謎境の災いは、謎境一騎のイベントをアンロックするイベント任務である。
手順[]
- 稲妻城の冒険者協会に行く
- 天領奉行府へ向かう
- 辛炎と会話する
- 天領奉行府の官僚と交渉する
- 天領奉行府に入る
- 九条裟羅と会話する
- 秘境へ向かい状況調査する
- 負傷兵の様子を確認する
- 秘境に行き、門を守る
- 全ての魔物を倒す
- Wave 1:
- Wave 2:
ヒルチャール・突進 ×3
ヒルチャール・炎矢 ×1
ヒルチャールシャーマン・水 ×1
- 秘境の周辺を調査する
- 「訣籙陰陽寮」に入る
- 「式大将」と会話する
- 「悪兆異域の寮」に入る
- 「悪兆異域の寮」の深部へ向かう
- 「悪兆異域の寮」に入る
- 「式大将」と会話する
- 「悪兆異域の寮」の深部へ向かう
- 辛炎と会話する
対話[]
ゲーム内の任務の説明
稲妻の情勢は安定してきたが、あなたとパイモンは歩みを止めなかった。冒険者協会に行き、新たな依頼を受けることにした…
- (ログイン時)
- パイモン: そういえば、最近稲妻の情勢も安定してきたけど、オイラたちまだ新しい依頼を受けてないよな…
- パイモン: このままだと、おまえの片手剣も錆びちゃうんじゃないか?
- パイモン: どうせ暇だし、冒険者協会に行ってみようぜ!
- (辛炎と話す前に矢田幸喜と会話する — 任意)
- 矢田幸喜: 見張りが終わったら、左側の廊下の守備を確認しなければ…
- 矢田幸喜: もう少し人手があれば助かるんだが…
- パイモン: このおじさん忙しそうだぞ、やっぱり邪魔しないでおこう。
- (キャサリンと会話する)
- キャサリン: 旅人さん、ちょうどいい時に来ましたね。
- キャサリン: 冒険者協会に少々状況の複雑な依頼が届いています。我々の判断では、あなたこそがそれを対処するのに最も適したお方です。
千手百目より複雑?
- キャサリン: さすがはあなたですね…では、はっきり言いましょう。今回の依頼者は璃月から来ており、見た目が個性的な若い音楽家の方です。
- キャサリン: 彼女は臨時の「通行証」を持っているのですが、もうじき期限切れとなります。追い出されないためにも、このことに詳しい方に頼んで再び手配してもらわなければなりません。
全然複雑じゃないような…
- パイモン: そんながっかりした顔するなって!なんで厄介事を期待してるんだよ!
- パイモン: でも、璃月から来た個性的な音楽家のお姉さんって…?どこかで会ったことあるような…
パイモン、記憶力が悪いね。
彼女でしょ。
- パイモン: うーん…あっ!オイラわかったぞ!
- キャサリン: おや?お二方のお知り合いでしたか?その女性は依頼を出した後に天領奉行に向かわれました。そこで彼女に会えると思います。
- キャサリン: しかし、最近は天領奉行も事務で忙しくしていると聞きました。彼女の問題を解決してあげられる時間はないかもしれません…
- パイモン: もし本当にあいつだったら、今ごろ天領奉行の入り口でロックしてるかもな!
それはさすがにないでしょ。
- パイモン: うぅ…でもロックは凄いんだろ?早く行ってみようぜ。万が一、治安妨害で捕まってたらまずい!
- (天領奉行府に近づく)
- パイモン: あそこを見ろ、本当に辛炎だ!
- パイモン: やっぱり辛炎だ!ふふん、オイラの直感は鋭いぜ。
やっと思い出したって感じだったくせに…
- 辛炎: あれ?旅人とパイモン?あんたらも稲妻に来てたんだな!?
- 辛炎: 異郷の地で友達と出会えるなんて。あんたら、もしかしてライブを見に来たのか?だったら、がっかりさせちゃうかもしれないな…
ライブ?
がっかり?
- 辛炎: はぁ、話すと長くなるんだけど…
- 辛炎: 「イリデッセンスツアー」って知ってるか?まあ、知らなくてもいいんだけどさ…アタイも少し前に聞いたばかりだし。
- 辛炎: ああもう、よく考えたら最初からすごく怪しかったぜ!
- 辛炎: 主催者側によると、その音楽祭はフォンテーヌが起源で、テイワット大陸全土に知れ渡ってるって話だった。けど、璃月人は誰一人それを聞いたことがなくってな。
- 辛炎: そいつは道の片隅に、夕暮れの実を売る人みたいにポツンと立ってて…だから、ついかわいそうに思って事情を聞いちまったんだ…
- パイモン: なんて言うか…おまえっていいやつだな…
- 辛炎: そいつはアタイに資料をたくさん見せてくれた。「イリデッセンスツアー」は確かに、フォンテーヌで最大級の音楽祭だったよ。
- 辛炎: その舞台に上がることができれば、自分の音楽が大勢の人に好まれてるってことを意味するらしい。
- パイモン: わぁ、じゃあ一躍有名になれるじゃないか!
- 辛炎: そうだろ?アタイもそう思ったんだよ!もっと多くの人にアタイのロックを知ってもらいたい。だから、アタイも「イリデッセンスツアー」に参加することにしたんだ。
- 辛炎: それで、今年の「イリデッセンスツアー」は稲妻で開催されるらしくてな、申し込みをした後、全力で新曲のリハーサルをしたんだよ。より最高のステージにするために、わざわざ北斗さんに送ってもらって、事前に稲妻まで来たんだよ。
- 辛炎: 香菱も応援用の弁当まで作ってくれたんだ!それなのに…それなのにあの主催者側の…やつら…
- 辛炎: あいつら、途中で海難事故に遭って、予定通り稲妻に到着できなかったんだ。それであいつらが通りがかった漁船に稲妻まで伝言を頼んで、稲妻官兵が「イリデッセンスツアー」中止の知らせを出したんだよ!
- 辛炎: なんで中止なんだ!しかも参加するはずだったアタイがそのことを最後に知るなんて…主催者側が申請した「通行証」も貰えねぇし、今ある臨時のやつももうすぐ期限切れになるし、本当にツイてねぇ!
- パイモン: ライブに一番情熱的なのに、一番厄介なトラブルに遭うなんて…
- パイモン: 本当にかわいそうだな…
そうだね。
- 辛炎: はぁ…これが音楽家の試練ってやつなのかもな。
- 辛炎: でも、コンサートが最終的にできなくなるなんて状況は別に初めてじゃない…よし、愚痴はここまでにしよう。意気消沈するような話は終わりだぜ!
