幕切——傾奇の末は、テイワットストーリーの魔神任務、間章・第三幕「伽藍に落ちて」の第3話である。
進行[]
- スラサタンナ聖処に戻る
- ナヒーダと会話する
- 謎を解く
- 気晴らしにグランドバザールへ行く
- さっき見かけた人を追いかける
- フルーツ店に戻る
- スラサタンナ聖処に戻る
- 記憶に入る
- 秘境「漂う記憶」に入る
- 周囲を確認する
- 探索を続ける
- 次の記憶に入る
- 探索を続ける
- 敵を倒す
- 第一ラウンド:
- 第二ラウンド:
- 敵を倒す
- 第一ラウンド:
- 第二ラウンド:
ファデュイ・雷蛍術師 ×1
ファデュイ・氷蛍術師 ×1
- 次の記憶に入る
- 記憶を確認する
- 探索を続ける
- 皆と会話する
- 目の前の敵を倒す
七葉寂照秘密主 — 記憶の終点にある悪兆
- 「散兵」と会話する
- 記憶を離れる
ゲーム進行メモ[]
- 七葉寂照秘密主との戦闘中、パーティがお試しの放浪者のみになる
- 元素呪法陣とエネルギーブロックは無効化される
- HPがなくなった場合も回復する。
- 風域の代わりに放浪者の元素スキルで攻撃を回避できる。
- 「謎を解く」を完了すると天地万象のアチーブメント「変相・狐猫鳥と怪獣」を獲得する。
- 「目の前の敵を倒す」を完了すると天地万象のアチーブメント「如我即我非我相」を獲得する。
お試しキャラクター[]
WLWL | キャラクター & 武器 |
天賦 & 聖遺物 | ステータス |
---|---|---|---|
8 |
![]() ![]() |
|
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
|
旅行日誌[]
ゲーム内の任務の説明
様々なことがあって気持ちが沈んだ。スラサタンナ聖処に戻って、これらのことをナヒーダに伝えることに決めた…
- (任意:所聞遍計で澤田の心を読む)
- 澤田: (旅人に助っ人を頼んでよかった。)
- (任意:所聞遍計でアカバの心を読む)
- アカバ: (これらの情報を整理して、論文に落とし込もう。)
- (アカバ・澤田と会話する)
- アカバ: おや!あなたたちは!
- パイモン: アカバに澤田!おまえたち、まだここにいたのか?
まだ作品について話してるの?
- 澤田: ああ。もし時間があったら、ぜひまた僕たちの話に参加してくれ。
- パイモン: いいけど、なにを話せばいいんだ?
- 澤田: もちろん…この前の話題さ。
- パイモン: たたら砂について、まだ聞きたいことがあるんだよな?へへっ、オイラたちも話に混ざろうぜ?
(ちょうど、この二人もたたら砂に関する事件について研究している。彼らの話を聞いてみよう。)
- アカバ: とはいえ、進展はいまいちでな…前の文章は凄かった。
もう一度見せてくれる?
前の文章は凄かった。
- アカバ: ん?ああ、もちろん。
- (『稲妻のたたら砂エリアに存在しうる重大な歴史事件についての簡単な分析』が開く)
-
- 『稲妻のたたら砂エリアに存在しうる重大な歴史事件についての簡単な分析』説明:本論文は因論派の支援プロジェクト『ベールをはずして』に属する作品であり、番号は追加待ちである。
作者:アカバ
要旨:稲妻たたら砂エリアは稲妻の製錬鍛造業の重要な場所の一つと考えられてきた。このエリアでは事故が二回発生している。そのうちの一回目に関する記録はどれも曖昧なものである。たたら砂エリアでの最初の事故の裏には人知れぬ歴史的な要因があるのではないか、と筆者は考えている。本論文は既知の資料をもとに、この事件を分析してみるものである。
キーワード:たたら砂エリア、雷電五箇伝、御輿長正
はじめに:本論文は筆者の恩師であるルミ先生のレポート『たたら砂エリアに秘匿された疑いのある人文的故事』を受け継ぎ、展開し、この研究を引き続き進めたいとするものである。資料によると、稲妻の鍛造技法はもともと雷神——雷電将軍から受け継がれたものだそうだ。職人たちは神の技術を受け継ぎ、それを製錬鍛造業に応用した。だが、鍛造製錬業の核であるたたら砂エリアには、雄渾たる鍛造業にふさわしくない不思議な噂がある。御輿家、丹羽家、そして外国から訪れた奇妙な機械職人——この三者が切り口となり、我々はそこからたたら砂の裏に隠された真実を垣間見ることができるようになった。
本文
たたら砂エリアにあった奇妙な紙切れに、こんなことが書かれている——
1
「……僭越ながら私は、長正様が刀鍛冶をするのは彼の心境に良い影響を与えると考える……」
「……『御輿』の汚名をそそぐことに執着するのは、実に気力を消耗する……」
2
「……目付様は玉鋼錠をいくつか買った……」
「……造兵司佑様、そして桂木様と夜通し鍛冶の心得を話していた。」
3
「……やっと長巻の一振りを造り出せた。その名は『大たたら長正』……」
「……目付様も非常に喜んでいる、造兵司佑様と……」
「……望は『大たたら長正』の美しさに感動し、それのために絵を描いた……」
4
「……目付様は怒り、桂木を斬った。その切れ筋は、まさに大業物…そして、自ら作った長巻をたたら炉に捨てた……」
「……望はそれに不満を抱き、燃え溶けた刀を取りに行き……大やけどをした……」
5
「……望はその夜死んだ……桂木様は職責を汚したとはいえ、すべて善意からのものだったと思う……」
6
「……金次郎は長巻と望の描いた絵を武器庫に隠した……」
「……長正は厳しいが、白黒をはっきりさせる性分だ。しかしそれは同時に、非情でもあるということ。彼は自らの家名の潔白にこだわっており…私もたたら砂の人たちも、彼の母である千代のことで目を曇らせることなく、長正のことを信じている……」
「……彼と共に『大たたら長正』を作った喜びを忘れたくない……」
7
「……撤退する時、武器庫の鍵を三つに分け、一つは目付様に、一つは造兵司正様に、一つはたたら砂に残し、賊の侵入を防ごうとした。」
「しかしあまりにも慌ただしかったため、目付様と造兵司正様を見つけられず、三つの鍵をすべてたたら砂にある三つの宝箱に隠すしかなかった……」
上記の7枚のメッセージはたたら砂エリアに散らばっている。そのうち、6枚は耐久性に優れた紙に記録されており、いずれも非常に古いものと思われるが、最後の1枚だけがやや新しいようだ。筆者は、6枚の紙と最後の1枚は異なる時代のものであると思っており、その年代の差を検証する必要がある。また、6枚の内容は互いに関連しているため、同じ出来事を指しているはずである。
ルミ先生は『たたら砂エリアに秘匿された疑いのある人文的故事』(以下、『人文的故事』と略称)の中で、スメールの学者が稲妻にたたら砂一帯の人文史を研究しに行っていたということに触れている。ルミ先生が『人文的故事』を書いた当時、たたら砂は一連の事件ですでに衰退した状態だったが、筆者が本文を書いた時分よりはましであった。たたら砂の最も中心的なエリアは、今は全く居住に適しておらず、住む人も確かにいない。住民たちは海辺に移り、水辺に住むようになっていた。スメールの学者たちは、彼らからこのようなことを聞いた——かつてたたら砂はとても繁栄しているところだったと。数百年前、まだ黄金時代と呼べる頃、たたら砂は造兵司正の丹羽、造兵司佑の宮崎、そして目付の御輿長正に管理されていた。同時に、年配の人たちや、より歴史ある家系の人たちは、たたら砂には奇妙な噂があったと繰り返し強調していた。
噂はほとんど「妖怪」にまつわるものであり、稲妻の特色に溢れていた。しかし、そのうちごく一部の中で、「外来者」という単語の言及があったのだ。注意すべきは、民間の伝説の中に実在と思しき人物が登場するとは、実に怪しむべきことである。その話題をさらに掘り下げると、次のような情報が得られた。
-かつて、ある外国の機械職人がたたら砂を訪れた。彼は技術交流のためにきたそうで、地元の人たちとも友人になった。だが、その人物には疑わしいところがあったようで、常に中央部や公開されていない場所の近くをうろついていた。誰かが彼を止めようとすると、彼は理解できないようなことを呟いたとされる。
-機械職人はいつも大きな炉を眺めながら、何か考えごとをしていたようだ。おそらく、炉の状態を観察していたのだろう。そして同様に、人を不快にさせるような視線で地元の住人たちを観察していたようだ。
年代からみれば、たたら砂でこうした技術交換があったことは理に適っている。たたら砂は海沿いのため、船で行くことができる。外国から来た人間が地元で歓迎されるのも、おかしなことではない。だが、技術交流が行われてから間もなく、このエリアが衰退していったのも事実。この二つのことは大いに関係していると思われる。しかし、それは当時の人の妄想にすぎないと考える住人もいる。
