
分かった、行ってらっしゃい。
じゃあ、公演の日にまた。
- フレミネ: その…も、もう行く?
- リネ: どうしたんだい、フレミネ。今ちょっと急いでて…あっ、そうか、マジックポケットの材料を届けに行くのが恥ずかしいんだね。
- ボーモント工房のオーナーまで届けてほしいんだ。 リネ: 旅人、悪いけど頼まれてくれないかな。これらの材料を
- リネ: フレミネは…ちょっとシャイなところがあってね。あそこのオーナーはお喋り好きだから、フレミネも昔から苦手みたいで。
- パイモン: おう、いいぜ。オイラたちが行ってやるから安心しろ。
- フレミネ: 本当にごめんなさい。ぼくのせいで…この恩は必ず二人に返すね。
- (マジックポケットの製作材料マジックポケットの製作材料 マジックポケットの製作材料 ×1を入手)
パイモン: えっと…恩だなんて、そんなガチガチに考えなくていいぞ。オイラたちもどうせ、ついでだからな。
- (フレミネと会話する (任意))
- フレミネ: ありがとう。あのお姉さんは本当に苦手で…
- (エステルに近づく)
- パイモン: …オーナー、いるか~?オーナー!
- エスタブレ: おや、見慣れない顔だね。何がお望みだい?買い物、製造依頼——それとも雑談?
- パイモン: えっと…材料を届けに来たんだ。ほら、なんとかってやつを作るのに使う…
- エスタブレ: ああ、マジックポケットだね。もういくつも注文が入ってるから、一目で分かったよ。
お金はここで払うの?
- エスタブレ: いいや、もうすでに十分な数の資金を貰ってるから。あの子たちが何に使うのかを聞いて、アタシも値下げしてあげたかったんだけど…
- エスタブレ: アタシも商売で苦労してるだろうから、そのままの金額でいいって聞かなくてね…まったく、お金持ちなだけじゃない、ホントに優しい子たちだよ。
- パイモン: リネたちってお金持ちだったのか…
- エスタブレ: よくは知らないけど、フォンテーヌの魔術師なんてのは結構稼げるもんなんじゃないのかい?
- パイモン: そういえばオーナー、ここの工房っていつも、こういう機械で物を作ってるのか?なんか凄そうな感じがするな…
- エスタブレ: 機械でやれるなら、手を使うやつなんていないだろ?最新の技術を使わないのだってある意味じゃ「浪費」さ。そして浪費は罪の一つでもある。
- パイモン: じゃ、じゃあ…こんなデッカい機械、一体なにで動かしてるんだ?
- エスタブレ: そうだね…あんたたちみたいな素人にエネルギーシステムのことを説明するのは、なかなか骨が折れそうだね…
- 律償混合エネルギー」——つまり「審判」で生まれたエネルギーから来てるのさ。 エスタブレ: 簡単に言や、フォンテーヌ人が普段使ってるエネルギーは基本的に「
- パイモン: えっ?審判からエネルギーが生まれるのか?どういう原理だよ…
- エスタブレ: うーん…アタシも具体的には説明できないけど、大雑把に言うと…
- 「諭示裁定カーディナル」が人々の正義に対する信仰を集め、それをエネルギーに転換して全フォンテーヌのために使うってなもんかね。 エスタブレ: …法廷で審判が行われる時、「
- パイモン: 「諭示裁定カーディナル」…たしか神が創った審判マシナリー、だっけか?そんな機能もあったのかよ。
- パイモン: でも、まだよくわかんないぞ…信仰みたいにふわっとしたものを、どうやって機械のエネルギーに変えるんだよ…
ウェンティとナヒーダも言ってたけど…
神は信仰を頼りに力を得てる。
- パイモン: あっ!つまり、水神はこういう機械を使って、信仰から生まれる力をエネルギーに変えて、全フォンテーヌのために使ってるってことか?
- エスタブレ: あんたらの言う概念とか考えは、アタシからすると目新しく感じるけど…案外理にかなってるかもしれないね。
- プネウムシア」って呼ばれるエネルギーもある。 エスタブレ: それから…「律償混合エネルギー」以外にも、「
- エスタブレ: 生産過程では神の力に頼らなくていいんだけど、不安定なエネルギーでね、未だに広い範囲で一般に向けて実用化ってところまでは行ってないのさ…
- トルヨン: 仕事ほったらかしてまた雑談か、オーナー。俺も混ぜてくれよ?
- カブリエール商会から借りた金は、来月必ず返すと言ったはずだよ。とやかく言われる筋合いは… エスタブレ: …何だってまたここに?あんたら
- トルヨン: 来月を待たずして逃げられるってこともあるだろ?今日は少なくとも五割…いや、七割を回収させてもらう。
- エスタブレ: あんたら…
- パイモン: どうやらこの工房、経営状況がよくないみたいだな…もう材料も渡したし、オイラたちはそろそろおいとましようぜ…
そうだね。
見たところ普通の貸し借りみたいだし。
- 「公子」: ちょっとちょっと、借金の取り立てをする前に、まずは自分たちのほうを清算したらどうだい?
- 北国銀行ののビジネスを奪うのは別に構わない。でもまさか、北国銀行に不良債権を残していくなんてね…おっと失礼、俺が先に話をしてもいいかな? 「公子」: 君たちカブリエール商会が、俺たち
- トルヨン: 北国銀行のもんか?来月必ず返すと言ったはずだ。とやかく言われる筋合いは…
- 「公子」: ん?旅人!おチビちゃん!まさかフォンテーヌで会えるなんて、思ってもなかったよ!
- パイモン: オイラたちもまさかおまえがここにいるなんて思わなかったぞ!なんでスネージナヤを離れて、フォンテーヌにまで来てるんだ?