- パイモン: 立ち直りが早すぎる!?
- 辛炎: アタイはロックミュージシャンなんだ、粘り強さこそアタイたちの魂さ!だから、すぐに行動を起こすと決めたぜ!冒険者協会に行って助っ人を頼んでいる間、アタイは天領奉行に直接行って事情を聞く、同時進行で解決を図ることにした!
- 辛炎: でも…アタイはもうここに半日も立ってる、天領奉行の武士たちが何をしてるのか分からねぇが、ずっと忙しそうにしてるし、アタイに構う時間もないみたいだ。
- パイモン: そんな!実はなにもやることがなくて、サボってるだけなんじゃないか?
- 辛炎: 平気平気。外に出た以上、困難は付き物だぜ。旅人、北斗さんからあんたはもう稲妻に着いてしばらく経ってるって聞いた、それなら現地のやり方を知ってるはずだよな?アタイを手伝ってくれないか?
いいよ、こういうのは凄く得意。
- 辛炎: よかった!「通行証」のことが終わったら、あんたにも情熱溢れる曲をお礼に作ってやるぜ!
- (矢田幸喜と会話する)
- 矢田幸喜: ん?また君か?さっき忙しいと言ったはずだ、あと少し待ってくれ。
- 辛炎: ちょっと待ったおじさん、いま詳しい人が事情を話すから!
九条裟羅さんはいる?
- 矢田幸喜: 九条裟羅様…あっ、君が上の言っていた旅人か?
- 矢田幸喜: この外国のお嬢さんは君のご友人で?
- パイモン: そうだぞ!こいつは他のやつらにすっぽかされたせいで、ここで立ち往生する羽目になったから、臨時の「通行証」の期限を延ばしてほしいんだ。外国人を困らせないためだと思ってさ、ここはなんとか頼むよ!
- 矢田幸喜: 少し誤解しているようだが、わざとお嬢さんを困らせているわけじゃない。いま天領奉行は本当に上も下も大忙しなんだ。最近大きな問題があってね、我々も人手不足なのさ。
- 矢田幸喜: このお嬢さんの問題を処理できないのは、彼女の前で待っている人が多いからではない。「通行証」を処理するような些細な仕事に誰も時間を割けないからさ。
- パイモン: さ、些細な…こと?
- 矢田幸喜: はぁ、俺の立場からでは多くは言えない。九条裟羅様なら中にいらっしゃる、直接聞いてみてくれ。君たちに事情を話すかどうかは、上の判断に任せよう。
どうやら、そうするしかないみたい。
- パイモン: 本当に忙しかったのか…
- 辛炎: いいってことよ!おじさんも色々大変だな、アタイは理解してるぜ。
- (もう一度矢田幸喜と会話する)
- 矢田幸喜: 九条裟羅様なら中にいらっしゃる、直接聞いてみてくれ。
- (中庭に入ると)
- パイモン: うぅ、ここの武士たち、みんな顔色が悪いな。まるで戦いにでも行くみたいだ…
- (九条裟羅と会話する)
- 九条裟羅: 諸君、隊列を組め!先頭部隊に続いて城外に集合だ!
- 九条裟羅: ん?旅人?それに他の方も、何か用か?
仕事の邪魔してごめん。
- 九条裟羅: 構わない。お前たちがいきなり天領奉行府に来るなんて、何か厄介なことにでも遭遇したのか?
- 九条裟羅: 何か私に手伝えることがあれば、言うといい。
- パイモン: よかった、やっと判断を下せる人が来た!
- 九条裟羅に事情を詳しく説明した…
- 九条裟羅: なるほど。お前の友人がせっかく稲妻へ音楽を披露しに来たというのに、そんなことに出くわすとは。本当に残念だ。
- 九条裟羅: 天領奉行は近ごろ人事異動が頻繁な上、厄介な状況にも見舞われている。人手がまったく足りていない。早々にお前の友人の要求に応えることができなかったのは、我々の手落ちだ。すまない。
- パイモン: おまえたちがこんなに慌ただしくしてるなんて珍しいな、なにか大きな問題でもあったのか?
- 九条裟羅: ……
別に機密を探ろうとしてるわけじゃない。
- パイモン: そうだぞ!ただ適当に聞いただけで…
- 辛炎: 大変な事情があったんだな…気にすんな、アタイの来たタイミングが悪かったんだ。
ちょっと取引しない?
- パイモン: そうだ!こうしようぜ、おまえはオイラたちになにが起きたのか話して、オイラたちができる限り手伝う。その代わり、おまえは辛炎のために「通行証」の延長を手配する。これでどうだ?
- 九条裟羅: …あらゆる場面で人手不足の今、お前たちのような実力者の助っ人がいれば…
- 九条裟羅: 分かった、事情を話そう。近ごろ、荒海地域に突如名も無い秘境が出現し、恐ろしい力を持った魔物がその中から次々と現れ始めたんだ。
- パイモン: 天領奉行は魔物の相手が得意なはずだろ?
- 九条裟羅: 秘境は想定外の圧力となる。私もすでに偵察兵を調査に送った。
- 九条裟羅: 元々は私が直接隊を率いて現場に行くつもりだったが、前線に長く留まれば、天領奉行府は誰も監督がいない状況になってしまう…そうなるのは些か妥当ではない。
- 辛炎: あんたが欠けることで不足するのが戦力なら、アタイたちがそれを手伝う、これでいいんじゃないか!だろ、旅人?
それが最善だと思う。
実力は保証する。
- パイモン: そうだな、オイラたちが手伝う代わりに、おまえもオイラたちを手伝う。いいことじゃないか!
- 辛炎: えっと…その言い方はちょっと強引すぎるんじゃ…
- 九条裟羅: いや、感謝する。確かにそれが今取れる策の中で一番適したものだ。
- 九条裟羅: 他の者であったなら、私は絶対にこの要求を受けない。だが、稲妻至高の神——将軍様でさえも、旅人の実力を認めている。お前たちに任せられるのなら、私も安心だ。
- 辛炎: おいおい…あんたら、稲妻ですごいことをやったみたいだな…
辛炎、(俺俺/
私私)のことは知ってるでしょ… - 辛炎: たしかに。前に香菱からも聞いたことがある、あんたは大事を成す人だって…
- 辛炎: 九条裟羅さん、アタイたちはこれからどこに行けばいいんだ?