筆者は稲妻の関連資料に基づき、たたら砂と関連があるかもしれない一部の人物を整理した。管理者から順に、記録は以下の通りである——
造兵司正——丹羽
フルネームは丹羽久秀、一心伝丹羽家の後継者。その一族は赤目、楓原と共に一心三作と呼ばれている。記載によると、丹羽は謙虚で聡明、土地と民生を管理する優れた人材であった。のちに彼は行方不明となっており、家族を連れて事故後のたたら砂を離れたと思われる。
造兵司佑——宮崎
フルネームは宮崎兼雄、丹羽の補佐。出身は不明。主に鍛造及び人員管理において、丹羽をサポートするなどしていた。穏やかで優しい人物であり地元に友人が多く、御輿長正とも親交があった。
目付——御輿長正
御輿家の後継者、鬼族の武者御輿千代の養子であり、「胤の岩蔵」御輿道啓の養弟である。母の千代が行方不明になった後、養兄の道啓に捨てられた。彼は一人で一族すべての責任を背負い、家族の汚名をそそぐために日々奮闘していた。様々な資料によると、御輿長正はやや頑固な一面はあるが、剛直で品行の正しい人であったとされる。紙切れの記録によると、彼は修身のために刀の鍛造を習い、わざわざ宮崎の教えを受けていた。名刀大たたら長正を鍛え上げた後、彼はあることから部下の桂木を斬った。
部下——桂木
フルネーム、出身ともに不明。筆者は多くの資料を調べたが、桂木本人に関するさらなる情報を得ることはできなかった。彼は御輿長正の手下であり、忠実な武人だった。御輿長正に救われたため、長正のために水火も辞さないとを誓ったとされる——随従することから、命を捧げるまで。
機械職人
筆者は多くの方面から考察したが、この人物の出所を推し量ることはできなかった。だが、たたら砂で事件が起きて以降、彼に関する噂は少なくなっていったようだ。筆者は、この人物は地元住民たちの想像上の見知らぬ人ではなく、実際に存在していた来訪者であり、たたら砂で起きた事件に関係があったかもしれないと推測している。
(残りの部分はどうやらまだ書き終わっていないようだ…でも、これがかなり工夫された論文であることは確かだ。)
- 澤田: 僕のもいるかい?どうぞ。
- (『黯雲の島』を開く)
-
- 『黯雲の島』著者:澤田
抜粋・其の一
……
……
刻は午後の三時ごろ、とある人がたたら砂を訪れた。遠くには労働にいそしむ人々が、山道に沿って工場へと向かう姿が見える。その草鞋が高くそびえる山石を擦るたび、僅かながらも人心を揺るがす音を立てた。その音にはまるで、ここさえ越えて山中の大きな炉に辿り着ければ、燃え盛る炎から価値ある金剛石を取り出せると言わんばかりの勢いがあった。この感覚は、その場にいた人間でなければ理解できないであろう。
その人は嬉々として挨拶をすると、走って前進する行列に加わった。隣にいた尋常の人より背丈のある筋肉質な男は、彼を見るなり背中を力いっぱい叩いてきたが、その言葉の端々には敬意が見えた。「どちらかと思えば、宮崎殿ではないか!稲妻城からここまでの往路、さぞ難儀だったであろうな。」
宮崎は口をゆがめ、駆け出しの若者のように笑った。その表情には安堵が浮かんでいた。「桂木さんは何を言っているのやら、稲妻城は将軍様の御膝元だぞ。私はそこから戻るにあたり、最も速い船に乗り、最も速い水路を選んだ。何の危険があるというのだ?」
「して、朗報はあるのか?」
「ない…わけがないであろう。」二人は話終えると同時に笑い出し、辺りを囲む職人たちとお互いをぐいぐいと押し合いながら、道の終わりまで歩いていった。
麻布の素朴な服を着て、頭巾を巻いた若い男が炉の前で火加減を見張っていた。
鋼を精錬するために使う火は他と異なり、その火力の良し悪しが、鋼材や刀の品質にかかわる。その加減を見張っているものも只者ではなく、その指先には一匹のトカゲが止まっており、その顔には笑みがあった。
空間は広く、大きな炉はもっと深いところにある。普通なら複数の人がここで働いていてもおかしくはないが、彼はたった一人でここに立っていた。桂木や宮崎がどたどたと急いで入ってくるまで、彼は火から目を離さなかった。
この者こそ、まさしく造兵司正の丹羽久秀、たたら砂の管理者であった。一心伝の丹羽家出身の彼は、兄弟姉妹と競い合うことなく、正真正銘の継承者となった。各勢力の貴人や権力者に認められてこの官職に就いたことは、ある種の証明である。
宮崎は丁寧に絹織物に包んだ書類を丹羽に手渡し、色を正した。「旦那様の言う通り、城内の親戚は私たちの計画をよく思っていないようでした。しかし、赤目の案は確かに試す価値があります。ですから私は卸売り先を探して、目録に沿って必要なものを仕入れました。」
丹羽は書類を読み終えると、軽くうなずいた。「楓原の支持があり次第、すぐ我々は新しい鍛造法を試みるべきだ。」
桂木の方はというと、眉をひそめて嘆いた。「刀を鍛えるとは、もとより技巧を問われる難儀なもの。旦那たちはもうだいぶ勘所をつかんでいるのに、まだまだ精進をやめないとは…まったく恐るべし!長正様が聞かれたら、また難しい顔をなさるであろう。」
丹羽は微笑むと、「桂木殿、長正様の宝刀の鍛え具合はいかほどか?」と聞いた。
主人の面子をつぶしたくはない一方、目の前にいる友人たちを騙したくもない桂木は、どう考えてもうまい言い方をひねり出せず、ばつが悪そうに言った。「丹羽様は器用であられる、器用がすぎるゆえ、俺たちのような粗忽者の冗談が通じない。」
宮崎はすぐに口をふさいでくくくと笑った。丹羽は手にあったトカゲを桂木の手中に置き、何かを言おうとした。その時、遠くから人がやってきた。今回の足音は少し重みがあり、来客の足取りには自信と落ち着きが感じられた。束の間ののち、まったく異なる異国の顔が門に顔を出した。来客は手にある弁当を置くと、軽く頷いて離れようとした。桂木はとっさに彼を呼び止めた。「旦那、自分の分はどうした?食べないのか?」
彼はそれを聞くと、笑ってこう言った。「もう済ませました。皆さまも、早くお召し上がりになられた方がよいかと。」
「我らの客人であるというのに、このような雑務まで手伝ってくれるとは、まことかたじけない。」丹羽は心を込めてそう言った。
異国の人物は優しそうに笑った。些細なことでも、人のために何かをすることを気にしていないようだ。そしてまた頷くと、離れていった。
抜粋・其の二
……
……
見知らぬ客——異国から来た機械職人は海の岸辺にいた。
日が落ちる頃、空の一切は暗く沈み、一方で雷雲が蠢いていた。まるで暴雨の訪れを見せつけるように。
海もまた空と共に暗さを増し、薄暮が雲を大地に跪かせるように下へ下へと押しやっている。だが、この人物はその様子に怯えることなく、却って血に飢えたような目で遠方を見据えた。
誰一人ここを通りがかるものはいない。いま、彼が静かに何を考えているのかを知る者もいない。
どれくらい時間が経っただろうか、空から突然烏羽色の雲が飛び出し、機械職人を囲むように旋回しながら、悪夢の如く纏わりついた。しかし、彼はまるでそれが自分の一部であるかのように、漆黒の煙を撫ぜた。
遠くから漁船が近づいてきた。船首の灯が降り注ぐ雨の中で徐々に揺らいでいく。薄い霧が瞬く間に広がり、船にいた漁師は視界を失ったことで、驚いた様子で叫んだ。「まだ黄昏時だぞ、どうしてこんなに見通しが悪いんだ?誰か航路のわかるやつはいないか!」
黒雲は再び船底に突っ込むと、船にまとわりついて方向を狂わせ、猛る獣のように海岸へと衝突させた。数歩離れた場所で機械職人は微笑むと、ゆっくりと目の前にある巨大な船の残骸へ進んだ。
先ほど叫んでいた者はもう腕の半分しか残っておらず、それは「ぽとり」と機械職人の足元へ落ちた。彼はしゃがみ込んでそれを一度、また一度と見る。あたかも口に入れて咀嚼するかのように。
しかし、彼は最終的にそれを中断した。黒雲は旋回しながら沈んでいき、あの船に残っていたものを全て吞み込んでいった。
抜粋・其の三
……
……
桂木は慌てた様子で門をくぐると、大きな声で叫んだ。「旦那!大きな炉で問題があったようで…!丹羽様を探し回ったのですが見当たらず、宮崎殿も外に助けを求めに出てずいぶん経ちますが、未だ音沙汰がないとか。これは…」
御輿長正はゆっくりと振り向いた。葬式にでも参列しているような厳かな顔つきで、彼が口にする言葉にはいずれも重みがあった。「このようなことを言いたくはないが…桂木。宮崎殿はもしや…もう戻らぬかもしれん。」
桂木はその視線を長正の厚く強張った双肩から、窓の外へとやった——海の上では黒雲が逆巻き、人々を脅かしている。暗黒の夜は妖怪に化けこそせず、自らたたら砂を腹の中へ呑み込めないことを悔しがってはいたものの、それでもこの土地を覆う唯一無二の空模様であった。
もう十数人が死んだ。そうか、だから…
桂木は頬を張られたような衝撃と共に、思い出した。そうか、だから彼らは外に助けを求めたのだ!