今日は奇遇な出会いが多いね。
フォンテーヌって不思議な場所だね。
- 「公子」: ハハッ、話すと長くなるけど、実はもう長いことフォンテーヌにいるんだ。それはそれは退屈してたところさ。
- 「公子」: 君たちに会えたのはある意味、運命だ。旧友だからってだけじゃなく、どこに行っても争いが生まれる君たちだからね。
- 「公子」: どう考えたって、この先の日々がぐんと面白くなるに決まってる。
- パイモン: オイラたち、おまえの言う面白さは別に好きじゃないんだぞ。旅はやっぱり順調じゃないとな。そうだろ、旅人。
大風も荒波も、もう十分見てきた。
実はもっと刺激的なのが欲しい。
- トルヨン: コホンッ…おい、北国銀行の男、こっちを無視するな。
- 「公子」: 邪魔しないでくれるかな?旅人と会える機会なんて滅多にないんだ、君たちはそこで待つといい。
- トルヨン: 貴様…借金の取り立てに来たのはそっちのほうだろうが?なのに雑談が終わるまで待てってか?
- トルヨン: 小僧、お望み通り今すぐ金を返してやる!おら、こっちに来い!
- トーニャとテウセルを氷釣りに連れて行ったんだけど、テウセルが—— 「公子」: 邪魔するなって言ってるのに…あ、そうだ旅人!前に
- トルヨン: おい——!ず、図に乗るなよ…!野郎共、そいつを始末しろ!
- 「公子」: …はぁ、話をする暇もくれないとはね。まあいい、北国銀行からは客に手出しをするなって言われてるけど…
- 「公子」: 君たちからかかって来るなら、「正当防衛」だ。二人とも、俺のために証人になってくれよ。
はいはい、分かった。
はやくやっちゃって。
- パイモン: まあ、おまえなら一瞬で片づくだろうな。
- (敵を倒した後)
- トルヨン: なんなんだお前は…強すぎるにもほどがある…スネージナヤの北国銀行…まさかお前は——!
- (輝きを失った「公子」の水の神の目)
「公子」: 今さら気付いても意味ないよ。北国銀行が君たちの手に負えない相手だってことだけ、分かってくれればいい…
- 「公子」: …ん?
- (「公子」を攻撃しようとしたトルヨンだが、ノックアウトされる)
トルヨン: …隙あり!
- 「公子」: ふぅ。妙だな…
さっき何が起こったの?
具合でも悪いの?
- 「公子」: 分からない…手を出そうとした瞬間、水元素力が急に言うことを聞いてくれなくなったんだ。まさか、神の目に何か…?
- パイモン: そんなことってあるのか?神の目の制御を失ってしまうなんて…オイラ、初めて聞いたぞ。
- 「公子」: …まあいいや。過度に神の目の元素力に頼れば、鋭さを失ってしまう。それに俺には、邪眼もあるしね。
それはあまり使わないほうがいい…
(俺俺/
私私)は神の目を持ってないから分からない。 - パイモン: それで、タルタリヤはなんでフォンテーヌに来たんだ?北国銀行のお使いってわけじゃないんだろ?
- 「公子」: ああ、それは…最近、気分が下がってたからかな。
- パイモン: え?なんだよその理由…おまえにも悲しい時があるのか?
- 「公子」: ハハッ…もしかしたら俺も、自分のことをあんまり分かってないのかも。
- 「公子」: 近頃、体の内に何かの力がうずくような気がしてね。それになぜか時折、気が沈むんだ。
- パイモン: もしかして、さっきの神の目の不具合も、その力と関係してるんじゃないか?
- 「公子」: 確かにそうかもしれない…
その力の源について…
何か分かってることはある?
- 「公子」: そうだな…君たちに言ったかどうか覚えてないけど、俺は十四歳の頃、謎の深淵に落ちたことがあるんだ…
- 「公子」: 今の力はほとんど、その時に習得したものさ。そういうことを俺に教えてくれた師匠がいて、名を「スカーク」と言った。
- 「公子」: 彼女は口数が少なくて、とても不思議な人だった。どこから来たのか、何を経験したのか、まったく分からない人でね。戦闘の技術を教えてくれる時も、すごく厳しかったよ。
- 「公子」: どうして俺を弟子にしてくれる気になったのか、一度聞いてみたことがあるんだ。確か…
- 「公子」: …俺が「やつ」を呼び覚まし、俺の身に「やつ」の痕跡が残されたから。そして将来、これらの戦闘技術はきっと役に立つ、って言われたよ。
- パイモン: 「やつ」ってなんだ?おまえはなにを呼び覚ましたんだよ?
- 「公子」: それが、師匠はそれについてはハッキリ言わなかったんだ。けど俺は、深淵に落ちる際に見た夢と関係があると踏んでる…
- 「公子」: 夢の中で俺は、果てない海の底にいて…目の前には、息が詰まるような迫力の「鯨」がいた。
- パイモン: 鯨?そういえば、なんかそういうイメージあるぞ…オイラたちとやり合った時、「デカ鯨の大ジャンプ!」みたいな技を使ってたよな!もしかしてあれか?
- 「公子」: ハハハッ…あれはただの、元素力で創った「概念」の鯨さ。
- 「公子」: あの夢を見た時から、夢の中のあのシーンがずっと心に焼き付いていて、振り払えないんだ…
- パイモン: だからってそれを自分の技に入れたのかよ…悪趣味だな…
だったら、さっき言った力は…
この件と関係があるかも…
- パイモン: なんで師匠に直接聞かないんだ?もしかしたら答えを知ってるかもしれないだろ?
