誠実なつけペンは、残響の森で囁かれる夜話セットの聖遺物である。
説明[]
……
「魂を売る取引、物語の中ではいつも簡単にできちゃう…だったら魂はもっと安くあるべきだよね。じゃなかったら、なんで人々はいつも簡単にそれを渡してしまうの?」
しかし、彼女は魂の意味を知らないし、見たこともない。それに比べたら、アフタヌーンティーの美味しいおやつや、パイとガーデンで遊ぶ時間、寝る前にママが話してくれるおとぎ話のほうがずっと大切なものだ。
「幸い、私たちには魔法使いに叶えてもらいたい願いはないから、大切なものと交換する必要もないよね。」
ページをめくる…
魔法使いの承諾を得たとはいえ、その若者自身も願いが叶うというのがどういう光景なのかを想像できなかった。
より具体的な願い…例えば、底なしの富や他者を従わせ臣服させるような権力なら想像しやすい。でも、その上にある幸福とは何だろうか?
若者は、魔法使いは多くの魔道具を持っており、その奇怪で非凡なコレクションの力を利用しているのだと聞いたことがあった。彼は好奇心を抑えきれず、魔法使いにどの道具でこの願いを叶えるのかと聞いた。
「魔法のつけペンで書いた言葉はすべて現実となる。彼女が運命の寵児となるだろう。」
魔法使いがインク壺を軽く揺らすと、黒い水が波のようにうねる。それを若者は不思議そうに眺めた。彼には、その中の波によって浮き沈みする小さな孤島が、まるで自分たちの暮らす世界のように見えた。これまでに見たことのない様相と風景が、スケッチブックのページのようにめくられていく…
彼はそれを見ているうちに魅了され、インク壺の広い口から中に落ちて、黒い水に溺れそうになった。
「インク壺の中には彼女が想像することのできるすべてが入っている。彼女が願えば、すべては彼女のものとなる。」
紙の上につけペンを走らせたことで、少女の運命は変えられた。
いつからかは分からないが、少女は次から次へとやってくる幸運に驚かなくなった。
彼女からはあらゆる憂いが消え、ほぼすべての事が彼女の思い通りに進んでいった。彼女が欲しいと思ったものはすべて、最終的に何らかの形で彼女の手に渡った。
人々はみな彼女を愛した。彼女の容姿を褒め、彼女の品行を称賛した。以前は自分の事など気にもかけないだろうと思っていた人ですら、すっかり態度を変えてしまった。
次第に、彼女は自分に向けられる称賛の言葉や羨望の眼差しに慣れていった。彼女の容姿は決して特別良いわけでもないし、品行も至って普通だが、運命は彼女にすべての恩恵を与えた。
……
他の言語[]
言語 | 正式名称 |
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日本語 | 誠実なつけペン Seijitsu-na Ketsupen |
中国語 (簡体字) | 诚恳的蘸水笔 |
中国語 (繁体字) | 誠懇的沾水筆 |
英語 | Honest Quill |
韓国語 | 성실한 잉크펜 Seongsilhan Ingkeupen |
スペイン語 | Pluma de la Sinceridad |
フランス語 | Plume d'eau d'honnêteté |
ロシア語 | Искреннее перо Iskrenneye pero |
タイ語 | Honest Quill |
ベトナム語 | Bút Mực Thành Khẩn |
ドイツ語 | Ehrlicher Federkiel |
インドネシア語 | Honest Quill |
ポルトガル語 | Pincel de Nanquim Honesto |
トルコ語 | Dürüst Tüy Kalem |
イタリア語 | Penna sincera |