最初に船出したのは宮崎だ。彼が発ったときには、あの雲はまだ形を成したばかりだった。たたら砂から稲妻城へ助けを求める、いつもならそう難しい事ではないのに、彼はなかなか帰ってこない。
やがて二人、三人、四人と…助けを求めて皆この天候のなか船に乗ってたたら砂を離れた、それが吉と出るか凶と出るかは分からない。本当のところ、もう誰も危険な目に合わせてはいけないはずだが、現在のたたら砂の状況は切羽詰まっている。例え幾人もの犠牲を出しても、彼らは城からの庇護を求めなければならなかった。
丹羽は姿を消し、誰も彼の行方はわからない。少しの後、長正は危険を冒しながら一隊の人員を連れて大きな炉周辺を探したが、なんの収穫も得られなかった。当初皆は丹羽が何か想定外のことに巻き込まれたかと思っていたが、よくよく考えてみれば、彼はここで起きた異質な事故の責任を担えず、罪を恐れて出奔したのかもしれなかった。
皆は心の中で彼を疑い、長正は不満と怒りを抑えてこそいたが、その顔色は遠くの黒雲と遜色ないものになっていた。
にわかに人影が通り過ぎた。長正は何の疑いも持たず素早く刀を抜き払ったが、人影は揺らめき、悪鬼のように長正の背後を取ると、ひひっと笑った。「だんなは誰をお探しで?丹羽か?」
長正は怒り叫んだ、「丹羽様をそのように呼ぶなど、許せぬ!」縦に一刀すると、人影は薄い霧のように散ったかと思うと、瞬く間に遠方へ集まって、妖しい鬼の影へと化けた。
「お前があの方を殺めたのか?」長正は怒鳴って飛び掛かかろうとしたが、桂木に力ずくで引き留められた。足下をしかと見れば、あと一歩で炉に落ちるところであった。
(残りの部分はどうやらまだ書き終わっていないようだ…しかしこれはさっきの論文にある情報をもとに想像を巡らせて書かれた、空想に満ちた小説であることが見て取れる。)
- (旅人旅人):(……)
- (旅人旅人):(内容が前回と違っている。やっぱり世界樹内の情報が改ざんされたことによる現象だ。)
- (旅人旅人):(スカラマシュはあの二つの名前を消すと言っていた…彼は心の中で願ったことを全力で成し遂げたのか?でも…)
- アカバ: どうだ?
素晴らしい!
- パイモン: そうだ!この前アカバたちは、もっと情報があったら教えてくれって言ってたよな。実はオイラたち、ちょうど稲妻から帰ってきたばかりなんだ。旅人、オイラたちの知ってることをこいつらに話してもいいか?
いいよ。
- アカバ: まさか、重要な情報か?
- パイモン: 話すと長くなるんだけど…実はオイラたち、稲妻に友達がいて…
- 先ほど聞いた「雷電五箇伝」と「たたら砂の歴史」に関する情報を二人に伝えた
- アカバ: おお!こんな話が聞けるなんてな、かたじけない!
- 澤田: なるほど、すべての根源は復讐だったというわけか…天目の末裔が言うのなら、それで間違いないだろう。
- 澤田: はぁ…結局、お化けじゃなかったか。
- アカバ: これらの情報は、私の言説をさらに補強したといえる。見たか!当時の人にとって、刀工がそれほど重要だったということだ。彼らを傷つけることは、権力者への復讐と同義とさえ言われていたからな…
- 澤田: わかったわかった、君の言う通りだ。だがそうだとしても、僕が小説を書いちゃダメってことにはならないだろう?
- パイモン: また議論を始めちゃったぞ。本当に熱心だな。
用事があるから、これで失礼。
- アカバ: おっと、すまない。自分たちだけで盛り上がってしまったな。情報、助かったよ。
- パイモン: いいってことよ、またな!
- 澤田: また何か情報があったら、ぜひ教えてくれ!
- パイモン: おう!
- (任意:アカバと澤田に話しかける)
- 澤田: よし、これで創作を続けられるぞ!でもこいつは、結構かなしい物語なんだな…
- アカバ: まさか、こんな話だったなんてな…
- (任意:所聞遍計で澤田の心を読む)
- 澤田: (旅人に助っ人を頼んでよかった。)
- (任意:所聞遍計でアカバの心を読む)
- アカバ: (これらの情報を整理して、論文に落とし込もう。)
- (ナヒーダと会話する)
- パイモン: ナヒーダ、オイラたちだ。
- ナヒーダ: 旅人、パイモン。最近はどうかしら?
- パイモン: うぅ、全然休めなかったぜ…あの日の夜にこいつと話をして、気づいたらもう朝になってて…しかもその後すぐ、こいつが稲妻に行くって言い出したんだ。
「散兵」に関することを調査しに行ってた。
- ナヒーダ: 「散兵」…?聞いた感じでは、何かのコードネームみたいね。
- (旅人旅人): (…やっぱり…)
- ナヒーダ: 表情が暗いけれど、何か言いたいことでもあるの?
- (旅人旅人): (ナヒーダさえ覚えてないなんて。あの時みたいに、世界樹が改ざんされると、彼女も影響を受けるんだ。)
- (旅人旅人): (俺の推測が正しければ、スカラマシュはナヒーダに阻止される前に自分を消すことに成功した…)
- (旅人旅人): (つまり、そのことを覚えてるのはもう俺だけ。俺は…また記録する者になってしまった。)
- ナヒーダ: 旅人?
- パイモン: おい、どうしたんだよ…顔色がよくないぞ。
…このことは、俺しか覚えていない。
今は、真実を君たちにも伝えるべき。
- 沈んだ気持ちを抱えながら、長きにわたり散り散りになるも、今ようやく紡ぎ合わせた物語を話し始めた——
- この世にはかつて「散兵」という個体があった。彼は雷神の造物であり、人形の身で世に流落した。
- たたら砂の様々な出来事のあと、三度裏切りに遭ったと思い込んだ「散兵」は稲妻を離れ、放浪を始めた。
- 彼は人間をまったく信じず、神を徹底的に憎んだ。
幾百年も恨みを抱え、己を鍛錬し稲妻へ戻り復讐を成し遂げようとした。
彼は神の心を頼みに神の座に登ろうとしたが、最後の一歩で阻まれた。 - その後、彼は世界樹の内部に入り、自らが裏切られたことについての真実を知った。
彼のすべてを作り上げたのは欺瞞だった。そして最後に、彼はこの不幸な悲劇を消し去るため、最も狂気的な行動を取った… - ナヒーダ: …そうだったの。
- ナヒーダ: つまり、その「散兵」という名の人形は、世界樹で自らを消し…過去を変えようとしたのね。
- パイモン: でも、どうしてそいつはそんなことができたんだ?
- 私たちが打ち負かした機体の中には誰もいなかったもの。 ナヒーダ: 旅人の話によれば、彼はもう少しでスメールの神になっていた。それは私の記憶と噛み合わないわ…私の記憶では、
- ナヒーダ: でも辻褄は合うわ…もし誰かが世界樹で自分の存在を徹底的に抹消したら、世界もそれに伴って変わるでしょう。
- パイモン: つまり、本当にそんな人が存在してたけど、そいつが世界を変えちゃったせいで、オイラたちも忘れたってことか?
- ナヒーダ: ええ。理論上にしか存在しない挙動だし、そんなことをする度胸のある者がいるかさえ不確かだけど…
- (彼彼/
彼女彼女)についての情報はなかった。よって、世界樹に対する改ざんも、自ずと(彼彼/ 彼女彼女)には影響しない…
ナヒーダ: 旅人はテイワットの外の世界から来たから、世界樹に - ナヒーダ: もしこの世において、このような形で改ざんされた「過去」を記録できる人がいたとしたら…それはあなたしかいないわ。本当に、不思議な感覚ね。
…うん。
- パイモン: でも、その「散兵」ってやつは、なんでそんなことをしたんだよ?