- 「公子」: そんな簡単に言わないでくれ。あの件以来、俺がスカーク師匠とあの深淵の捜索をやめたことはない。
- 「公子」: 捜し続けてもう何年も経つのに、何も進展がないんだ。記憶の中で、謎の深淵に落ちた場所も…今ではその痕跡すらない。
- パイモン: うわぁ…なんか怪談みたいだな。
- 「公子」: ああ、手がかりはすべて途絶えてしまった。ま、仕方ないさ。この世の奇遇っていうのは、こういう風に掴みどころがないものなんだろうね。
- 「公子」: おっと、いつの間にか話し込んじゃった。そういえば、まだ用事が残ってたんだ。今日のところはこの辺で…
- パイモン: また北国銀行の仕事か?
- 「公子」: いや、個人的な用事さ。最近、暇な時にフォンテーヌの「決闘代理人」たちと手合わせをしててね。
- パイモン: 決闘…代理人?そういう職業があるのか?
- 「公子」: ああ。フォンテーヌじゃ、容疑者が法廷に出向く前、「名誉を守る」ためのチャンスとして、公式の決闘代理人に決闘を申し込めるんだ。
- 「公子」: でも、決闘代理人は国中の精鋭たちから選びぬかれた強いやつらばかり。そのうえ決闘に「寸止め」なんて概念はない。
- 「公子」: だからこの行為は、命を懸けて名誉を守ることの象徴とされてるんだ。勝てば審判を免れ、負ければ大人しく法廷行き…
- 「公子」: …そして最悪の場合、決闘によって命を落とす。
- 「公子」: フォンテーヌには死刑が存在するという噂だけど、本当に死刑に処された人はまだいないらしい。
- 「公子」: だから、どうしても受け入れられない冤罪とか、名誉が第一とか、そういった人だけが決闘を申し込むんだ。そうでもなければ、自分の命を賭ける必要なんてないからね。
- パイモン: じゃあ、本当にその方法で審判を免れたやつはいるのか?
- 「公子」: うーん、それはごく僅かだそうだよ。フォンテーヌの管理者がこんな規則を作ったのは、個人の名誉への尊重を示してのことに過ぎないだろう。
- 「公子」: それに、決闘代理人も伊達にその任に就いてるわけじゃない。これこそ、俺がフォンテーヌに来てすぐにそいつらと手合わせした理由さ。
- クロリンデは、噂じゃ決闘代理人の中でも最強らしい。ずっと挑発し続けて、やっと手合わせしてくれることになったんだ。 「公子」: 今日の
- パイモン: おまえな…それにしてもクロリンデって名前、どっかで聞いたような…どこだったっけ?
初めて水神に会った時。
人の名前を覚えるのは苦手。
- (「公子」は水の神の目を旅人に投げる)
「公子」: そうだ、これは君たちが持っててくれ。
- パイモン: ええ、おまえの神の目じゃないか!適当すぎるだろ…こんなもの、他のやつに持たせていいのか?
- 「公子」: この神の目がさっきみたいな状況になって、決闘に影響したらつまらないだろ?だからいっそ、持たないことにした。
- 「公子」: それに、旅人に預かってもらいたいだけさ。あとで取りに来るよ。
- パイモン: あ、オイラわかったぞ。次にオイラたちに会うための口実がほしいだけなんだろ?
- 「公子」: ハハハッ…そんなことないよ。それじゃ、また後で連絡するから。
- パイモン: タルタリヤのやつ、気が沈むとか言っておきながら、結局は相変わらずだったな。
- パイモン: これでしばらくやることがなくなったよな?リネたちの公演までに、この街をぶらぶらしてみようぜ!
- ノリノリのパイモンに連れられ、フォンテーヌ廷の街を隅々まで歩いて回った…
- パイモン: …わぁ、そうだったのか…!まさかずっと存在感のなかった記者が犯人だったなんて!
シーッ、声が大きい…
推理小説のネタバレはよくない。
- パイモン: あっ…ごめん…びっくりしすぎて、うっかり…でもここの推理小説って、本当に面白いな!
まさか本を読むのが好きになるなんて…
ここにこんな長居するなんて…
- 八重堂の娯楽小説とは全然スタイルが違うんだな。どっちも良いところがあるけど、オイラからすると、こっちのほうが新鮮に思えるっていうか… パイモン: フォンテーヌの推理小説って、
- パイモン: 謎が明かされる瞬間とか、すっごく興奮するぞ!特に今読んでたやつ、おまえも買って読んでみろって!
いらない。
もう記者が犯人だって知ってるから。
- パイモン: ご、ごめんって…これからは気をつけるぞ…
- パイモン: あ…それはそうと…そろそろ歌劇場でリネたちの公演を観に行く時間だよな?出発しようぜ!
- (カットシーンの後)
- パイモン: リネのやつ、歌劇場はエリニュス島にあるって言ってたよな。巡水船に乗って行こうぜ!
- (巡水船に乗りながら)
- (巡水船ツアーボイスの各セットの最初の台詞から選ばれたデフォルトのボイス)
- (マークされたエリアに近づく)
- パイモン: エピクレシス歌劇場…すっごい貫禄だぜ…こんなところで公演ができるなんてすごいことだよな。どうりでリネのやつ、あんなに楽しみにしてたわけだ…
- パイモン: あれ?あそこの噴水に人が群がってるぞ。
- ジョリオ: …神よ、どうか賢く健康な子供を授けてください…
- イリミア: そんなことどうだっていいわよ。健康でいてくれればそれで十分。平安な一生を送れることこそ、一番の幸せでしょ。
- ジョリオ: ハハッ、そうだな。でも僕たち二人の子なら、きっとお利口さんだぞ…
- パイモン: これ…フォンテーヌのしきたりなのか?夫婦がたくさん集まってるぞ。
- ???: 「…ヴァシェ…」
ん?
