遊学者の爪型杯は、灰燼の都に立つ英雄の絵巻セットの聖遺物である。
説明[]
尚武精神盛んな沃土の国であっても、学問と書籍だけに関心を抱く者はいる。
たとえば、龍の遺物研究会会長を自称する者がいるが、その者は一日中分厚いウォーベンを携えている、
あるいは、どこから手に入れたのか分からない秘源装置を弄り、自身の研究は無用なものではないことを証明しようとしていた。
他にも物作りを得意としており、この異様な獣爪の形を模した杯は彼の代表作だと言われている。
当時はまだ気づいていなかったのだ。この無用な研究がどれだけ贅沢なものだったのかを。
故郷が黒い悪夢に呑み込まれた時、苦労してかき集めたウォーベンはすべて戦火に焼かれてしまった。
それはまるで静かな午後の眠りから目を覚ましたかのように、慣れ親しんでいた日常が突如崩れ去り、
運命が有無も言わさず彼を違う道へ押しやってしまえば、彼も他に選択の余地はなかったのだ。
かつて彼は、最古のウォーベンから古代の龍たちが残した遺跡の中には悪魔に対抗するための武器が眠っていることを読み取り、
奮戦する同胞たちの死を無駄にしないためにも、これまでの研究をすべて捨て去って残りの人生を新たな大義に捧げた。
彼は人気のない廃墟から秘源の機械を掘り出すと、戦士たちを助力するために改造を重ねた。
長年積み重ねてきた知識が功を奏した、または背後で賢者が指揮してくれていたかのように、改造プロジェクトは不思議なほど順調に進んでいると思われた。
とある古代の荒れ果てた都の奥深くで、千年も隠されてきた秘密、あるいは呪いを発見するまでは。
古代オシカ・ナタを統治した蛇王は、かつて空飛ぶ宝船を造ったという伝説があり、
その宝船の中には、アビスをこの世界の外へ放逐することができる秘宝が眠っているという。
このような伝説は、絶望的な時代を生きていく人々の希望となり、
そして世界を救うため、長い旅路へ赴いた無数の冒険者たちの道しるべとなった。
しかし、冒険者たちは一人も帰還を果たすことがなかったため、学者は大勢の非難の的になってしまう。
それでも彼はあれが戯言だとは決して認めず、自らが目にした真実であると信じて疑わなかった。
その後、真実を証明するためか、あるいはすべてを終わりにするためだったのか、
ついに遊学者自身も冒険隊に加わり、雲上にある都へと向かった。
他の言語[]
言語 | 正式名称 |
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日本語 | 遊学者の爪型杯 |
中国語 (簡体字) | 游学者的爪杯 |
中国語 (繁体字) | 遊學者的爪杯 |
英語 | Wandering Scholar's Claw Cup |
韓国語 | 떠돌이 학자의 용 술잔 Tteodori Hakjaui Yong Suljan |
スペイン語 | Cáliz en Garra del Erudito Itinerante |
フランス語 | Coupe à griffes de l'érudit en voyage |
ロシア語 | Кубок бродячего исследователя Kubok brodyachego issledovatelya |
タイ語 | Wandering Scholar's Claw Cup |
ベトナム語 | Chiếc Ly Của Du Học Giả |
ドイツ語 | Klauenkelch des reisenden Gelehrten |
インドネシア語 | Wandering Scholar's Claw Cup |
ポルトガル語 | Cálice do Estudioso Viajante |
トルコ語 | Gezgin Alimin Pençe Kupası |
イタリア語 | Coppa artigliata dello studioso errante |