- ナヒーダ: 私も今ある情報からしか推測することはできないわ。彼が具体的にどんな人だったのか…今はあなたしか覚えていないから。
俺にも…分からない。
- (旅人旅人): ((俺俺/
私私)とスカラマシュはずっと敵同士だった。彼がどんな立場でそんなことをしたのか、どうしてそんなに非情になれるのか…(俺俺/ 私私)には分からない。) - (旅人旅人): (一からやり直したかった?誰かを救いたかった?それとも徹底的に自分を否定したかった?)
- (旅人旅人): (「誤りは正すことができる。清く正しい答えを出してみせる」、結局はただそれだけだった。)
- (旅人旅人): (彼が行動する前の最後の質問を、(俺俺/
私私)はまだ覚えてる。あれは…(俺俺/ 私私)に向けられたものだ。そして(俺俺/ 私私)の躊躇が、彼に答えをあげてしまった。) - (旅人旅人): ((俺俺/
私私)が躊躇した理由は、この目でマハールッカデヴァータが自らの存在を消すのを見たから。でもこのことは、ナヒーダには言えない。) - (旅人旅人): (とにかく、スカラマシュが毅然として行動するに至った理由については…言ってはならない。)
- ナヒーダ: 何か言えないことでもあるの?
ただ…虚しいと思って。
彼は狂気じみたことをしたけど…
- ナヒーダ: …すでに死んだ人の歴史を変えることはできなかった。そうね?
うん。
- ナヒーダ: 「散兵」は自分が裏切られたわけではなかったと知って、物語にあった、かつてたたら砂で暮らしていた人を友と見なしたのかもしれないわ。
- ナヒーダ: そうして人間を憎む理由をなくした彼なら、かつての友を救おうとするのもおかしくはないわね。
- ナヒーダ: …とても合理的で、どの点においても辻褄が合っている。
- ナヒーダ: 「散兵」は「博士」の手伝いにより神になりかけた。だからこそ、彼は世界樹と繋がる権能を得たわけだけど…
- ナヒーダ: その権能のおかげで、力が残り少ない状況であっても世界樹の中の記録を書き換えることに成功し、自らを消した。
- パイモン: たしかに筋は通ってるけど…その人たちのおかげでいい結果になったわけでもないし…
- パイモン: オイラ…この感じ、なんかいやだぞ…全力でなにかやったのに、結局なにも得られなかったなんて。
- (旅人旅人) (そうだ。世界すら変えたとしても、死んだ人はやり直すことができないし、不幸な人生も取り返しがつかないんだ。)
- (旅人旅人) (彼が抗おうとしたのはなんだったのだろう?裏切られる運命?あるいは、存在自体が一種の誤りだったとでも?)
- ナヒーダ: 少し待ってちょうだい。確認したい情報があるの。
- ナヒーダ: ……
- ナヒーダ: 見つけた、おそらくこれね。
- (彼彼/
彼女彼女)の話を裏付けるには十分ね。
ナヒーダ: やっぱり…私のほうでも尋常じゃない状況が起こっているわ。 - パイモン: なんなんだ?
- ナヒーダ: 私自身が保存したすべての情報の中に、片隅に置かれた記録を見つけたの。
- ナヒーダ: あなたたちも見てちょうだい。
- 驚くことに、その情報はある種の童話のような形で表現されていた…
- パイモン: 童話?誰が書いたんだ?
この内容、俺の話とも辻褄が合う。
- ナヒーダ: この記録を作ったのは、私自身よ。
- パイモン: えっ?ナヒーダの書いた童話が、その「散兵」と関係してるのか?
- ナヒーダ: 旅人の話と合わせれば、私の残した物語はすべて、ある特定の内容を指していることがわかるわ。
- パイモン: 待てよ、もしかしてその記録って、事前に残してたものなのか…
- ナヒーダ: そう。たとえ他の記録にある「散兵」と「傾奇者」についての内容が変更されても、私の手によって書き起こした物語に影響はないの。
- ナヒーダ: 世界樹内の情報を変えることは、テイワットを書き換えるのと同じ。
- ナヒーダ: でも世界樹は、事前にわざと隠された情報を変えることはできないの。この記録はきっと、「散兵」が世界樹に入る前の私が残したバックアップね。
- パイモン: すごい方法だな!さすがナヒーダだぜ!
- (彼彼/
彼女彼女)なら、すべてを覚えていられるから。
ナヒーダ: 旅人を「散兵」と一緒に世界樹に入らせたのも、その時の私が考えたもう一つの保険だったのでしょう。 - ナヒーダ: 世界樹に今ある情報と、この記録で暗に語られている物語は、互いに結びつきを持っているわ。
- (彼彼/
彼女彼女)の言う…「散兵」が消した一生に辿り着くわ。
ナヒーダ: それらにおけるすべての異なる場所を繋ぎ合わせれば、 - (ナヒーダによる童話)
猛獣が、狐の群れに紛れていた。彼らは昼夜を共にし、互いを友と呼び合い、仲睦まじくしていた。 ナヒーダ: 野狐の皮を被ったナヒーダ: 偶に、猛獣は夜になると狐の皮を脱ぎ、水中の自分に向かって嘆く。自分はこれほど不自然な存在なのに、彼らは愚かでそれを見抜けない。実に残念だ、と。
子猫がいた。 ナヒーダ: しかし猛獣はすぐにその考えをやめた。なぜなら狐の群れにいる異類は彼だけではなかったのだ。もう一匹、白い樹から彫り出され、人に見捨てられたナヒーダ: 子猫は狐になりたかった。だけど子猫の尻尾は細くて短く、色鮮やかな毛並みを生やすこともできない。他の狐はそれを見ると、こう慰めた——だとしても、君は僕たちの仲間だ。
ナヒーダ: 猛獣はそんな馴れ合いを嫌い、山の中で火をつけた。動物たちはひどく怯えた。大きな火を消すには、犠牲を払う必要があるからだ。 灰色の狐が前に出て、猛獣と話をした。曰く——君は頭がいいから、きっと僕たちを救う方法を思いつくはずだ。 ナヒーダ: 一匹の
翼の折れた小鳥と共に暮らした。 ナヒーダ: 火は消された。子猫はそこを離れ、
月に向かって牙を研いだ。 ナヒーダ: …それから子猫は、山におけるすべての葉っぱも、すべての動物も愛すことはなかった。彼はいくつもの夜を彷徨い、ナヒーダ: 子猫は月を食らい、すべての月光を噛み砕きたかった。すべてが暗黒に戻れば、彼は快楽と安心を感じられる。
新たな月となり、みんなにとって唯一の存在となる。そうすれば、この世に鳥や狐、猫がいたことを知る者はいなくなる。その違いを知る者さえ。」 ナヒーダ: 「僕は
- (童話終了)
- パイモン: 解けた!
- ナヒーダ: ……
- ナヒーダ: すべて思い出したわ。私が全力で残したバックアップは、「散兵」自身の記憶だった。
- ナヒーダ: 神になるため、彼は大量の実験と改造を受け入れた。人形だったからこそ、あのような過酷な過程を耐えてこられたのね。
- ナヒーダ: この記憶は、当時の学者たちが彼から抽出したものよ。「散兵」を警戒していたから、これを残したのかもしれないわ。
- ナヒーダ: 神を創造するのは第一歩に過ぎず、あまつさえ神を操ろうとする者もいた。だからいつか使う時に備えて、彼の記憶のバックアップを取ったのでしょう。
- ナヒーダ: 私はそれらを自らの深い夢の中に保存した。そして書き起こした物語でさらに外部を包むことで、改ざんされるのを防いだの。
- パイモン: 本当にそんな人がいたのか…そ、そいつはオイラたちと何回も会ってて、いつもオイラたちと敵対してたのか…
- パイモン: それなのに、オイラは完全にそいつを忘れてた…まるで煙が消えるみたいに、最初から存在してなかったみたいに…
- ナヒーダ: 「散兵」は降臨者に関する情報を探すのを手伝ってくれると約束したわ。それについての収穫はなかったけど、あなたの役に立つことはできたみたい。
- ナヒーダ:消失する前、彼は最も重要な手がかり——あなたの血縁者がかつて、カーンルイアに降臨したという情報を残してくれたわよね。
- ナヒーダ: ただ、世界樹にある情報の変化が、ファデュイの上層部にどれだけの影響を与えるかはまだ不明ね…彼らは、組織内にかつてそのような執行官がいたことを覚えていないかもしれないわ。
初めて思い知らされた…
命の重みが羽よりも軽いことを。
- パイモン: その話だと、オイラはそいつのことが好きじゃなかったみたいだけど…だからってそんな結末も、オイラは好きじゃないぞ…
- ナヒーダ: それこそが、知恵がすべての問題に答えられるわけではないことの証明よ。私たちは仰視し、認知し、理解してもなお、問題に囚われる。
- ナヒーダ: 答えは一つだけではないの…この世の生命が求めているのは、真実を追いかけ、困難を解決すること。
- ナヒーダ: 真実をその人に返すのは、運命の選択権を渡すのと同じ。
- ナヒーダ: 傍から見れば無駄なことだったかもしれないけれど、こうして自分が思う通りに消えることができたのは、彼にとって、きっと それだけの意義があることだったのよ。
- ナヒーダ: 忘れないで。たとえ暗黒の雲の下を歩んでいても、どれだけ道が困難でも、知恵の灯火が私たちを良き結果へと導いてくれるわ。
- ナヒーダ: そしてこれは、あなたがずっとやってきたことでもある。
- パイモン: おう、ナヒーダの言う通りだ。元気出せよな!この暗い話を続ける前に、今からなにか食べに行ってもいいと思うぜ!
