ナタの神であり指導者。不滅の炎をもって民に希望を与え、浄化の炎をもって悪を戦慄させる。
—公式サイトより抜粋[1]
性格
「キオンゴズィ」の古名を受け継いだナタの指導者。聖火で戦争の国を照らせることを願っている。
—ゲーム内のキャラクターステータスとプロフィールページの紹介文
現在の戦争の神であるマーヴィカは、祖国ナタに対する深い義務感と責任感を体現している。この揺るぎない献身により、彼女はナタ人の心の中に居場所を得ており、そのリーダーシップと彼らの幸福へのコミットメントにより、尊敬と尊敬を集めている。マーヴィカは懸木の民での経歴から、競争と過激なスポーツへの情熱を植え付けられ、彼女の冒険心を反映している。しかし、カピターノとの会話の中で彼女は、かつてのような全盛期の若々しさはもうないと認めている。
知的で計算高いマーヴィカは、ナタを脅かしているアビスの侵略を根絶する計画を思いついた。この野心的な計画は大きな犠牲を伴うものであった。500年前、彼女は聖火の中で自らの命を犠牲にし、神の目を実現するためだけに現代に生まれ変わった。マーヴィカは、ナタをいかなる危機からも守るため、長年にわたって積み上げてきた大切な財産を含め、大切なものは何でも手放すことを厭わないことで知られている。
マーヴィカの勇敢さは、神の心を取り戻すためにカピターノと決闘したことで証明されている。旅人とともに夜神の国に乗り込み、並々ならぬ決意を示した彼女は、オロロンとともにナトランのレイラインを操ろうとするカピターノの陰湿な計画を阻止するため、2度目の対決に臨んだ。
マーヴィカは重要な局面になると、しばしば記憶の中に閉じこもり、自分の行動の指針となる明晰さと安心感を求める。旅人、パイモン、イアンサ、ムアラニ、チャスカによるカチーナの救出、ナタでの激しいアビスの侵攻、夜神の国でのアビスとの最終対決など、重要な出来事の際にはこのような瞑想の習慣が顕著に見られた。
魔神としての役割を超えて、マーヴィカはフレンドリーで親しみやすく、周囲の人々と温かいつながりを育んでいる。特に旅人と出会ったとき、彼らの他国での体験がナタほど調和的でなかったことを知り、心から驚いたという。
容姿
マーヴィカは明るい肌をした長身の女性で、赤い瞳の周りには黄色い太陽の形をしたものがある。赤くて膝まであるウェーブのかかった髪で、裏側は炎のような黄色をしている。左右対称に分かれている。
マーヴィカが神聖なる玉座の力を行使するとき、彼女の髪は燃えるような黄色に輝く。
ウィッツトランで炎神になる前は、赤とオレンジのアクセントが入った白いドレスにスカーフを巻いていた。彼女の目にある太陽型のフォルムは当時はなかった。
公式紹介
テイワットの広大な夜空においても、これほど眩しい星座は滅多に見られん。その輝きと熱は、空に穴を開けんばかりだ。いつか、それが流れ星となって夜空を横切った時、最も苛烈な寒さに包まれた夜でさえ、白昼のように照らされるだろう。
—魔女「B」が占いの途中、感嘆とともに漏らした言葉
マーヴィカ?ああ、聖火競技場で俺と飲み比べしたあの方だな?ハハハッ、神といえど、飲める量はそう大したことないようだ!…ん?俺が先に酔い潰れてただと?そんなはずないだろ!いいか?あの日俺は…あれ、何の用事で炎神を訪ねたんだったか…
あの方をどう紹介したらいいだろうか?我らナタ人の指導者たるに相応しい「キオンゴズィ」のマーヴィカ。
「キオンゴズィ」という古名にまつわる数々の功績は、ウォーベンや叙事詩に記録されている。偉大なる英雄たちによって、その古名は栄誉とともに代々受け継がれてきた。そして、マーヴィカ様も自身に注がれる厚い期待を裏切らなかった。
「最強の戦士」の名を背負いながら、生きとし生けるもの——たとえそれがどれだけ弱くとも——等しく尊重している。
そんな彼女を、民の誰もが心から慕い、讃え、尊敬している。
マーヴィカ様が「帰火聖夜の巡礼」で演説する時、その髪は燃え盛る聖火とともになびき、威厳ある声はいつまでも我々の耳元でこだまする。
その眼差しは鼓舞するかのように、一人ひとりの戦士、一匹一匹の竜に留まる。彼女の声に集まったナタの炎は団結し、やがて闇を払う光となって燃え上がる。
果てのない闇夜の中を、私たちは互いに支え合いながら一歩一歩前へ進んでいる。しかし涙を拭い、勇気を出して顔を上げれば——
そこには、あの揺るぎない赤がある。東の空を染める朝日のような色だ。
あの方は何を犠牲にし、何を手放してきたのだろうか?今日まで歩き続けるために、どれだけの強い意志が必要だったのだろうか?