- 九条裟羅: 今すぐ現場まで連れて行こう。しかし、私はこれまで現場に向かう時間がなかったゆえ、おそらく安全面については正確に予測できない…
- 九条裟羅: 念のため、各自戦闘用の装備と支援物資をできるだけ用意しておいてくれ。
- パイモン: 費用は立て替えてくれよ!
- 九条裟羅: いいだろう。ではすぐに府内に申請を…
- 辛炎: 待ってくれ!「通行証」の手配って費用がいるんだよな?それを立て替えてくれよ。こっちの費用はアタイが受け持つからさ。
辛炎、太っ腹!
- 辛炎: そんなんじゃねぇって…実は…船を降りる前に北斗さんからモラを一袋もらったんだ。それを貯め込んどくのもあれだし、それに…へへッ、こんな面倒をかけたんだ、ちょっとは何かしないとな。
- 辛炎: 袋の中のモラはアタイたちで分け合おうぜ!軍事手当ってことにしよう。
- 九条裟羅: 本当に…理解のある善良な方だな。
- 辛炎: いいってことよ、気にすんな。それで、アタイの通行証は…
- 九条裟羅: そのことは私が直々に手配しよう、安心してくれ。
- 辛炎: おお!ありがとう!
- パイモン: 決まりだな、じゃあ一緒に秘境を制圧しに行こう!
- 辛炎: ああ、行こう!アタイも旅行に来た気分で、見聞を広めに行くぜ!
- (拠点に近づく)
- パイモン: おい!あそこを見ろ!
- 辛炎: あの武士たちの様子、ヤバそうだな…
- (渡部と会話する)
- 渡部: 九条裟羅様、お越しいただけたのですね!
- 渡部: 先ほど秘境の入り口から調査を開始したところ、魔物の襲撃に遭ってしまいました。
- 渡部: 全力を尽くし、ほとんどの魔物を秘境内に追い返したのですが…いくつか取り逃がした魔物が南東方向へと向かってしまいました。
- 渡部: 負傷した仲間も多い状況です、私の独断で負傷者の手当を優先すべきだと判断し、魔物を追いかけることができませんでした。誠に申し訳ございません!
- 九条裟羅: 南東方向?まずい、道中には一般人もいる…
- 九条裟羅: 各位、緊急事態だ、しばし兵を二手に分ける。私は逃げた魔物を追う、ここは皆に任せる。
- 九条裟羅: 余計なお世話かもしれないが、くれぐれも身の安全には気をつけろ。
心配ない。
(俺俺/
私私)たちはプロだから大丈夫。 - パイモン: 安心しろ、オイラたちこういう経験は豊富だから!
- 渡部: あっ…そうでした!秘境からも時々魔物が出てくることがあります。入り口を守り、くれぐれも逃がさないようにしてください。さもないと…
- 九条裟羅: 渡部!私の判断を信じろ!
- 渡部: はっ!九条裟羅様!
- (九条裟羅が離れる)
- パイモン: あぁ…行っちゃったな。
- 辛炎: 本当に厳格で引き締まった人だったな。
- パイモン: あいつは部隊の指導者だからな、仕方ない。
- パイモン: じゃあ、オイラたちも早く秘境に行って入り口を守ろう!
- (もう一度渡部と会話する)
- 渡部: 負傷者をいち早く助け、陣形を立て直す…
- 渡部: 何があろうと、天領奉行は事態を収束せねば!
- パイモン: こんな状況の中でも、心が折れてないみたいだ。強い意志を持った武士だな!
- (秘境へ近づく)
- パイモン: また魔物がたくさん出てきたぞ、早く倒そう!
- (すべての敵を倒した後)
- パイモン: 魔物が出てこなくなった…終わったのか?
- 辛炎: ん?地面に何かある。
- (人形を調べる)
- パイモン: 一枚の…紙切れ?
- パイモン: 紙人形?武士が落としたお守りかな?
- 辛炎: この紙人形…伝説に聞く「式神」に似てるな。
「式神」?
- 辛炎: ああ。アタイは歌詞を書くために、いろんなところからインスピレーションを探してるんだ。テイワット各地にある伝説も結構研究したことがあるんだぜ。
- 辛炎: 噂によると、稲妻には符術を凝集した紙切れがあって、主と一緒に行動するらしい。中には妖魔を断ち切ったり、家族の健康を守るご利益があったりするみたいだ。
- パイモン: 聞いた感じ、璃月の呪符とか仙術と似てるな…
パイモンより強いみたい…
イノシシ5分の1よりも強そうだ…
- パイモン: おい、なんだよそれ!オイラは専門的なテイワットガイドで、おまえの一番の友達だろ!それなのに、オイラの戦闘力をバカにするなんて!
- 辛炎: 待ってくれ!これを見ろ、この「式神」…う、動いてるのか?
- パイモン: おーい、紙切れー!聞こえるか?話せるか?会話はできるのか?
- ???: ここは…はっ!僕は意識を失っていたのか?
- ???: まずい…僕は…あっ、そうだ!お前たち、あの逃げ出した魔物を見なかったか?どこに行ったんだ?
- 辛炎: 魔物ならさっきこの近くにいたけど、アタイたちがやっつけたぜ。
- ???: ふぅ…ありがとう。やつらを逃がさずに済んでよかった…万が一死傷者が出れば、申し訳が立たなくなる…
- パイモン: おまえは「式神」なのか?あの怪物たちは、おまえが放ったんじゃないよな?
- 辛炎: アタイの知る限り、「式神」は魔を駆除する存在だろ、あんた一体どうなってんだ?
- 「式大将」: 僕は「式大将」だ。すまない、初めて会うのに、僕の未熟で見苦しいところを見せてしまった。
- 「式大将」: 皆が今いるこの秘境は、「訣籙陰陽寮」という場所だ。僕はここの「寮司」、寮内にあるすべての事務を取り仕切っている。
- 「式大将」: 「訣籙陰陽寮」は僕と共に長い年月眠りについていた。しかし何日か前、この秘境がなんらかの力の影響により、まさか、まさか魔物を勝手に蘇らせ、扉を開くとは…
- 「式大将」: 実は…僕は一部の記憶が欠けている。覚えているのは、目覚めた時に見た悪夢のような光景と、無意識のうちにそれらを止めようとしたことだけ。
- 「式大将」: よもや、あれらの魔物が倒されると紙札になるとは。その紙札を見てやっと思い出した。やつらが僕と同じく、この陰陽寮の…「陰陽術」による造物であると。
- 辛炎: 「陰陽術」の造物?何言ってるか全然分からねぇ…
- 「式大将」: すまない…今はまだ明確な言葉で説明することができない…
(君君/
あなたあなた)はどんな存在なの? - 「式大将」: ぼ…僕は…すまない!式神として、自分が寮司であることは知っているのに…主が誰なのか、作り出された目的が何なのか、そんなことさえ分からない…なんという失態だ!