- (彼彼/
彼女彼女)を気晴らしに外に連れて行ってあげてくれないかしら?
ナヒーダ: 良い考えね。パイモン、 - パイモン: オイラに任せろ!ほらほら、複雑な気持ちなのはオイラもわかってるから、今はちょっと外を歩こうぜ。
- パイモン: グランドバザールの屋台で食べ物を買って、気分転換しようぜ!
- パイモン: あんなことを覚えているのがおまえだけなんて、確かにすごく悲しいよな… でも、おいらがずっと一緒にいてやるぞ! 一緒に話をしたら、きっとよくなるさ!
- (任意:ナヒーダと会話する)
- ナヒーダ: 私はまだ調べたいことがあるわ。あなたたちは気分転換に行っててちょうだい。
任務の説明の更新
様々なことがあって気持ちが沈んだ。スラサタンナ聖処に戻って、これらのことをナヒーダに伝えることに決めた。ナヒーダはあなたのヒントを受け、散兵が世界樹に入る前に意図的に隠していた秘密を思い出した。その謎を解いた後、皆は散兵により消されたすべてを思い出した…
- (気晴らしにグランドバザールへ行く)
- パイモン: 着いたぞ、なにが食べたい?
- (旅人旅人):(…何かおかしい…?この感覚…俺も何か重要なことを忘れているような気が…)
- パイモン: おい、オイラの話を聞いてるのか!
ごめん、考え事してた。
- パイモン: うぅ、しょうがないな…じゃあちょっと待っててやるから、考え事が終わったら食べ物を買いに行くぞ。
- (旅人旅人): (なんだろう?急に脳裏から消えたような重要な手がかり…世界樹、自己削除…)
- (旅人旅人):(マハールッカデヴァータ、禁忌の知識…ナヒーダ…)
- パイモン: どうだ、終わったか?
- (旅人旅人): (……!)
- (旅人旅人): 思い出した。「彼女」——マハールッカデヴァータは言っていた、どんな個体も、自分で自分の存在を削除することはできないと!)
- (旅人旅人): (じゃないと、マハールッカデヴァータが自分の「輪廻」——クラクサナリデビを創造して、彼女に世界樹から自分を消してもらった意味がなくなる。)
- パイモン: ど、どうしたんだよ、急に飛び上がって!
- (旅人旅人):(いや、パイモンに言っちゃだめだ。パイモンはマハールッカデヴァータのことを知らない。)
- (旅人旅人): (ただ、これはとても重要なことでもある。
スカラマシュは自分の力で自分を消すことはできない、そうだとして…完全に消しきることができなかった場合、どうなる?) - ???: すみません、先ほどの帳簿に少し問題があったようなので見てもらえませんか…
- (旅人旅人): (!?!?)
- 商人: おいっ!ちょっと待てって——!
- ???: ん?僕を呼びましたか?
- 商人: お前のことじゃなくて、あのガキのことだ!見てなかったのか?あいつ、店にある最後の二つの新鮮な夕暮れの実を取って、そのまま逃げちまったぞ!
- 商人: ったくお前…働かせてもらってる身分で、またボーっとしてたのか?よっぽどこの仕事が退屈か?それとも町のあれこれがそんなに気になるのか
- ???: …僕の不注意です、すみません。
- ???: あなたの言う通り、もしかしたら町で起きることがあまりにも興味深かったせいで、つい気が逸れてしまったのかもしれません。
- パイモン: すごく気になってるみたいだけど…あいつ、誰なんだ?
あの人が…「散兵」。
- パイモン: ええっ!?
- 商人: お前さん、本当に変わってるな。俺んとこに働きに来たくせに金はいらないと言ったのもそうだが…何をやらせても、色んなものに好奇心が向いて埒が明かねぇ…
- 商人: 別にこっちも利用しようなんて気はないし、払うべき賃金はきちんと払うが…いつまでもそんな感じじゃ、こっちも清算に困るんだよ…
- ???: いえ、お金はいりません。よそから来た僕を働かせてくださり、ありがとうございます。
- 商人: そんな言い方をされてもな…ほら、夕暮れの実だってなくなっちまっただろ…夕方には町にいるご夫人に、詰め合わせを届けなくちゃならないのに。
- ???: 欠けた品は、僕が探してきます。ここでしばらく待っていてください。
- 商人: …待て。
- 商人: この際だからはっきり言おう。金を欲しがらない労働者に会ったのはこれが初めてだし、確かにちょっと得しようという気はなくもなかった…だが見てると、お前さんは本当に何も欲しがらないじゃないか。
- 商人: 金もいらない、休みもいらない。時間ができたら辺りをほっつき歩き、見て回る…お前さん、放浪でもしてるのか?
- 放浪者: いかにも。その通りです。
- 放浪者: 僕のことは後にしましょう。今は品物のほうが先です。夕暮れの実でしたね、任せてください。
- パイモン: おい!どうするんだ?
あの人について行こう!
- パイモン: おう、こっそり近づこうぜ。気づかれるなよ!
- (任意:商人に話しかける)
- 商人: はぁ…俺の夕暮れの実が…
- (任意:所聞遍計で商人の心を読む)
- 商人:(真面目にやって、コツコツ売るさ!)
- (さっき見かけた人を追いかける)
- 放浪者: …うん、これでいいでしょう。
- パイモン: あれが「散兵」だってのはわかったけど…オイラたち、どうするんだ?…あいつから夕暮れの実を奪う…とかか?それはちょっとひどくないか?
シーッ。
- パイモン: うぅ、わかったよ…
- 放浪者: 数に問題はありませんね。うーん…洗ったほうがいいでしょうか…
(…この目で見てなかったら、にわかには信じられない。)
- 放浪者: ……
- 放浪者: そこの二人、僕の後をついてきて、何か用事でもあるんですか?
- パイモン: うぇっ!?気づかれたぞ!
- 放浪者: 町からここまでずっといたでしょう、気づかない方が難しい。
…確かに後をつけてた。
- 放浪者: もしかして、どこかで会ったことありますか?
- 放浪者: いや…その目、僕のことを知っているんですね?
うん。
- 放浪者: しかし、僕にはさっぱり覚えがありませんが…
理由は複雑だけど、とにかく君を知ってる。
- パイモン: 本当に知ってたんだな…
- 放浪者: すみませんが、そのような話を信じることはできません。
証明できる。
君は…人形。そうでしょ?
- パイモン: 人形?そんなふうには見えないけど…
- 放浪者:' ……!
- パイモン: えっ!?その表情…おまえ、本当に人形だったのか?
- 放浪者: どうやら、僕を知っているのは確かなようですね。僕がほとんど他人には言わないことまで知っているようだ…
- 放浪者に過ぎません。ただその様子からして、僕に会いに来たのには何か重要な訳があるのでしょう。 放浪者: …僕はただの
連れて行きたい所がある。
- 放浪者: いいですよ。ただ、まずはこの品物を届けに戻ってもいいでしょうか。
- パイモン: 本当にあの店長の使い走りになってるのか?金はいらないって言ってたけど、本当か?
- 放浪者: はい。辺りをさまよっていた時、野外であの方に出会って、荷車で雨宿りをしてもいいと言われました。その礼として彼を手伝っているのです。
- パイモン: 意外といいやつだったんだな…
- 放浪者: 品を届け終えたら、あなたと一緒に行きます。それでいいですね?
…分かった。
- パイモン: じゃあ、まずは町に戻ろうぜ。
- (フルーツ店に戻る)
- 放浪者: すみません、ここに置いておきます。
- 商人: 本当に取りに行ったのか…ん?この二人は…
- 放浪者: この二人が僕に用があるそうで、少し離れる必要があります。すみませんが、しばらくは店番を休みます。
- 商人: …はぁ。
- 商人: ちょうど賃金を払おうと思ってたところだ。どこへだって行きたい場所に行くといい。俺んとこにずっといる必要はないんだ。
- 放浪者: え…?