- パイモン: どうしたんだ?
- ???: 「…ヴァシェ…ヴァシェ…」
今…何か言った?
- パイモン: いや?なにか聞こえたのか?
おかしい…
じゃあ一体誰の声…
- ルキナの泉」といって、フォンテーヌのすべての水が交わるところなの。フォンテーヌの新婚夫婦はみんな、ここで子宝祈願をするのが習わしよ。 リネット: この噴水は「
- パイモン: リネット!びっくりしたぞ、いつの間に来てたんだ…
- リネット: お兄ちゃんが噴水広場で待てって言ってたの、忘れたの?
- パイモン: それは覚えてるけど…
リネット…
さっき、誰かの声が聞こえた…
- リネット: ここは人が多いから当然でしょ。何が言いたいの?
その声…
泉から聞こえた気がする。
- パイモン: ええ!お、おどかすなよ…真っ昼間から、そんなおかしなことあるわけ…
- リネット: そう…確かに、あなたに教えてあげられる情報を持ってるわ。もしかしたら、その疑問に答えられるかも。
- リネット: それは幻聴なんかじゃない。あなたの水元素の感知力が強すぎるせいで起こったこと…うちにも、あなたのような体験をした人がいるわ。
- パイモン: 水元素の感知力?でも、こいつが聞いたのは人の声だろ?元素力となんの関係があるんだよ?
- リネット: あなたはいつ涙を流す?
- パイモン: え…ん?なんで急にそんなこと聞くんだ?
- リネット: 答えて。
- パイモン: えっと、悲しい時とかか?うーん…それか、すっごく嬉しい時とか、すっごく怖い時とかか?
- リネット: なら、あなたにも理解できるはず。涙には…強烈な感情が含まれている。
- リネット: さっき、ルキナの泉はフォンテーヌのすべての水が交わる場所だと言ったでしょ。つまり大地に落ちた涙も、やがてはここに集まる。
- リネット: あなたが聞いた声も、もしかしたら誰かの涙の強烈な感情かもね。
そんなことが…
(信じられない…)
- パイモン: それで、そいつはなんて言ってたんだ?
誰かの名前を呼んでた気がする。
- パイモン: うーん…本当にそうだとしたら、一体なにがあったんだろう…
- リネット: その人よりも、今はお兄ちゃんのことを気にかけてあげて。
- リネット: 普段は余裕そうに構えてるけど、本番前はいつもすごく緊張するの。あなたたちと話せば、緊張もほぐれるかも。
- パイモン: おっ、そうなのか?じゃあ、リネに会いに行こうぜ!
- (エピクレシス歌劇場に入る)
- リネ: やっぱり約束を守ってくれたね。旅人にパイモン、君たちに出会えて本当によかったよ。
- パイモン: からかうなよな。ずっと楽しみにしてたんだから、おまえの公演を見逃すわけないだろ。
- リネ: ははっ、そうみたいだね。こんなに早く着いてくれるくらいだから。
- リネ: ちょうどよかった。まだ観客も入ってないし、せっかくだから君たちに最高の席を用意しよう…チケットを取ってくるから待ってて。
- リネ: 歌劇場は昔から指定席制でね、事前登録が必要なんだ。はい、これはもう登録済みだよ。君たちのチケットだ。
- パイモン: わぁ!一番前の席じゃないか。ありがとな、リネ!
- リネ: なんてことないさ、遠慮なく楽しんで…
- コーウェル: おーい——リネさん、ちょっとこっちに来てくれないか…
- リネ: ああ——舞台道具の配置にちょっと問題があるみたいだ。アシスタントのコーウェルが呼んでるから、ちょっと見てくるよ…
うん。
こっちのことはお構いなく。
- パイモン: おう!オイラたち、先に席に座ってるぜ。おまえは自分のことに専念していいぞ。
- (座席に近づく)
- パイモン: 座席番号は…あ、この辺だよな。座ろうぜ。
- ???: ……
- パイモン: う…
……
- パイモン: うぅ…
- ???: ……
- パイモン: おい、旅人…隣の人にちょっと話しかけたほうがいいんじゃないか?誰もいない状況で隣同士なのってちょっと気まずいぞ…
パイモン、よろしく。
こういうのはパイモンの仕事。
- パイモン: おまえ…まあ、わかってたけどな…
- ???: すまない、この雰囲気に気付かなかった私の落ち度だ。
- ???: 必要な時は、気兼ねなく話しかけてくれればいい。
- パイモン: あっ…き、聞こえてたのか。耳がいいんだな…さっきあんなに小声だったのに…
- パイモン: えっと、コソコソしちゃって、失礼なことしちゃったぜ…その、話をしよう。えっと…なにを話せば…
(もっと気まずくなっちゃった…)
- パイモン: あ、そうだ!おまえもこんなに早くに来て、一番前の席に座ってるってことは…もしかしてオイラたちと一緒で、リネの友達なのか?
- ???: 友達か…もしリネ君が希望するなら、喜んで友達になろう。
- パイモン: じゃあ、違うってことか…ま、まずいな、雰囲気がますます…あ、そうだ、自己紹介を忘れてたぜ…
- パイモン: 改めてこんにちは、オイラはパイモンで、こいつは旅人だ。オイラたち、フォンテーヌに来たばかりなんだ。
- ???: ごきげんよう、会えて光栄だ。二人の噂はかねがね伺っている。
- ???: マナーに則り、私も自己紹介をしよう。私は…
- リネ: …ヌヴィレットさん!公演に来てくれるなんて、本当に光栄です!