- パイモン: つまり、おまえは自分が良いやつなのか悪いやつなのかもわからないってことか?
- パイモン: でも、きっと大丈夫だと思うぞ。記憶を失くしたやつは懐かしい場所に行くと、なにか思い出せるらしいからな。おまえも秘境に戻ってみたらどうだ?
- 「式大将」: ああ、いま陰陽寮に戻るつもりだ。
- 「式大将」: まだまだ自分自身に数々の疑問があるが、僕の力がこの秘境と同じ源であることは感じ取れる…それどころか、ここと一心同体の存在なのかもしれない。
- 「式大将」: 僕なら…完全に制御することができるはずだ!何故かは分からないが、そんな風に思える…
- パイモン: 「式神」は妖魔を退治する助っ人だってみんな言うし、おまえはここの扉を守るために配置されたのかもしれないぞ!
- パイモン: それに本にこういう話よくあるだろ?記憶喪失になった人が、かつて自分が強大な力を持っていたことを忘れてしまうみたいな。でもそれを思い出した瞬間、天下無敵になるんだ!
- 「式大将」: 正直なところ、僕もそのように思わなくもない。できることなら、僕に協力してくれないか?
- パイモン: つまり、今やるべきことはおまえの記憶を取り戻すことだな?記憶を取り戻したら、この秘境をまた制御できるかもしれない。そうしたら、魔物ももう逃げ出すことはないな。
- 辛炎: 旅人、ちょっとこっち!
- 辛炎: この「式大将」、今さっき目を覚ましたばかりで、記憶を失ってるって…こいつの言ったこと、信じてもいいと思うか?
判断が難しい…
- 辛炎: もし本当にこの秘境の門番だったら、アタイたちの味方だ。でも…
逆の可能性も否定できない。
万が一、魔物を創造していたら…
- 辛炎: …ああ、そうだな。誰かを陥れようと考えるのはダメだけど、誰も自分を陥れることはないと思って警戒心を緩めるのもダメだ。
- 辛炎: それに、いったい誰がこの秘境を建造したのか、なぜ秘境の中にこんなに多くの魔物がいるのか…この場所について、もっと知る必要がある。
- 辛炎: けどパイモンは、だいぶこいつのことを信じてるだろ。どうやら、子供みたいに純粋無垢な心を持ってるんだな。
パイモンは可愛い紙切れに好感を持ってる。
- 辛炎: パイモン、ちょっと待ってくれ。状況が明確にならないうちは、軽率に行動すべきじゃないと思うぜ。
- 「式大将」: ああ…僕も重々承知している。なにせ記憶を失くした上に、この陰陽寮と密接な関わりがある。君たちが僕に不安を抱くのは当然のことだ。
- 辛炎: なんなら、アタイがあんたの本心を試してやろうか。
- パイモン: 本心?なんか…すごいことが起こりそうな予感がするぞ…!
- 辛炎: あんたらは信じないかもしれないが、アタイみたいな音楽に熱狂的なやつらは、肉眼では捉えられない特殊な言語を使えるんだ。この言語はあんたらにだって使うことができる。音楽を媒介して伝えるのさ。
なるほど、分かった。
- パイモン: どんな言語なんだ?オイラにも聞かせてくれ!
- 辛炎: この言語はすごく誠実で、人の心の奥底にある最も正直な部分を動かすんだ。今から、アタイがこの言語を使って、「式大将」が信頼に値するか「試験」してやるよ。
- 「式大将」: 音楽?僕はその類のものを深く知っているわけではないが…試す必要があると君たちが言うなら、どんな「試験」でも受け入れよう。僕は、目の前にある危機を解決したいだけなんだ。
- 辛炎: よし、じゃあよく聞けよ!
- (Xinyan plays "烈火の如く")
- 辛炎: どうだ?アタイの音楽にシビレただろ?
演奏テクニックは凄かったけど…
- パイモン: でも、おまえ一曲演奏しただけだよな。これって「試験」って言えるのか?
- 辛炎: さっきアタイが言った言語は、曲の中に隠されてるんだ。あんたらには見えないが、あんたらの心の中に入り込んで…考えを刺激する。
- 辛炎: 異なる魂はこの言語に異なる反応を見せる。何を感じたかアタイに教えれば、あんたの魂が何色なのか判断できるぜ!
- パイモン: えっ?そんなにすごいのかよ!?
- 辛炎: 優しい心、運命に弄ばれ悪に染まった心、そして不幸に慣れてしまいとっくに閉ざされた心…この3種類は、すべて異なる色をしてるんだ。アタイを信じてくれ!
- 辛炎: さあ、「式大将」。アタイの音楽から何を感じ取った?教えてくれるか。
- 「式大将」: すまない、僕には…分からない…
- 「式大将」: こんな曲調の音楽は聞いたことがない、その中に秘められた奥深さも理解できない…
- 「式大将」: ただ、僕の体が、魂が…いや、もし魂があるとするのなら、きっとこの旋律に動かされたのだろう。僕は、君の描いた世界を見た。
世界?
- 「式大将」: なんて言えばいいか分からないが…まるで何の目的もなく道を彷徨い歩いているような感じで…辺りは霧に包まれていた。僕は傷を負っていて…頭に痛みを感じた。
- 「式大将」: 周囲の霧からはカサカサという音。僕は危険に陥ることを心配したが、他に手立てもなく、ただひたすら前へと進んだ。
- 「式大将」: 終点がどこなのか、誰も教えてくれなかった。ただ何故か、誰かが終点で待っててくれているような気がした…
すごく細かいね。
- パイモン: うわぁ…一枚の紙切れなのにそんな多くのことを感じ取れるなんて、オイラが全然ダメダメに見えちゃうじゃないか…オイラなんて、たくさんの人たちが一緒に魚を焼いてるところしか思い浮かばなかったぞ…
- 「式大将」: 焼き魚!実は、僕もかすかにそのような場面を見たんだ…顔のぼんやりとした人と一緒に魚を焼いていた。
- 「式大将」: その霧の果てには篝火があり、人々は火のそばに座っていた。捕えたばかりの川魚を竹串で刺し…僕は一人の一般人として、彼らと夕ご飯を一緒に食べたんだ。
- 「式大将」: …なんだか、次の日になって太陽が昇れば、僕はこの篝火を離れて歩き続けて行くような気がした。
- 辛炎: 終わらない旅路…戦ったりはしなかったのか?