- 商人: 知ってるさ。お前さんが俺の手伝いをしてるのは、雨宿りをさせたことへの礼だってのはな…金も受け取ろうとしねえのはそのせいだろ…
- 商人: そういえば、あの日はあんなに雨が激しかったのに、お前さんはのこのことゆっくり気ままに歩いてたな。雨に濡れるのも気にせず、急いで行くような場所があるようにも見えなかった…
- 商人: おかしいだろ?目的地もないのに、なぜ雨の中を歩く必要がある?急いでるわけでもないのに、なぜ雨に濡れながら外にいるんだ?
- 放浪者: ……
- 商人: だが、俺がお前さんを引き取ったのは、ただのついでだ。たいした骨折りでもないし、恩に着られる筋合いもない。自分の時間と生活を大切にするといい。
- 放浪者: …しかし僕には…そんなもの…
- 放浪者: …いえ、あなたの言う通りですね。
- 放浪者: ここでお別れしましょう。町へ連れてきてくれて、ありがとうございました。
- 商人: 気にするな。これでもたくさん人を見てきたが、なんてことはない…お前さんが自分の歩む道を見つけられることを祈ってるよ。
- 放浪者: …感謝します。
- 放浪者: さて、待っていてくれてありがとうございました。行きましょう。
- (任意:商人に話しかける)
- 商人: こっちのことは心配するな。
- (ナヒーダと会話する)
- パイモン: ナヒーダ!ナヒーダ——!
- ナヒーダ: どうしたの?
- ナヒーダ: あら?あなたは…
- 放浪者: …こんにちは、急に伺ってすみません…
- パイモン: オイラたち、町でこいつにあったんだけど、なにも覚えてないみたいで…とにかく、色んなことが起こったんだ!
- グランドバザールで放浪者に会ったことをクラクサナリデビに伝えた…
- ナヒーダ: つまり、あなたはテイワット各地を放浪しながら修行をしていると…私の知る限り、そういった者は修験者と呼ばれているはずだけれど、どうして自分を放浪者だと呼んでいるのかしら?
- 放浪者: はい、こちらのほうが僕のような者に合っているかと思いましたので。まるで、根無し草のような名前で…
- 放浪者: しかし、この二人は僕を知っているようなのです。しかも、他の者は知らない僕の過去まで。
- ナヒーダ: 過去というより…はぁ、説明するのがとても難しいわ。
- ナヒーダ: このような言葉を使うのはあまり好きではないのだけど、あなたの状況だと、もしかしたら「前生」と呼んだほうがいいのかもしれないわ。
- パイモン: 前世みたいな感じか?
- ナヒーダ: ええ。昔というにはずっと距離が遠く、あなた自身にはまったく知りえない状況のことね。
- 放浪者: 聞きたいのですが…その前生における僕は、どんな人だったのですか?
- パイモン: えっと…
- ナヒーダ: ……
- 放浪者: …そうですか、分かりました。
- 放浪者: 何か言いたげなのに、それを言うのが忍びない…どうやら前生の僕は、とても褒められたようなものではなかったようですね。
どうやって言ったらいいか考えてただけ…
- 放浪者: 言いにくいのは、そのことが今の僕に大きなショックを与えてしまうからなのでしょう。
- 放浪者: けれど、僕は受け入れられます。真実を教えてください。
- ナヒーダ: そんなに真実が気になるの?
- 放浪者: …はい。
- ナヒーダ: じゃあ、はっきり言うわね。前生でのあなたは「悪」とされることを数多くしていたわ。
- ナヒーダ: あなたは他者によって死にかけ…他者もあなたのせいで死んだ。人ならざる者として生まれ、神を憎み、人間を嫌った。
- ナヒーダ: あなたは終始さまよい、たとえ居場所や身分を手に入れても立ち止まる理由を見つけられなかった。なぜなら、その時のあなたは、自分に「心」が欠けていると思い込んで疑わなかったから。
- 放浪者: ……
- ナヒーダ: …執着という根は時として、茎を伝って苦き果実を実らせる。我執から逃れられない以上、あなたが喜びを感じることはないわ。
- ナヒーダは放浪者に過去のことを簡単に伝えた…
- 放浪者: すべてを使い果たして…歴史を少し揺さぶっただけ、ですか。
- ナヒーダ: 結果だけ見れば…たしかにそうだと言えるわね。
- 放浪者: ……
- 放浪者: 今聞いた一切を、単に正しいか間違いかで判断することは、僕にはできません。
- 放浪者: 人の行う如何なる選択も、時と場所によって決まる。「因」が「果」をもたらし…「罪」が重なり「業」となる。
- ナヒーダ: 真理とは元よりそういうものよ。正しさもあれば、それ相応の間違いもある。でも万象と万物は生まれながらにして複雑であり、こういった対立的な概念だけではっきりとするようなものじゃないわ。
- 放浪者: 前生の僕は、みなから好かれていなかったようですね。
- パイモン: えっと…別に傷つけようとしてるわけじゃないんだ。ただ、オイラたちにとってはたしかにそうだったってだけで…
俺たちはずっと敵対関係にあった。
- 放浪者: しかし、いま僕のために真実を取り戻してくれたのは、「敵」であったあなた達ではないですか?
……
- パイモン: ああもう!こいつって、ただ敵とまったく同じ見た目ってだけの知らない人だろ!
- パイモン: 全くの無実じゃないとは思うけど、かといって問い詰めることもできない…すごく変な感覚だぞ…
- 放浪者: クラクサナリデビ様、知恵の神であるあなたが言うのなら、それはすべて真実なのでしょう。
- ナヒーダ: ええ、すべて真実よ。あなたさえよければ、真実の記憶を見せてもいいわ。
- 放浪者: …はい、この目で直々に見届け、己が罪悪を直接経験したいと思います。
- ナヒーダ: たとえ今のあなたの精神が、それにより鞭打たれることになっても?
- 放浪者: 僕は人形…心も名もないただの人形です。逃れられない因果を除いて…僕を動かし、満たすものは何もありません…
- ナヒーダ: …なら、あなたの願いを叶えてあげるわ。
- パイモン: ちょっと待った、オ、オイラたちもついて行くべきじゃないか?グランドバザールからこいつを連れて来たのはオイラたちだし…
- 放浪者: 心配はいりません。たとえ危険に遭っても、それは元より僕が受けるべきものです。
- ナヒーダ: 旅人、私の代わりにこの過程を見届けてきてくれるかしら?
…分かった。
- パイモン: そうだな。おまえは今…えっと、状況が特殊だから…オイラたちが、ナヒーダの代わりに見張っててやるぜ!
- 放浪者: 分かりました。
- ナヒーダ: ありがとう。じゃあ、準備をお願いね。
- (任意:ナヒーダに話しかける)
- ナヒーダ: きちんと準備してね。
- (任意:放浪者に話しかける)
- 放浪者: そこに何があろうと、できる限り向き合おうと思います。ただ…あなたにまで付き添ってもらうことになるなんて、迷惑をおかけしてごめんなさい。
- (任意:所聞遍計で放浪者の心を読む)
- 放浪者: (すべて…向き合います。)
- (秘境「漂う記憶」に入る)
- パイモン: ここって、稲妻みたいだな…
- ナヒーダ: あなたたちのいる空間は、私が記憶の内容を抽出して再現した夢境よ。
- ナヒーダ: 記憶を見れば真実を知ることができるけど、記憶にある敵の映像を怒らせてしまうこともあるから、安全には気を付けてね。
- パイモン: まるで本当にその場にいるような感覚だ。オイラたちも来てよかったぜ…
- 放浪者: …僕にそこまでしてくれる必要はありません。僕は守るに値する対象ではないんですから。
- パイモン: でもオイラたち、途中でやめるようなことはしないんだ。前はおまえが原因で、やるべきことが途中で止まっちゃったからな…
以前の仕事を続けてると思って。
- 放浪者: そうですか、ありがとうございます。
- 借景ノ館」よ。あなたの前生は、ここに大量の記憶を残しているわ。 ナヒーダ: 放浪者、ここは雷神が「散兵」を安置した場所、「
- パイモン: それって、ある意味ここがこいつの出身地ってことか?
- ナヒーダ: そうとも言えるわね。理由は…すぐに分かるわ。
- 放浪者: …足音がするようです。
- 桂木: 崩れた岩の後ろにこんな大きな空間があったなんてな…まさか晶化骨髄を採掘していた隊が残したのか?