我々は信じている。マーヴィカ様なら、きっともう一度、ナタを勝利に導いてくれると。
我々の太陽は永遠に燃え続ける。
キャラクターストーリー
キャラクター詳細
マーヴィカの名を前にすると、ナタの住民たちは賛美の言葉を惜しまない。指導者としても、神としても優れた彼女は、その役目を十二分に果たすため、人々から尊敬されている。
彼女はこの国の頂点と言えるほどの力と、それに相応しい気質まで持ち合わせている。たとえこの地に着いたばかりの異邦人でも「聖火競技場」でその演説を聞けば、彼女が太陽の名に恥じぬ存在であることが分かる。
マーヴィカは威厳に満ちているが、決して堅苦しい人物でも、厳格で感情をあまり表に出さない女王でもない。非公式の場では、親切な優しいお姉さんとして親しまれている。彼女は人と話すのが好きで、合理的な提案ならば積極的に受け入れる姿勢をとる。
「帰火聖夜の巡礼」の前日、いつも通り賑やかな「草臥の家」は人で溢れていた。マーヴィカはよくここに来て、みんなとカードゲームをしたり、歌をうたったりする。たとえ酔っ払いが酒をかけてきても、彼女は微塵も気にしない。
何しろ、彼女からすれば、髪を燃やして酒を蒸発させれば済むような些末なことなのだ。そんなことで、せっかくの楽しみを台無しにするのはもったいない。
しかし、もし絡んできた相手の目的が酒の飲み比べならば、マーヴィカの競争心は一瞬にして燃え上がる。「戦い」が始まった以上、後戻りや投降という選択肢はなく、必ず勝敗をつけなければならない。
彼女が神になる前もなった後も、彼女のそういった習慣は少しも変わらなかった。そのおかげで、彼女は様々な部族の友人を作ることができた。
しかし、誰もがその絶妙な距離感を保てるわけではない。マーヴィカからは神の権威をあまり感じられないため、この友情を逆手に利益を得られるのではと錯覚する人もいる。
だが不思議なことに、そういう人はよくいるものの、大きな騒ぎに発展したことはない。なぜなら、マーヴィカが馬鹿げた要求に応じたことがないからだ——彼女が厳粛な表情と冷たい眼差しを向けるだけで、相手が自分から退いてしまうのである。
絶え間なく燃え盛る灼熱の瞳の眼差しは、氷よりも冷たい。この温度差は、瞬時に思い上がった者を目覚めさせる。マーヴィカはやはり一国の指導者であり、無上の神なのだ。
「談議室」のスタッフは、このような嫌がらせをしてくる輩には少し処罰を与えるべきだとマーヴィカに提案した。でないと、こういったことが次から次へと増えていくからだ。しかし、彼女はそれを断った。
「神は身分であり、権力であり、精神的な象徴でもある。しかし、それは『私』ではない。」
キャラクターストーリー1
好感度Lv. 2
理論上、ナタでは誰もが炎の神になれる——「帰火聖夜の巡礼」で、自分がその時代における最強であることを証明できれば。