- 辛炎: アタイの旋律を聞いても、戦う場面が思い浮かばないなんて…面白い!
- 「式大将」: ん?戦いを思い浮かべるべきだったのか?
- 辛炎: いや、いいんだ。あんたはとてもいい答えを出した。以前何人かの友達にもこの曲を聞いてもらったことがあったが、正直…あんたの答えは彼女たちとほぼ同じだ。
- 辛炎: 豊かな構成と急変する転機があったのに、あんたは依然としてそのイメージを主張した。もしかしたら…あんたの考え方はアタイの友達と近いのかもしれない。
- パイモン: 辛炎の言った友達って、香菱と北斗か?
- 辛炎: あははっ、そう、あいつらのことさ!
- 辛炎: 志が同じなら進む道も同じって言うだろ!この答えで、アタイは「式大将」が信頼できるやつだって信じることにした!
- 「式大将」: …本当にいいのか?僕はただ適当に感想を言っただけだ、まさか君がそんなはっきりと僕を信じてくれるなんて。
- 辛炎: 分かってねぇな!アタイはな、音楽の中の言語を一番信用してるのさ。あんたが信頼できるやつだって、そいつがアタイに言ってくれてる、そう考えてくれ。
- 辛炎: 音楽は根拠のあるようなものじゃなく、自由そのもの。「式大将」、あんたが何千もあるイメージからそれを選ぶことができたのは、あんたとアタイたちの間に縁があるからかもしれない。
- 「式大将」: ありがとう、辛炎さん!
- 辛炎: いいってことよ、アタイがあんたを信じると決めたのは、自分自身の音楽性を信じてるからなんだ、音楽は友を呼ぶってな。アタイのちょっとした驕りだとでも思ってくれ。
(俺俺/
私私)はもう少し様子を見る。 - 辛炎: そうだな、これはあくまでもアタイの個人的な判断だし、旅人には旅人の基準がある。でもこの後はどうせ一緒に行動するんだ、アタイの顔に免じて「式大将」も連れていってくれよ。
(俺俺/
私私)は辛炎の判断を信じる。 - 辛炎: そうだろ?あはははっ、あんたも音楽のセンスが良かったんだな。さすがアタイの友達!
- 「式大将」: みんな!この恩は絶対に忘れない!記憶を取り戻せれば、みんなのために何かできるはずだ…
- 辛炎: まあまあ、別にあんたに手伝わせようと思ってるわけじゃないんだから、そう力むなって。いま一番重要なのは、状態を整えることだ。
- 辛炎: 旅人、さっそく戦闘準備をして、秘境の中の謎を解き明かしに行こうぜ!
- 辛炎: 九条裟羅さんが戻ってくるまでに問題を解決できれば、すべてが丸く収まる。
じゃあ出発しよう。
- パイモン: オイラたちみたいなレベルの冒険者なら、どんな秘境だって朝飯前だぜ!
- (秘境をに入る)
- 辛炎: おかしいな、この「訣籙陰陽寮」、これといって特別なところなんてなさそうだぞ?
- 「式大将」: 確かにそうみたいだ。だが微かに法力の回復を感じる…ふぅ、少し楽になった。
- パイモン: ちょっと待て!あそこを見ろ、あれ…人じゃないか?
- 「式大将」: 秘境内に人が?それは…少しおかしい。一般人がこの秘境に入ることはないはず…
あの姿、なんだか知ってるような…
- ???: おっ?誰かと思ったら、君たちだったんだね…
この声は…!
- ???: さっき足音が聞こえたから、どんなやつらがこんな危険な秘境に入ってきたのかと思ってたんだ。
- パイモン: あっ!おまえだったのか!
- 「公子」: そうさ。アハハッ、君の声を聴いて、すぐ分かったよ。
- 「公子」: 久しぶり、旅人。以前より度胸が増したようだね。
- パイモン: 「公子」!なんでおまえがここに?
- パイモン: もしかして…この秘境はおまえの仕業か!
- 辛炎: うーん…誰だ?公…子?
この人は…「公子」。
タルタリヤって呼んでいいよ。
- 「公子」: こんにちは、俺のことはタルタリヤと呼んでくれ。俺は…
- パイモン: オイラが言うぞ!こいつがここにいるってことは…これから悪いことが起こるってことだ!
- 「公子」: おいおい、こんな久しぶりに会ったっていうのに、その言い方はないだろ?
- パイモン: お、おまえが一番わかってるはずだぞ!
- パイモン: でも、辛炎は公子が起こした璃月のいざこざを知らないはずだよな…教えるか?うぅ…なんか辛炎の性格からして、もし知ったら今の状況がもっとややこしくなりそうだぞ…
- 「公子」: (このお嬢さん…身なりは特殊だが、璃月人のようだ…どうやら、正直に話すかどうか決めなきゃいけないみたいだね。)
- パイモン: ええっと…よし、こうしよう!
- 「公子」: 実は…
- パイモン: こいつはオイラたちがモンドで知り合った冒険者の友達なんだ!「公子」ってのはオイラたちがこいつにつけたあだ名だ!
- 「公子」: えっ?
えっ?
- パイモン: このタルタリヤってやつ、いつも物事を台無しにしちゃうんだ!危ない状況だってわかってても、なりふり構わずやる。冒険者にとっては絶対にやっちゃいけないことなのにな!だから、オイラたちはこいつを警戒してるんだ。
- 「公子」: …あぁ、そうだった!そうそう、俺は冒険者なんだ!この前、旅人とパイモンに色々迷惑をかけちゃってね、悪かったよ。
(パイモンの考えが通じたみたい。)
- 辛炎: モンド人だったのか。こんちわ、アタイは辛炎、璃月人で、好きなものはロックだ!
- 「公子」: やあ、よろしく、君もこの秘境を探検しに来たのか?
- 辛炎: ああ、アタイたちはこの秘境で魔物が暴れてる原因を探してるんだ。
- 辛炎: この「式大将」によれば、ここは「訣籙陰陽寮」と呼ばれる秘境で、中には色んな「陰陽術」で創造された危険な魔物がたくさんいるらしい。
- 「公子」: 危険な魔物を外に放つ秘境か…その正体はいったい何なんだろうね?
- 「公子」: 俺も偶然ここに入ったんだが、ここの秘密にはとても興味がある。真実を探求することは冒険者の性分だからね、君たちに同行してもいいかな?もちろんお返しとして、俺も手伝うよ。
- 「公子」: 俺はケンカならすごく強いんだ。
- 辛炎: 旅人、どう思う?