- 桂木: …いや、違うな。内部のつくりは完璧で、保存状態もいい。普通の人間にできることではない…
- 桂木: …ん?どうしてこんなところに人が倒れてるんだ…
- ???: …君…は…
- 桂木: しゃ、しゃべれるのか!?どうしたんだ、ケガをしてここから出られないのか?
- 桂木: いや、ケガはないな。それにこの身分の高そうな服…いったい何者なんだ…
- 桂木と言って、虎千代の養子である御輿長正の助手だったの。彼は借景ノ館に残されていた「散兵」を見つけ、たたら砂に運んだんだわ。 ナヒーダ: この男は
- パイモン: …それによって、その後のすべてが起こったんだよな…
- ナヒーダ: 改ざんされていない記録の中では、桂木は長正に殺されたわ。
- 桂木: 外に連れてってやる。仲間が近くにいるんだ、もう少しだけ耐えてくれ!
- 丹羽は職人に偽装した「博士」に殺害され、当時傾奇者と称されていた「散兵」は行方不明となった。 ナヒーダ: たたら砂事件において、責任者であった
- ナヒーダ: そして御輿長正は二番目の責任者として、責任を負う必要があったの。
- ナヒーダ: 桂木はかつて長正に助けられたことで、長正に忠実を誓っていた。そんな桂木の揺るがない決意により、長正に自分を殺させ、たたら砂事件の幕を閉じさせたの。
- 放浪者: ……
- (ダイアログ終了後)
- パイモン: 桂木って人、いい人だったんだな。
- 放浪者: 見た目は武人のようですが、慈愛に満ちた顔立ちです。
- 放浪者: …どうして彼は、幸福な最後を迎えられなかったのでしょう?
- (二つ目の部屋に入った後)
- 桂木: 長正様、この子供を崩れた洞窟で見つけました。自分の名前も覚えていないようです。
- 御輿長正: 名前がないと困るだろうに… 先ほど、外の作業員がお前を指して傾奇者なんて呼んでいたが…
- 傾奇者: 構わない、それでいい。
- 御輿長正: 桂木、こっちに仲間が増えたことを丹羽様に報告してきてくれ。
- (ワープ地点を通る)
- パイモン: あれ?戻ってきたぞ?
声がする!
- 子供: わぁ…ここが君の生まれた場所なの?キレイだね!人はいないけど…ゴホッゴホッ。
- 傾奇者: 君と同じで、僕も捨てられたんだ。当時、僕はここに住んでた…いい場所でもないから、ここに引っ越してくることはないよ。
- 子供: …うん。
- 子供: 聞いたんだけど、僕のお父さんとお母さんは二人とも刀を打ってたんだってさ。でも工場の管理人さんが亡くなって、お父さんも病で倒れて…ゴホッゴホッ…
- 子供: お父さんも僕と同じように、いつも咳をしてたらしい。それから、お母さんも同じように咳が止まらなくなって…
- 傾奇者: でも、君はそうなってはならない。僕との約束を守ってよ。
- 子供: うん、僕たちはもう家族だから、ずっと一緒だよ!
- ナヒーダ: この子には名前がない。というより…「散兵」も彼の名前を知らなかった。彼の父親は、彼に名前をつける前に亡くなったの。
- ナヒーダ: 母親が亡くなってから、この子は茅葺の小屋に一人残され、隣人に育てられた。
- ナヒーダ: そしてたたら砂を離れた「散兵」は、偶然にも自分と同じく名前のない彼に出会い、彼と約束を交わして一緒に暮らした。
- パイモン: その子供って、最後は…
- ナヒーダ: 幼くして病で亡くなったわ。ある日、「散兵」が家に帰ると、彼が息を引き取っていることに気付いたの。
- 傾奇者: …おいっ!い、いったいどうしたんだ…返事をしろ!
- 傾奇者: …家族のように、一緒に暮らすと…約束したのに…結局、君も丹羽たちのように僕を裏切るんだね…ハハッ…
- (丹羽と雷電将軍の回想が映る)
- 放浪者: ……
- 放浪者: 声が途絶えた。どうやら、記憶はここまでのようですね。
- パイモン: 引き続き進もうぜ。
- (ワープ地点を通る)
- 傾奇者: どうして僕の行く先を阻む?
- 「道化」: 阻んでいるわけではない、待っているのだ。
- 「道化」: 貴様の正体は一種の武器だ。鋼鉄の意志のために使役されることも、そのまま放浪を続けることもできよう。
- 傾奇者: …僕を仲間に引き込もうと?
- 「道化」: 反抗の運命はすでに幕を開けた。席に加わり、祝宴に参加しようではないか。
- (邪眼工場に入る)
- 放浪者: とても暗い場所です。
- 邪眼工場だな! パイモン:' あっ、ここなら知ってるぞ。稲妻の
- ナヒーダ: 改ざんされていない記録の中では、旅人はかつてこの地で「散兵」に会ったわ。
- パイモン: 嫌な感じだ…見覚えがあるぜ…
……
- (旅人旅人): (ここを覚えてる。とても…嫌な感じがする場所だ。)
- パイモン: おい、あっちを見ろ!
- 「散兵」: つまり親愛なる「淑女」さまは、あのアホ共とこの工場を僕に託してくださるということか?
- 「淑女」: ふん、もうあんたの手下なのよ。蔑んで何かいいことがあるのかしら?認めたくないようだけど、あんたも計画の一環なんだから。
- アビス」で戦う方が有意義だったかしら?まあもちろん、博士の実験体になるよりつまらないのは認めるわ。 「淑女」: それとも、「
- 「散兵」: …ふふっ、本当によく舌が回るようだね。
- 「散兵」: もっとも、その口で得をしたことはほとんどないみたいだけど。これからの任務に向けて、少し気持ちの持ちようを変えることをお勧めするよ。
- 「淑女」: 言われなくても、これから何があるかくらい知ってるわよ。
- 「散兵」: そうかな、あえてもう一言だけ言っておこう——自分が無敵だなんて思わないことだね、ましてや感情に任せて物事を処理するなんて、もってのほかだ。
- 「淑女」: あら、私を心配してくれているのかしら?
- 「公子」といい勝負だからね。 「散兵」: まさか、君が僕の足手まといにならないことを願ってるだけさ。君の他人に迷惑をかける能力は、
- 「淑女」: 私はただ、この混乱した国に火をつけてあげてるだけよ。あんただって…捨てられたものとして、もっとひどいことをしたいと思ってるんじゃない?
- 「淑女」: 覚えてるかしら?稲妻にいたあの時、刀工を何人も殺したんでしょう。雷電五箇伝の末裔も、さぞかし苦しんだんでしょうね?
- 「淑女」: あらあら、その表情…過去を追想するのはやめたほうがいいわよ。そろそろ、そのかわいそうな舌をしまって、毒を吐くのをやめてちょうだい。
- 「淑女」: それじゃ、またね。祝賀会でお会いしましょう。
- 体中に火のついた女の分際で、よくも僕にそんなことが言えるな。 「散兵」: …かわいそうな舌だって?ハハハッ…
- 「散兵」: …まあいい。誰かがここを見つけるのも時間の問題だ。その時が来たら、どんな表情で出迎えてあげようか。
- (旅人旅人): ……
- 放浪者: ……
- ナヒーダ: 陰謀は事ここに至っても、まだ断ち切られていないわ。引き続き次の話を体験するけど、放浪者、まだ耐えられるかしら?
- 放浪者: …はい、心配はいりません。
- (ダイヤログ終了後)
- 「淑女」: どうして黙って私を見てるのかしら?もっと人に好かれるように振る舞おうとか、思わないわけ?
- 「魔女」さん。 「散兵」: 僕の義務は君に好かれることじゃない。それに、君の目には最初から利益と結果以外のものなんてないうだろう?
- 「淑女」: ふふ…迷子のお人形が第六位に上がれたのだって、他より少し頑丈だったってだけじゃない。そんなのが長所ですって?
- :「散兵」: 君と接していると、まるで烈焔と交友している気分になるね。だけどお互い殺し合う前に、まずはやるべき責務を果たした方がいい。
- (ワープ地点を通る)
- パイモン: スメールに着いたみたいだ!
- パイモン: ん…あれって…
- ナフィスが本計画への加入を断ったことにより、私が彼に代わってこの実験に参加することになりました。 教令院学者: 生論派の賢者
- 「博士」: 歓迎しよう。良い協力関係を築けることを願っているぞ。
- 「散兵」: …ふんっ。
- 「散兵」: いつから始めるんだ?