- ヌヴィレット: なに、リネ君。この目で直に君の公演を見られるなんて、私のほうこそ光栄だ。
- パイモン: ヌヴィレット?もしかして…
- リネ: ん?今、話をしてたみたいだけど…もしかしてヌヴィレットさんの身分を知らなかったのかい?
- リネ: この方はフォンテーヌの最高審判官なんだ。ほら、あそこ——あのポジションは昔からヌヴィレットさんのものなんだよ。フォンテーヌの「公正」の象徴と言っても過言じゃない。
- パイモン: そ、そうだったのか。さっきは失礼なことを…そんなに大物だったなんて…
- ヌヴィレット: 気にするな。「最高審判官」など、ただの仕事に過ぎない。一人一人に自分の「ポジション」があるように、私も特別なわけではない。
- ヌヴィレット: それから、多少不本意ではあるが…はぁ…一応言っておこう…
- ヌヴィレット: さっきからずっと、高所の貴賓席からポーズを決めているやつがいる…
- ヌヴィレット: 君たちの目に初めて映った時に、最もかっこいいと思い込んでいる姿を見せたいがためにな。
- ヌヴィレット: 気付いてやってくれ。でないと、落ち込んでしまうだろうから。
- フリーナ: フフフッ…
- パイモン: うわぁ…水神フリーナ…なんかすっごく得意気な表情だな。おまえに見破られたことになんか全然気づいてないみたいだぞ…
- ヌヴィレット: それは良かった。彼女のことは気にするな、私たちは公演に集中しよう。
- パイモン: …フォンテーヌの水神と最高審判官ってこんな関係なのか…
- リネ: さて、もう少し待っててくれるかい。もう準備はほとんど終わったよ。観客が入り終わったら、公演開始だ。
- パイモン: やっとか!オイラ、生でマジックショーを観るのなんか初めてだ。すっごく楽しみだぜ!
- 暫くすると観客が続々と入場し、やがて公演の幕が上がった。
- パイモン: おお!暗くなったぞ。もうすぐ始まるのか!
- ヌヴィレット: ……
- パイモン: ご、ごめん…気をつけるぜ。
- リネ: 本日はお忙しい中、「エピクレシス歌劇場」へお越しいただきありがとうございます。本日のパフォーマー、リネです。
- リネ: こちらは僕の妹で、最も重要なアシスタントのリネットです。さあ、皆に挨拶して。
- リネット: こんにちは。
- リネ: はははっ、眠そうに見えますが、こう見えて緊張してるんですよ。
- リネット: 好きに言うといいわ。
- リネ: 皆さん、こう思っていませんか——自由に元素力を使える「神の目」を持つ我々にとっては、マジックなんて簡単だろうと。
- リネ: ならば、ここに約束いたしましょう——今日この舞台上で起こることはすべて、元素力とは無関係です。
- リネ: 私もリネットも、すでに「神の目」を外しました。ふふっ、これで神ですら手を差し伸べることはできませんね?
- パイモン: なるほどな、いわゆるマジックと魔法の違いってやつだな。
- リネ: もう待ちきれない皆さんのために、さっそく幕開けとしましょう。リネットはこれから、少々準備に取り掛かります。
- リネ: どうか寂しがらないで、少しの我慢ですから。すぐに思いもつかないような形で再び登場し、注目の的となってくれるでしょう。
- リネ: あ、それから…最後に一つ注意事項を——
- リネ: 瞬きのタイミングは、慎重に選ぶこと。
- (ムービ再生)
-
- リネ: マジシャンの極意は
- リネ: 有から無へ
- リネ: 無から有へ
- リネ: 千変万化を成し遂げること
- (リネは帽子を取り、それが空であることを示し、宙に浮かせた)
- (帽子をたたくとトランプが落ち、帽子をかぶり直すと白鳩を召喚する)
- リネ: 近頃の観客はみんな
- リネ: 伝統的なマジックなんてとうに見飽きている…
- リネ: 僕が唯一無二であると証明するには
- リネ: どうすればいい?
- リネ: ここで難題を一つ
- (彼は手からもう一羽の白鳩を召喚し、それは天井に向かって飛ぶ)
- (天井から水槽が降りてきて、その上にリネットが座っている。)
- リネ: 衆目の中
- リネ: この水の牢獄から
- リネ: 妹の姿を消してみせましょう
- (タンクに飛び込み、中から手を振るリネット)
- リネ: そう難しくはない
- リネ: 人を泡に変え
- リネ: 脱出させるだけ…
- (蓋が閉まり、ロックされる。リネットは内側から蓋を開けようとする)
- リネ: 道具の点検はあれほどしとけって…
- リネ: 蓋が閉まれば
- リネ: 空気でさえ出られない…
- リネ: 初心者なら
- リネ: 大慌てのところだ
- リネ: 幸い舞台にいるのはこの僕——
- リネ: 真の実力をお見せしましょう
- (リネが切れ、水槽に泡が立ち込める)
- (リネットはドレスだけを水に浮かべて消える)
- リネ: リネット
- リネ: まだいるかい?
- リネ: あんまり離れないで
- リネ: 魔力が尽きたらバレちゃう
- リネット: うん
- リネット: ただいま
- (リネットがステージに再登場)
- (観客は拍手を送り、二人はお辞儀をする)
- (ムービー終了)
- パイモン: な、なあっ!?なにが起きたんだ?オイラ、なんにもわからなかったぞ!
- パイモン: リネットは飛び込んだよな?でも急に消えて…一体どうやって出てきたんだ?