……
- 「公子」: おいおい、俺がいらないだなんて言わないよね?旅人、俺の実力は君も知っているはずだろ?
分かった、一緒に行こう。
- 「公子」: ああ、ありがとう。
- 辛炎: 「式大将」の記憶を取り戻す助っ人がまた一人増えたな。人手が増えれば力も増えるってもんだ!
- 「公子」: 「式大将」、君たちのそばにいる小さな紙人形のことだよね?
- 「公子」: ふむ…実に愛嬌のある見た目だね。シンプルな姿、滑らかな顔立ち、俺の弟が好きそうだ。
- 「式大将」: えっと…僕を褒めてるのか?
- パイモン: そうだな、褒め言葉として受け取っていいと思うぞ。
- 「式大将」: そうか、なら僕も新しい仲間に現状を説明しよう。
- 「式大将」は自分が記憶を失ったことや、秘境の入口の状況を再び説明した。
- 「公子」: 君はここの「寮司」だって言ったけど…俺がここに入った時は君を見かけなかった。つまり、その時すでに意識を失っていたのかな?
- 「式大将」: そうだと思う。
- 辛炎: 兄ちゃん、たぶんそれはあんたの動きがすごく速かったか、ここに来た時間が早かったからじゃないか、そうだろ?
- 「公子」: 兄ちゃん?アハハッ、いいねその呼び方!とても親しみがある。そんな風に呼ばれると、自分の妹のことを思い出すよ…
- 「公子」: さっき聞いた情報からして、「式大将」はきっとこの秘境の番人だろう。
- 「公子」: そのことはすぐ確認できるはずだ。「式大将」はこの秘境に入ってから、法力がずっと回復していると言っていた。もしかしたら、前に進めば進むほど、より多くの力を吸収できるのかもしれない。
- 辛炎: 「式大将」、何か思い出したことはあるか?それか、何か違和感を覚えるようなこととか。
- 「公子」: 「式神」のすべては符術に由来するという。力が強ければ強いほど、記憶が戻る可能性も大きくなる。
- 「式大将」: 寮内に戻ってから、なんとなく…この秘境の一部を制御できるような気がしてる。「寮司」の能力なのかもしれない。
- 「公子」: この部屋の魔物はもう俺が片付けておいたよ。ヤツらは倒されるとボロボロの紙札になるんだ。
- 「公子」: 戦いは楽しかったけど、俺は前へ進む方法を見つけられなかった。「式大将」、君は「寮司」なんだよね、何か心当たりはないかい?
- 「式大将」: 試してみよう…喝!
- 辛炎: おっ!扉が開いたぜ!
- パイモン: うぅ…なんか背中がゾクゾクする…この中、すごく不気味だ…オイラ、一番前はいやだぞ…
危ない気配がする。
- 「公子」: 魔物の気配だね…戦闘の香りがするよ。
- 「公子」: ここの魔物はとても強い、前方で俺たちを待ち受けているのは過酷な戦いだろう。正直、こういうのは大好物でね…君たちも、戦いを楽しむことを学んだ方がいい。
- 辛炎: 強敵だろうとなんだろうと、アタイが全部焼き尽くしてやるぜ!
- パイモン: じゃあ、オイラたちを守ってくれ!特にオイラを!
「式大将」?どうしたの?
- 「式大将」: 音…音が鳴り響いているのが聞こえる。
- 「式大将」: ここはかつて…うん、僕の領域だった。この秘境の中で、僕ができることは決して扉や装置を開けることだけにとどまらない。
- 「式大将」: 僕は戦える、いや…戦い方を知っている。
- 「式大将」: みんな!戦闘に関する記憶を思い出した。「式札」と「陰陽術」で君たちと一緒に戦わせてほしい。
- (お守りの設置場所に近づく)
- 式大将: 「御霊には四魂、巴には三重」。この秘境は「陰陽術」の偉大な成果、ここには何千もの式札があり、そのうちの9枚は極致の術とされている。
- 式大将: 「陰陽術」は邪悪を祓うもの。心して使えば、武人も活用できるようになる。その奥深さは、すべてこれらの「式札」に隠されている。
- (部屋間の廊下に入る)
- 式大将: しかし、なぜ人々はこの秘境で戦うのだろうか?
- 式大将: ここへ来る途中、ボロボロになった「式札」や様々な兵器を見た。それと…焼き魚の匂いも。これらは、いったい誰が残したのだろう?
- (ダンジョンの最後まで到達する)
- 「公子」: 実に悪くない。これほどまでにスリルな戦い…かつて、あの場所で経験したもののようだ。
- パイモン: なんか興奮してるみたいだな?そんなにケンカが好きなのか?
- 「公子」: もちろん!俺は終わらない戦いを楽しんでいる。命をかけて全力を尽くし、すべてを賭ける…
- パイモン: おう…「公子」を連れてきたのは、たしかに正解だったかもな。魔物をやっつけるスピードがかなり速くなったぞ!
- 辛炎: 足元に気をつけろ!おい、あれなんだ?
- 辛炎: 地面の上に小さな紙人形が、「式大将」にそっくりだ!
- 「式大将」: 僕はこれが何なのか知っている。これは僕の「拓本」、僕を原型にして量産した「式神」で、僕の力を有している。もしかすると、記憶も幾分か持っているかもしれない…
- 「式大将」: これを回収しよう。
- 「式大将」は「拓本」を回収した…
- 辛炎: どうだ?何か思い出したか?
- 「式大将」: 晴之介…
- パイモン: 晴之介?
- 「式大将」: 惟神晴之介、僕の主だ。
- 「式大将」: 彼は稲妻最初の「陰陽師」であり、符術を熟知していた。彼は僕とこの秘境を作り、ここに長く隠居していたんだ。
- 「公子」: 君の主は、やはりここの創造者だったんだね。
- 辛炎: でも、そいつがあんたと秘境を作った目的はなんなんだ?
- 「式大将」: すまない…今はまだ分からない。
- パイモン: ただの「陰陽術」マニアなんじゃないか?自分の陰陽術がすごいって知って、この場所を作った。それで、もっと強くなるために、ここに閉じこもって修行してたとか…
- 「公子」: それはあるかもね。学術に執着する人は、いつも驚くようなことをしでかす。
- 「公子」: 例えばその惟神晴之介という人、彼は「陰陽術」に酔いしれ、自分を鍛えるためにわざわざこの秘境を作った。
- 「公子」: しかし秘境に異常が起き、「陰陽術」が暴走し、式神を魔物にしてしまった。
- パイモン: うぇっ!「式神」が魔物になるのか!?