そのため、この国の歴代の統治者は性格もこだわりも大きく異なる。ある者は力を尊び、結果のみを重視して、目標を成し遂げるためならば代償を払うことも厭わなかった。
一方、マーヴィカはその逆である。他人から見れば典型的な「完璧主義」と言えるだろう——物事を上手くやるだけでなく、良く仕上げるべきだと思っている。
質と完成度を追い求めるのは人として当然のことだが、そうすれば往々にして多くの時間を費やすことになる。それが効率的でないと指摘されると、マーヴィカは自分なりの理論を述べるのであった。
まず、この世のすべての出来事は孤立して存在しているわけではない。過去に遡れば原因があり、未来に進めば結果がある。人類はすべての事柄の連鎖を完全に分析することはできない。だだ最善を尽くして、潜在的な危険を避けるよう尽くすしかないのだ。
次に、過去の出来事はすべて貴重な経験となる。成功は参考となり、失敗は教訓だ。しかし、漫然と対応すれば、残るのは同じ過ちを犯してはならないという教訓だけとなる。
しかしこの二つの理論の他に、マーヴィカが普段口にしない重要な理由がもう一つある。それは「楽しさ」だ。
彼女の趣味はとても幅広く、六部族の流行りのスポーツや遊びにまで精通している。ただ、これらの趣味は一言でまとめることが出来る——彼女は物事をできるだけ完璧にこなすことが好きなのだ。
例えば、初めてクライミングを覚えた時、彼女はコーチの動きをすべて目に焼き付け、細部まで観察し疑問に思った動きについて質問した。
次に、繰り返し練習することで、身体にコツを叩き込み、徐々にスピードを上げていった。彼女は他の人に写真機ですべての過程を記録してもらい、練習を終えた後、失敗した部分や動きがスムーズではない箇所を何度も見返した。
また問題を解決するために、コーチに相談もしたし、様々な道具や装備を使い、数通りの方法を挙げてはすべてを試して、一番優れた方法を選んできた。
そうして、マーヴィカはすぐにクライミングの技術を身につけ、質問する内容も次第にコーチを困らせるようになっていった。二人の関係はいつの間にか師弟から、互いに問題を討論する同志へと変わっていったのだ。
加えて、他の分野ではさらに驚くべき例がある。マーヴィカはわずか一年の勉強で、三十年から四十年の経験を持つ「師」を凌ぐ実力を手に入れたのだ。
その理由は単純だ。時間を積み重ねるのは簡単だが、進歩をし続けるのは難しいからである。一度記憶が肉体に染み込めば、脳は満足感や怠惰によって思考を止めてしまうものなのだ。
そのため、マーヴィカであってもまったく同じ内容を繰り返すのは苦手であった。もう一度やるということは、新たな試みであろうと、反省し改善を重ね、前回とは異なる必要があるからである。
しかし、マーヴィカの努力に気付ける者は極めて少なく、彼女の驚異的な進歩は才能の賜物であると片付けてしまう人が多い。彼女はその言葉を聞くたびに苦笑する。この世に、何をやっても才能に恵まれる人など存在するだろうか?