- 「博士」: もう待ち遠しくて仕方がないようだな?先に言っておくが、神になるというのは、決して容易なことではない。
- アザール: 生体改造には時間がかかる、私も早めに開始することをお勧めしよう。それに、連結に成功した後、彼の体は機体と完全に紐付けされ、単独行動ができなくなる。
- 「散兵」: そんなことはこれまでにも十分経験してきた。そうだろう?「博士」。
- 「博士」: お前は私がこれまで見てきた中で最もタフな実験対象だ。お前のおかげで、私はより多くの情報を手に入れられる。
- アビスの中に籠るようになってしまった。会う機会が激減したことで、知識の純度を上げるのも難しくなってしまった。 「博士」: だがあの日々があってからと言うもの、お前は命令通り、いつ何時も
- 「散兵」: その真面目ぶった口の利き方、狂った実験にしか興味ないってバレないようにしてるつもりかい?
- 「博士」: 私と話をする時はもっと言葉づかいに気を付けたほうがいい、「散兵」。たしかにお前は役に立つが、だからといってお前が不滅だということにはならない。
- パイモン: …また「博士」だ…いやな感じの場面だぜ…
- 放浪者: あの者からは、とても深い邪悪の気配がします。
彼がすべてを引き起こした「博士」。
- パイモン: あいつを見たらいやな感じがするのは当然のことだぞ!オイラもだ!
- 放浪者: ……
- ナヒーダ: 引き続き進みましょう。
- (ワープ地点を通る)
- 放浪者: 神様、あなたは僕が悪であると思いますか?
- ナヒーダ: あれらが「あなた」であると認めるなら、悪であるということになるでしょうね。
- 放浪者: あなたが思うに、人と人形に違いはあるのでしょうか?
- ナヒーダ: あなたにとっての「前生」や「他生」の自分は、あなたと何か違いはある?もしもないとしたら、人と人形だって何も違いはないと思わないかしら?
- ナヒーダ: 人の世の冷暖に耐え、喜怒哀楽を味わう者は人である。そして生老病死を憎み、愛し、泣き、怒る者も、同じく人よ。
- 放浪者: ……
- 放浪者: 僕は十分に多くの過去を見ました。もし可能ならば、僕が背負うはずだったあれらの罪を取り戻したいと思います。
- 放浪者: どんな結果になろうと、僕に課せられた非難と制裁から逃れるつもりはありません。これは当然の報い、受けるべきものです。
それってつまり…
- 放浪者: その記憶を、僕に渡してくれませんか?
- パイモン: えっ?でもそれじゃあ、おまえは…今の身分を失うってことだろ?
- 放浪者: 僕は常々、人という生命個体はある法則に従って成ると思っています。それは、過去の経験の集積です。
- 放浪者: 僕は人形として世に生まれましたが、同じ法則を背負っています。
- ナヒーダ: 記憶を取り戻すことは、あなたを完全に「前生」の位置に戻すことを意味するわ。あなたによって捨てられた感情も、すべてあなたの体内へと戻る。
- ナヒーダ: 本当にいいのね?
- 放浪者: 元より、この胸に空いた穴と共に生きてきました。人形を創造した者は僕を必要としなかった…目覚めた後、僕は放浪を始めました。
- 放浪者: それからあなた達に出会って、気付いたのです。この失われた罪こそ、あるいは僕が「僕」になれるきっかけかもしれないと。
- (旅人旅人): (…これがマハールッカデヴァータの言ったことの真意?自分を消すことはできない。たとえ元のスカラマシュが消えても、この個体が彼に代わって存在し続ける…)
- (旅人旅人): (逃れられない罪悪、これも運命なのか…)
- 放浪者: 僕は生まれながらにして他者より願いを抱きやすく、修験者となっても徹底的に悟ることはできませんでした。どうやら、それこそ僕が自らに招いた呪いなのでしょう。
- 放浪者: だから、お願いです…宿命を変える意味を僕に与え、僕の放浪を終わらせてください。
- ナヒーダ: 分かったわ。
- ナヒーダ: すでに決心したのなら、これらをあなたへ返すわ。
- カットシーンの旅行日誌のまとめ:
- ナヒーダ: それがあなたの選択なら…
- ナヒーダ: 受け取りなさい
- (放浪者が記憶に手を伸ばすと、彼の胸にその記憶が入った)
- (鳴神大社における雷電将軍が映る回想)
- 八重神子: こやつを自由にしてやろう…
- (借景ノ館における男性[1]が映る回想)
- 桂木?[2]: 人形? どうしてここに…
- (放浪者は苦しみ、座り込む)
- 放浪者: これは…
- (たたら砂における回想)
- 丹羽久秀: お主も人間だと思うでござるよ
- エッシャー: お揃いでしたか
- 桂木?: いい刀だ! 本当にうれしく思うよ
- (放浪者はさらに苦しむ)
- 放浪者: これは… 僕の…
- パイモン: 大丈夫なんだよな…
- (七葉寂照秘密主が動き始める)
- パイモン: うそだろ!
- (旅人が放浪者を守りながら戦う)
- パイモン: おい! まだなのか?
- (七葉寂照秘密主がレーザーを撃つ)
- (暗い心の空間に光が現れ、放浪者はそこに手を伸ばす)
- 放浪者: 価値のないものは残されない…
- 放浪者: だからこそ…
- 放浪者: …ここで終わるわけには いかないんだ!
- (放浪者が散兵[3]の手を掴む。彼が下を見ると別の散兵が彼の手を掴んでいる。)
- (七葉寂照秘密主のレーザーが旅人らに当たりかけるが、何かがその攻撃を防ぐ。)
- (記憶を取り戻した散兵が風元素の神の目を獲得し、その力で攻撃を防いだ。)
- パイモン: 「散兵」!?
- 放浪者: 死ね
- (ムービー終了)
- (七葉寂照秘密主・記憶の終点にある悪兆との戦闘)
- 放浪者: …実に不愉快だ。
- パイモン: 記憶が完全に戻ったのか?
- 放浪者: 無駄口をたたくな!
- (放浪者が倒された場合)
- (HPを100%回復)
放浪者:ぐっ!ここで…やられるわけないだろう…!!
- (七葉寂照秘密主を倒す)
- 七葉寂照秘密主: ————!!
- 放浪者: 愚か者め、僕の視界から消え失せろ!
- パイモン: …消えた…オイラたちの勝ちか?
- 放浪者: 聞くまでもないだろう?僕がそいつに負けるはずがない。
- パイモン: へへ…言葉づかいが戻ってきたな。自分を取り戻したみたいだ…
- パイモン: でも、あの中にいたのもおまえだろ!そんなに自慢できることかよ!
- 放浪者: 悪いね、僕は他人にも自分にも薄情なのさ。
記憶が戻れば…
過去がのしかかってくる。
- 放浪者: ハハッ、その言い方、まるで僕を心配してるみたいじゃないか。
- 放浪者: その必要はない。たとえ僕が何かを変えることができなかったとしても、君のおかげで…多くの真実を知ることができた。
- ナヒーダ: 記憶の読み取りはとても順調にいったわね。この夢境も使命を果たせたわ。
- 放浪者: 行こう、話は外に出てからだ。
サウンドトラック[]
No. | サウンドトラック名 | アルバム | 再生 |
---|---|---|---|
37 | 傷痛みの物語 | 寂々たる無妄の国 | 乱世輪舞、幕切——傾奇の末 場所、塵歌壺 |
47 | 幽玄有心 | 真珠の歌3 | 幕切——傾奇の末 (カットシーン) |
47 | 浮浪人の魂胆 | 真珠の歌 | 天の謎、水の解き (カットシーン)、邪眼 (任務)、意識の舟が行き着く処 (カットシーン)、幕切——傾奇の末 |
105 | 六輪一露の狂詩曲 | 流変の砂、さやさやと | 意識の舟が行き着く処、幕切——傾奇の末 秘境 |
ギャラリー[]
他の言語[]
言語 | 正式名称 |
---|---|
日本語 | 幕切——傾奇の末 Makugire⸺Kabuki no Sue |
中国語 (簡体字) | 幕切——倾奇之末 Mùqiē⸺Qīngqí zhī Mò |
中国語 (繁体字) | 幕切——傾奇之末 Mùqiē⸺Qīngqí zhī Mò |
英語 | The Kabukimono's Finale |
韓国語 | 종막——가부키모노의 결말 Jongmak⸺Gabukimono-ui Gyeolmal |
スペイン語 | El acto final del kabukimono |
フランス語 | L'acte final du kabukimono |
ロシア語 | Финал Кабукимоно Final Kabukimono |
タイ語 | ปิดฉาก - จุดจบของ Kabukimono |
ベトナム語 | Bế Mạc, Kết Cục Của Kabukimono |
ドイツ語 | Das Ende des Kabukimono |
インドネシア語 | Tirai Ditutup, Akhir dari Kabukimono |
ポルトガル語 | As Cortinas se Fecham: o Encerramento do Kabukimono |
トルコ語 | Kabukimono'nun Sonu |
イタリア語 | L'ultimo atto del kabukimono |
変更履歴[]
脚注[]
ナビゲーション[]
|