見事だった。
さすが有名なマジシャン。
- ヌヴィレット: 私たちに簡単に見破られてしまうくらいなら、彼の技術もまだまだ鍛錬が必要ということになってしまう。
- ヌヴィレット: マジックを鑑賞する時は、故意に隠された手法よりも、舞台が織り成す過程に目を向けるべきだろう。
- パイモン: たしかにな…リネットが出てきた時はびっくりしたぞ。本当にすごいぜ。
- リネ: ありがとうございます。こちらのパフォーマンスにはご満足いただけましたか?
- リネ: しかし、この不思議な旅はまだ終わりません。これよりもさらに驚くような瞬間を用意していますよ。
- リネ: 転移と消失のマジックは、まだまだ進化するんです。
- リネ: 皆さん…水槽脱出のマジックは一切の隙もないように見えたけど、結局リネットが相手だったから成功したんだ——なんて思っていませんか?
- リネ: リネットが助手であれば、事前に準備する時間は十分にある、と。
- リネ: ならば次のマジックは、ここにいる幸運なお客さんに手伝ってもらいましょう。
- リネ: さあ、魔力に満ちた箱を舞台へ持ってきて。
- リネ: さて、箱は全部で二つあります。一つはここに、もう一つは観客席中央の通路に。
- リネ: 勘の鋭いお客さんはすでにお気付きでしょう——そう、次のマジックは、入れ替わりです!
- リネ: 選ばれたラッキーなお客さんには僕がこちらの箱に入るのと同時に、あちらの箱に入ってもらいます。そして一分後、お互いの箱から姿を現してみせましょう。
- リネ: 皆さん、僕が細工できないよう、視界の箱から絶対に目を逸らさないでくださいね。
- パイモン: わぁ、ど、どうやってやるんだ…
- パイモン: なあ、リネって本当に「魔術」が使えるんじゃないのか?
見れば分かる。
見破る自信がある。
- リネ: ラッキーなお客さんが誰になるかは、このナンバー抽選機で決めましょう。
- リネ: この機械は完全にランダム。この幸運が誰に訪れるのか、僕にだって分かりません。
- リネ: では、始めますよ。
- リネ: どれどれ…ああ、第七列三番目のお客さん、おめでとう!直々にこの不思議な一分間を体験できますよ!
- リネ: さあ、彼女をマジック箱のそばへ連れてきてくれるかい。
- リネ: 箱の中の空間が狭くてごめんね。でもその代わり、緊張がほぐれるよう、中は手の込んだ装飾でいっぱいにしてありますから。
- リネ: あなたは何もしなくて大丈夫です。途中で何か不思議な感覚になったとしても、絶対に出てこないで。
- メロピデ要塞要塞にいた、なんてこともある。 リネ: マジックが中断されてしまえば、あなたがどこに現れるか僕にも分かりません。気がついたら
- 観客: え、ええ…
- リネ: さて、箱に入る前に、皆さんに一つお願いしたいことがあります——どうか、カウントダウンをしていただけませんか?
- リネ: 60、59、58…という風に、一つずつ数えてください。少し速くなったり遅くなったりしても構いませんよ。
- リネ: 暗い箱の中では何も見えませんから、皆さんの声だけが頼りです。
- リネ: あ、イジワルはなしですよ?三十秒で六十回を数えきってしまわれては、僕も困っちゃいますから。
- パイモン: そんなこと言われたら、逆に速めに数えたくなるぜ、えへへ…
リネはきっと準備してある。
みんなで数えるから、速くしたくてもできない。
- リネ: おっと皆さん、だいぶイジワルな表情ですね?やっぱり事前に練習しておきましょうか。
- リネ: 60、59、58…行きますよ、せーの。
- 衆人: 60、59、58——
- リネ: そうそう、そのスピードです。それを保ってくださいね。それでは、カウントダウンが終わった後、もう一つの箱でまたお会いしましょう!
- パイモン: 54、53、52!
- パイモン: ヌヴィレットは数えないのか?
- ヌヴィレット: 私は心の中で数えよう。観客の音量はすでに十分だからな。
- ヌヴィレット: これは身分と性格によるところだ。気にせずパフォーマンスに集中するといい。
- パイモン: そっか。真面目な表情だったから、こういうのに慣れないのかと思ったぜ。
- 衆人: 40、39、38!
- ギャリック: リネさん、いるか?準備はいいか?
- リネ: 慌てないで、いま魔力の方向を確認してるから。
- リネ: どこか変な場所、例えば観客席の上に出て、落ちちゃったりしたら…それこそ事故になっちゃうからね。
- パイモン: なんかリネのやつ、全然急いでる感じがないよな。
これもパフォーマンスの一環なのかも。
自分に対して自信があるのかも。
- ???: ドゴッ——
- パイモン: ん?なんの音だ?なあ、聞こえたか?
舞台上からの音?
注意を逸らすため?
- パイモン: うーん…まっいいか、みんな気にしてないみたいだし。
- 衆人: 25、24、23!
- ギャリック: どういうことだ?リネさん、まだ箱の中にいるのか?
- リネ: うっかり装飾を落としちゃってね。直そうとしたんだけど、中が真っ暗で、右も左も分からないや。
- ギャリック: もう時間がない、装飾なんて気にするな、パフォーマンスのほうが大事だ。
- リネ: それはダメだよ。パフォーマンスに欠陥があってはならないんだ。安心して、まだ二十秒もあるから。
- 衆人: 19、18、17!
- リネ: やれやれ、予想外の状況が多くて、すみません。
- リネ: なんだかカウントダウンがどんどん速くなってきてる気がしますが…いいでしょう。一つひとつ数えるのは、確かに疲れますからね。
- リネ: あと十数秒?——充分です。
- (ムービー再生)
-
- (観客は9からカウントダウン)
- リネ: 準備はほぼ完了
- リネ: いやぁ
- リネ: 二人の位置を入れ替えるのは大掛かりだね
- リネ: 僕みたいな熟練の魔術師でも
- リネ: 一回で成功できるかどうか…
- リネ: ねぇねぇ 僕は後ろに行けた?