- 辛炎: う、うそだろ!ろくでもねぇ話じゃんか!
- 「公子」: ただの想像だよ、だってここには「式神」も紙札以外の媒体もないんだから。こんな大事が起こったら、稲妻当局はきっと気付くはずだよね?それで人員を手配してここを封印したところ、「式大将」は眠りについた…
- 「式大将」: いや。僕はまだ晴之介の面影や、彼といた感覚を思い出せはしないが…唯一確信を持ってることがある——
- 「式大将」: 彼の才覚からして、「陰陽術」の領域でこれほどまでの過ちを犯すことはないだろう。それに、彼が責任感のない人ではないと、僕は思うんだ…
- 「公子」: そうかい?そうなると、あとはあまり良くない推測しか残ってないよ。
- 「公子」: 仮に惟神晴之介が悪人で、この秘境を創造したのが「陰陽術」を強化することで、戦う道具となる魔物を創造するためだったら…
- 「公子」: そうなれば彼は正真正銘、迷惑極まりない人間だ。そして君は、惟神晴之介の共犯者ということになる。
- 「式大将」: 悪人の…共犯者?魔物を…戦う道具に?
- 辛炎: おいおい兄ちゃん、いま結論を下すのは少し早いんじゃねぇか?
- 辛炎: 「式大将」はアタイの「試験」に合格した、アタイにとって信頼できる相手だ。そう言われるのは少し聞き捨てならねぇな。
- 「公子」: ただ「式大将」の記憶から推測しただけだよ。確かに、今はまだ決定的な証拠はない。俺もわざと彼を疑っているわけじゃないんだ、みんなのために現状を整理しているだけさ。
- 「公子」: それに…兵器にされることも、別に悪いことじゃないだろ?
(兵器にされる…)
(それが公子の考え。)
(公子がここにいるのは、偶然じゃない。)
(公子も手がかりを探してる。)
- 「公子」: あの扉をくぐり抜ければ、次の部屋に到達できるはずだ。
- 「公子」: 「式大将」の拓本を探してみよう、あれは記憶を取り戻す手助けになる。
- 「公子」: もしかしたら、最深部で惟神晴之介本人に会えるかもしれないね?そいつの実力がどの程度のものかは分からないけど、ぜひ会ってみたい。
- 「式大将」: …引き続き進もう。
- (秘境を出る)
- パイモン: あれ?なんで外に?
- パイモン: オイラたち、あの扉を通ったはずだろ?もしかして、あれは次の部屋に繋がる扉じゃなかったのか?
- 辛炎: まずい、「式大将」と兄ちゃんは?まさかまだ秘境の中に?
- 辛炎: ダメだ…入れねぇ、外部の者を弾いてる。
秘境が(俺俺/
私私)たちを受け入れなくなった? - パイモン: なんか微妙に振動してないか?まさか、秘境でなにかの装置が動いてるのかも?
- 辛炎: …チッ、厄介なことになっちまった。
- 辛炎: 軽率な行動は禁物だな…旅人、パイモン、アタイたちはもう少しここで待ってみよう。
- 九条裟羅: 皆の者!
- パイモン: あっ!九条裟羅、こんな早く戻って来れたのか!
(タルタリヤがいなくてよかった。)
(厄介な事になりかけてた。)
- 九条裟羅: いや、早いとは言えない。あの魔物たちは狡猾で、人と相対するのが上手かった、時間をかなり浪費してしまった。
- 九条裟羅: お前たちは、何か進展が?
- パイモン: 実は、さっき…
- 辛炎: アタイたちが秘境の入り口にいた魔物を倒した後は、もう他の魔物が逃げ出すことはなかったぜ。
- 辛炎: だけど、その後すぐに秘境から音がして、何か問題が起こったみたいだ…危険かもしれないから、音が止んでから入ろうと思っててな。
- 九条裟羅: …ふむ、私も何か抵抗を受けるかのような力を感じる。
- 九条裟羅: 今は逃げ出す魔物を捕えるだけで、多くの人手を消耗している状況だ。秘境に入って真相を探すとなれば、さらに難しくなるだろう…万全な準備をしておかなければならない。
- 渡部: 九条裟羅様!負傷兵の状況が思わしくありません。しかし、城へ戻る道中にも魔物をいくつか発見しました…
- 渡部: 誠に恐縮ですが、九条様直々に負傷兵を城内まで送り届けていただけないでしょうか!
- 九条裟羅: ……
(俺俺/
私私)たちの心配はしないで。 助けが必要な人たちを優先してあげて。
- 九条裟羅: 仕方ない。皆の者、私は先に負傷兵を稲妻城へ撤退させる。その後、精鋭部隊を手配してここへ戻ろう。お前たちはすでに多大な貢献をしてくれた、私たちと共に城へ戻ってくれ。
- 辛炎: 九条さん、あんたはアタイたちが巻き添えになるのが心配で、そう言ってるんだよな?大丈夫、全然へっちゃらさ!アタイたちなら、ここをどうにかできる、あんたは安心して行ってきな。
- 辛炎: この扉は、あんたの代わりに見張っておくからさ。
- 九条裟羅: それは…本当に申し訳が立たない…
- 辛炎: へへっ、人助けは最後までやり通すもんさ。
- パイモン: そうだぞ。おまえがいなかった時、オイラたちはこの近くで魚を焼いて食べてたんだ、すっごく楽しかったぜ!
- 辛炎: アタイも新しいインスピレーションが湧いたんだ。波瀾万丈の稲妻の旅を記念して、一曲作ろうと思ってる。
- 九条裟羅: 皆の貢献は、我々天領奉行すべての者が心に刻もう。このことが終わったら、また改めて礼をさせてくれ。
- 九条裟羅: 悪いが少しの間、この秘境を見張っておいてほしい。
- 九条裟羅: 渡部にも、ここ一帯にいるよう命じる。何か不測の事態が発生した場合は、彼に伝えるといい。
- 九条裟羅はこの場を離れ、渡部は拠点へ向かい引き続き待機した…
- パイモン: 辛炎、さっきわざとオイラたちが秘境に入ったことを言わなかったのか?えへへ…オイラ気づいてたぞ!