- リネ: 箱の中は同じだから分からないや
- (ギャリックが舞台上の箱をノックする)
- リネ: えっ また失敗!?
- リネ: もう一度…
- (観客は笑い、7からのカウントダウンを続ける)
- リネ: ちょっと待ってて もう!
- (ステージ上の箱から飛び出すリネ)
- リネ: しまった 今のはナシ!
- (ギャリックが再び箱の扉を閉める)
- (観客のカウントダウンがゼロになり、舞台袖のボックスのスポットライトが点灯する)
- (リネが登場すると、観客は立ち上がって拍手を送る)
- リネ: ジャジャーン!
- (リネがステージ上の箱を指差すと、ステージのパイロテクニックが点灯する)
- (ギャリックは一礼し、箱から立ち去ろうとする)
- (水槽が箱の上に落下し、両方とも粉々になり、水槽の水がステージに溢れる。)
- (観客は悲鳴を上げ、パニックに陥る)
- パイモン: どういうことだ!?
- (瓦礫の中から腕が突き出し、赤い舞台助手のマスクが浮かび上がる)
- (ショックを受けるリネ)
- (ムービー終了)
- フリーナ: ……!
- 興奮する観客: こ、これもマジックの一環?
- 興奮する観客: リネさん、ここから舞台が元に戻るんですよね?
- リネ: なんてことだ…
- パイモン: まさか、これ…本当に事故なのか?箱の中にはまだ人がいる…よな?
- ヌヴィレット: 公演中止だ!医療スタッフは私についてこい。警察隊は現場を保護し、すべての出演者を押さえろ。歌劇場の出入口も一時的に封鎖する!
- フリーナ: そ、その通りだ!事故なら、原因を特定しなければ。事故じゃなかったら、その時は…正義の神の審判は免れない!
- ヌヴィレット: 君たちも慌てなくていい。何が起こったのかはすぐ把握できるだろう。
- しばらくして、警察隊の調査結果が出た。
- ヌヴィレット: 不幸なことに、マジックボックスにいた人はすでに息を引き取っていた。死者の名はコーウェル…リネ魔術団のアシスタントの一人だ。
- ヌヴィレット: 舞台上の花火が水槽上部のロープに引火したことが、水槽墜落の直接の原因となった。
- ヌヴィレット: なぜ箱の中にいたのが、選ばれた観客でなくコーウェルだったのかについては、まだ原因を突き止められていない。
- ヌヴィレット: だが警察隊が捜索したところ、あの少女は蒸発したかのように行方知れずになった。
- ヌヴィレット: ——こうなれば、もう単なる舞台の事故とは言えない…
- ヌヴィレット: …「連続少女失踪事件」に属する一連の事件とも多くの特徴が一致している。
- 驚く観客: れ、連続少女失踪事件!?
- パイモン: 「連続少女失踪事件」って…シャルロットが言ってたあの事件のことだよな!
まさかこれだけ人目のある中で…
まさかこんなタイミングで…
- フリーナ: フフフ…分かった、分かったよ。一目で見通せる謎を「目玉」にしてくれるとは…僕たちも見くびられたものだね?
- フリーナ: 腕の立つ全能の魔術師——リネ君こそが、「連続少女失踪事件」の首謀者じゃないのか?
- リネ: どうして僕が?これは完全なアクシデントだ!
- フリーナ: すべてはマジックショーの最中に起こったことだ。少女が選ばれて消えたことも、キミのアシスタントが帰らぬ人になったことも…
- フリーナ: 今にして思えば、前置きの「有から無へ、無から有へ」は一種の挑発だったわけか。
- パイモン: 嘘だろ?本当にリネなのか?
- パイモン: で、でも、こいつはずっと舞台上の箱の中から、オイラたちに話しかけ続けてたんだぞ。
- パイモン: それに、こいつは出会った時から、「連続少女失踪事件」の犯人を捕まえたいって言ってたんだ。自分を捕まえたいだなんておかしいだろ?
せいぜい疑いがある程度。
タイミングがおかしすぎる。
- ヌヴィレット: 言い争いはそこまでだ。フリーナ殿、今の発言はリネ君やその仲間に対する「告発」と受け取ってよろしいか?
- フリーナ: え?僕はただ彼のことを…「告発」について話すには時期尚早じゃ——
- 興奮する観客: フリーナ様の推理…たしかに理にかなっています。自ら正義の主宰をされるんですね!
- 感服する観客: トリックの裏に隠された誘拐と殺害の事実を、一言でズバリと言ってのけるとは、さすがフリーナ様…
- フリーナ: コホンッ、その…当たり前だろう。見えすいた真相より、目の前の相手のほうが僕を興奮させてくれるんだ。
- フリーナ: さて、そこの異郷の旅人よ。キミは手を差し伸べるんだろう?この前はリネ君に大いに助けられたはずだからね。
リネを信じる。
- フリーナ: ハハハッ、なら問題ないね。諸君——実は、この旅人と初めて対面した時に、僕らはすでに一度対決を行っているんだ。
- フリーナ: それがまさか、リネ君の助けで引き分けになってしまうとはね。フン、引き分けというのは一番つまらない。
- フリーナ: いずれ必ずキミとの決着はつく。そのクライマックスが遅かれ早かれ訪れるとするなら…歌劇のフィナーレにこそふさわしい!
- パイモン: あいつ、あの時負けたよな?
- ヌヴィレット: よかろう、「告発」成立だ。「告発」があれば、「審判」するのみ。
- ヌヴィレット: 旅人、フリーナ殿は君を「相手」として見ている。彼女の大袈裟な言い方は置いておくとして、君自身の意見を聞こう…
- ヌヴィレット: …君は、リネ君の味方となって彼を擁護し、彼の「代理人」になる気はあるか?
喜んで。
- ヌヴィレット: 分かった。「審判」は明日、歌劇場で執り行う予定だ。双方、自由に事件を調査し、真相を究明するがいい。
- ヌヴィレット: リネ君と彼の魔術団には、当事者として全員歌劇場で待機してもらう必要がある。
- ヌヴィレット: 残りの観客は警察隊の確認がとれ次第、順番に退出してくれ。
- フリーナ: 一日はあっという間に過ぎゆくものだ。名高き大物のキミが、一体どんな波を巻き起こせるか…フフフッ、心から楽しませてもらうよ。
- 休廷を宣言した後、観衆は次第に去り、フリーナとヌヴィレットも去った。
- パイモン: リネ!
- リネ: 君たち…驚かせたよね?
- パイモン: 当然だろ?目の前で事故が起きて、びっくりしないやつなんかいないぞ。
- リネ: …そっか、僕もだ。…コーウェルが…なんでこんなことに…
- リネ: さっきは皆の前だったが、今は僕たちだけだ。正直に言ってくれていい——君は、僕が犯人だと思うかい?
思わない。
- リネ: ありがとう…信じてくれて。本当に感謝するよ。
何とも言えない。
- リネ: そうだね…僕でさえ事情を把握できてないんだ、君にとっては尚更、判断しづらいと思う。
- リネ: 周りから見れば、僕は第一容疑者なんだろうけど、僕からすればこの一件は謎だらけだ。解せないことばかり残ってる…
- リネ: 舞台上の不測の事態が単なる事故だったのかどうかも分からないし、コーウェルがどうしてあそこにいたのかも分からない。
- リネ: それと、選ばれた少女がなぜ突然行方不明になったのかも。誰かが細工をしたとしたら、一体どんな手段を使ったんだろう。
- リネ: このトリックをよく理解している人でも、一分以内にそんな細工をするのはどうしたって不可能なはず。
(俺俺/
私私)も妙だと思う。 けど、実際に起こった。
- パイモン: ふふん、それこそ調査の価値があるぜ。本にも書いてあったぞ、「不可能なことは起こりえない、起こったなら必ず可能性はある」ってな。
そのメガネはどこから出て来たの?
- パイモン: 街で本を読んでた時、カッコイイなと思ってついでに買ったんだ!
- パイモン: あ、モラはオイラがコツコツ節約してた分で、旅費をこっそり使ったりはしてないぜ。
- リネット: 可愛い。
- パイモン: へへっ、よくわかってるじゃないか。
- リネ: ははっ…君の言うことも一理あるな。こうして落ち込んでないで、早くいつもの調子に戻らないとね。
- リネ: とは言っても、今は僕とリネットの一挙一動に警察隊が目を光らせていて、自分たちで容疑を晴らそうとするのは至難の業だ…
- リネ: 君が僕の「代理人」になってくれて本当によかったよ、重ね重ねありがとう。今頼れるのは、君たちだけだ。
- リネット: よろしく。
任せて。
こういうことには慣れっこだから。
- パイモン: おう、安心しろ!
- パイモン: あ、そうだ。調査の前に、一つ聞いていいか——リネがマジックをやってた間、リネットはどこに行ってたんだ?
- リネ: あれか。トリックの核心となる秘密に触れてしまうんだけど…
- リネット: 秘密はもう守れないと思うよ、リネ。
- リネ: そうだな…これほどの大事件になってしまえば、マジックのタネもきっと証拠として審判に関わってくる。
- リネ: はぁ、残念だ…マジシャンにとって、マジックショーは一種の創作物だとも言える。僕たちは本当に多くの心血を注いできたんだ。
- リネ: でもこの秘密が事件の真相を見つけるのに役立つのなら…それもまた、相応の価値を発揮できたって言えるはずだ。
- リネ: トリックを解説するなら、ここを出ないと。僕たちは警察隊に話してくるから、君たちは舞台と客席のほうを先に調べててくれるかい?
- パイモン: おう、それじゃ行こう。ここにいる観客がみんな行ってしまう前にな——名探偵がついに動き出すぜ!
サウンドトラック[]
カテゴリに一致するサウンドトラックはない。
その他の言語[]
言語 | 正式名称 |
---|---|
日本語 | 霧雨に眷恋される街 Kirisame ni Kenren Sareru Machi |
中国語 (簡体字) | 细雨眷恋之城 Xìyǔ Juànliàn zhī Chéng |
中国語 (繁体字) | 細雨眷戀之城 Xìyǔ Juànliàn zhī Chéng |
英語 | The City of Rains and Remembrance |
韓国語 | 부슬비가 남긴 그리움의 도시 Buseulbiga Namgin Geurium-ui Dosi |
スペイン語 | La ciudad de la lluvia y la añoranza |
フランス語 | La ville des pluies et des souvenirs |
ロシア語 | Город дождей и воспоминаний Gorod dozhdey i vospominaniy |
タイ語 | เมืองอันเป็นที่รักของฝนโปรย |
ベトナム語 | Thành Phố Của Mưa Và Kỷ Niệm |
ドイツ語 | Die in Regen gehüllte Stadt |
インドネシア語 | Kota Hujan dan Peringatan |
ポルトガル語 | A Cidade da Chuva e Recordações |
トルコ語 | Yağmurlar ve Hatıralar Şehri |
イタリア語 | La città della pioggia e della memoria |
変更履歴[]
ナビゲーション[]
|