- 辛炎: 賢いな、アタイたちも心が通ってきたってわけだ。
- 辛炎: 秘境のことはまだ徹底的に調べ上げてない、もしいま幕府の人間を巻き込んだら、厄介なことが増える可能性がある…
- 辛炎: 先に言っておくが、「式大将」をえこひいきしてるわけじゃないからな!ただ、記憶はあいつにとって重要なもので、あいつが自分のことについて真実を知るまで…他のやつらに誤解させたくないだけだ。
タルタリヤが推測したみたいに。
確かに人々が誤解するかも。
- 辛炎: ああ、他人に誤解される気分は最悪だ…アタイも似た経験がある。時に人っつうのは上っ面だけを信じる、その上それに対する忍耐を持とうともしない…
- 辛炎: 一人一人の見方によって、誤解はますます大きくなるんだ!そうなると誤解された人は、説明することさえ難しくなる。そんなのはよくない。
- 辛炎: ロックはいい音楽だが、人々に誤解されやすくもある…「式大将」はアタイの言語が選んだ仲間だ、アタイはアタイの方法であいつを守る。
そのやり方にはリスクがある。
じゃあ、九条裟羅との時間勝負だ。
- 辛炎: ああ、九条裟羅さんが戻るまでに「式大将」の潔白を証明しなきゃならない。
- 辛炎: それと、天領奉行の人がこの秘境を制圧しようとしてること、「式大将」には秘密にしておいてほしいんだ。
- パイモン: 辛炎は優しいな、記憶を失くした人の気持ちも常に考えてる。
- 辛炎: アハハッ、当然のことさ!
(辛炎は信頼を与える役目…)
((俺俺/
私私)は…判断を下すのが役目だ。) - 辛炎: ん?また音がしたぜ!どれどれ…
- パイモン: オイラもオイラも…
パイモン、こっちに来て!
- 念のため、パイモンとこっそりいくつか方法を相談した…
- パイモン: うぅ、複雑で、頭がこんがらがる…
- パイモン: でも、すべてを話すときが来たら、オイラも頑張るぞ!
- パイモン: 紙人形に負けないように、オイラもしっかりしないとな!
- 辛炎: 旅人、こっちに来てみろよ!
- 「式大将」: うぅ…やはり失敗した!
- 辛炎: 「式大将」!大丈夫か?
- 「式大将」: 大丈夫だ。先ほど寮内の排除に抵抗するため、少しばかり力を消耗しただけだ。
- 「式大将」: さっきの扉は、扉の形に見立てた仕掛けだ。あれに触れると、陰陽寮の内部にあるすべての部屋がかき乱され、再構築される。
- 「式大将」: そして変化している間は、誰も入ることができない。
- 「式大将」: はぁ、僕のせいだ。僕の秘境に対する制御力が足りないせいで…そうじゃなかったら、今みたいなことにはなってない…
- パイモン: そんなに自分を責めるな。「公子」はどこだ?まさかまだ中にいるのか?
- 「式大将」: 分からない…だが、あの方からは何か不思議な気質を感じた。
- 「式大将」: 彼は一般人とは違う…彼にとって戦闘は負担ではなく、趣味なんだ。彼はそれに対して恐怖を抱くことはない。そのような者になら…この秘境を征服できるかもしれない。
- パイモン: あいつはたしかに面倒なやつだけど、意味もわからないまま死なせるわけにもいかない!あいつはチームで最強の助っ人だしな!
- 辛炎: あの兄ちゃんはずっと余裕な感じを出してたから、その実力は信じてもいいと思うぜ。
- 辛炎: 「式大将」ですら入れないんだ、今は待つしかねぇ。だけどアタイは待つのが嫌いだ…なんだか受け身に感じてな。
- 辛炎: はぁ、どうせ暇なんだし、作曲でもするか。「式大将」、新曲を聞いてみないか?
- 「式大将」: ああ、よろこんで。だが僕はいま少々気持ちが落ち着かなくて…
- パイモン: おまえは「式神」だろ、オイラたちよりも落ち着かないのか?
- 「式大将」: 僕は知っている、みんなが命を危険にさらしてまで僕を助けようとしていることを。だから、君たちが秘境内で経験したこと、遭遇した戦い、受けた傷…それらはすべて僕が背負うべきことなんだ。
- 辛炎: アタイたち璃月人は、心の静寂を重んじてる。あんたがいつまでも落ち着かないでいたら、事態がますます悪化する一方だぜ。
- 辛炎: 中にはな、圧迫されればされるほど突っぱねて、束縛されればされるほど自由を求めて突き進んでいくものもいるのさ。アタイはそういうのが好きだ、そういうタフさをずっと追い求めてる。
- パイモン: それがおまえの言うロックってやつなのか?
- 辛炎: そうだ!強さとしなやかさを兼ね備え、いつまでも粘り強く、逆境に負けない。そんな存在にアタイはなりたいんだ。
- 「式大将」: …分かった、辛炎さん。ではここで静かに時機を待とう。
- 辛炎: ハハッ、そうこなくっちゃな!
- 辛炎: じゃあ旅人、もし他にやることがあるんなら、二手に分かれて行動しようぜ。
- 辛炎: 秘境が開放されたら、またこの近くで落ち合おう!
- (渡辺と会話する)
- 渡部: はぁ!今回の失敗、なんという屈辱か!
天領奉行について…
- 渡部: 見ての通り、情勢が変わった。天領奉行は稲妻全土に再び兵を配備している。
- 渡部: 我々は九条裟羅様ほど迅速で勇敢ではない、だがそれでも全力を尽くし、稲妻を守る必要がある。これ以上魔物の好き勝手にさせるわけにはいかない…
その他の言語[]
言語 | 正式名称 | 直訳の意味 (英語) |
---|---|---|
日本語 | 謎境の災い Meikyou no Wazawai[!][!] | Disaster of the Mystery Border |
中国語 (簡体字) | 艰厄得解谜境中 Jiān'è Déjiě Míjìng Zhōng | Disaster Understood Within the Puzzle Domain |
中国語 (繁体字) | 艱厄得解謎境中 Jiān'è Déjiě Míjìng Zhōng | |
英語 | A Tricky Situation | — |
韓国語 | 난해한 미로 속에서 Nanhaehan Miro Sok'eseo | Inside a Tricky Maze |
スペイン語 | Una situación complicada | A Complicated Situation |
フランス語 | Une situation délicate | A Delicate Situation |
ロシア語 | Непростая ситуация Neprostaya situatsiya | A Complicated Situation |
タイ語 | ปริศนาที่ยากจะไข Pritsana thi Yak Cha Khai | A Difficult Puzzle |
ベトナム語 | Bí Ẩn Khó Giải Đáp | |
ドイツ語 | Eine knifflige Situation | A Tricky Situation |
インドネシア語 | Situasi yang Rumit | Complicated Situation |
ポルトガル語 | Uma situação complicada | A Complicated Situation |