「進歩したいのなら、進歩の『コツ』を掴んで、努力すればいいだけだ。」
キャラクターストーリー2
好感度Lv. 3
マーヴィカはアウトドア派のイメージが強く、その姿は各地で見かけることができる。また彼女は仕事と訓練の他に、己の限界を突破するような挑戦を好んでいる。
一方、人々にあまり広く知られていない点もあった。それは、彼女は驚異的な忍耐力を持ち、長時間座っていられるという点だ。書籍やウォーベンを集中力を切らさずに、長い時間読むことができる。
そんな彼女のもう一つの主なインドア趣味は、謎解きをすることであった。論理的推理であれ、法則を見つけることであれ、内容が画像であろうと数字であろうと、あるいは物語であろうと、彼女は瞬く間に夢中になり自分の世界に入る。
楽しい推理と判断の時間を過ごした後、彼女は謎解きのクオリティ、難易度、そして合理性に基づいて点数をつけ、同じ趣味を持つ仲間たちに比較的信頼できる参考情報を提供している。
しかし、その趣味にはひとつ問題があった。謎解きゲームは基本的に一度きりしか楽しめないものが多く、繰り返し遊ぶことが難しい。さらに、マーヴィカの謎を解くスピードが速すぎて、クリエイターたちの製作ペースを遥かに上回ってしまうのだ。
そのため、マーヴィカは日々新しい謎を探す一方で、過去に解いた謎に難易度や複雑さを増す制限を加えるなどして挑戦している。
例えば、パズルを組み立てる際には、通常通りピースを選択できるが、はめ込む際には裏返して配置するというルールを追加する。そして、全体のパズルを完成させて初めて、絵柄が正しいかどうか確認することができる。
また、絡み合った金属のピースを外す謎解きでは、そのうちの一つを机に固定する。これにより、本来簡単に解ける向きが使えなくなり、新しい方法を考えなければならなくなる。これは金属だけでなく、紐を使った謎解きにも有効だ。
時間が経つにつれ、マーヴィカは自分で考えた挑戦の遊び方も、元の謎解きと共に評価して記録し、高いクオリティを持つ謎解きをまとめた本を作り上げた。
最初、彼女は「談議室」でこの資料を公開し、愛好家が謎解きを選ぶ際の役に立ってほしいと願っていた。謎解きという比較的マイナーな趣味を広めようとしたための行いだったが、最初にこの資料の有用性に気付いて手にしたのは、予想外なことに謎解きの販売者だった。
彼らは炎神マーヴィカのオススメという名目で大々的に宣伝した。しかし、謎解きに対する評価基準は人それぞれ異なる。この資料はマーヴィカの個人的な趣味を反映しているだけであるため、すぐに様々なトラブルを起こした。
それ以来、マーヴィカはこの資料を公開するのをやめた。だが、もし本当に謎解きを愛する者であれば、今でも「談議室」に申請することで資料を閲覧できる。
——ただし、マーヴィカのコレクションからスタッフがランダムに選んだ謎を解いて、自分が謎解きのプロであると証明できれば、という条件付きでだ。
キャラクターストーリー3
好感度Lv. 4
マーヴィカは「懸木の民」のごく一般的な家庭に生まれた。彼女の母親は情熱的で勇敢だが慎重さに欠け、父親は物知りだが口数が少ない性格であった。そんな二人の生活は結婚当初からケンカが絶えなかったという。
だが、子供の誕生がすべてを変えた——マーヴィカはまるで永遠にエネルギーを放つ、熱く純粋な小さな太陽のような存在であった。彼女は体当たりするかのような勢いで、家族間にある壁と闇を取っ払ったのである。
幼いマーヴィカは、この世界のあらゆるものに好奇心を抱いていた。そして、彼女の質問に父親が答えるたび、尊敬の眼差しと明るい笑顔を返した。時が経つにつれ、父親は次第に人と交流するようになり、自分の考えを分かち合う楽しさを感じるようになった。
父親から知識を学んだマーヴィカは、母親にもくっつき、毎日冒険したいとせがむようになった。勇敢な彼女はいつも先頭に立って突き進み、そのたびに母親をヒヤリとさせた。そんな日々を繰り返すうちに、母親は自分の無謀な行動も他人の目から見れば良くないものだったのだろうと気付き始めた。
マーヴィカの成長は同年代の子供たちよりも早く、彼女は父から学んだ知識で母親が軽率であることを指摘し、母から学んだ経験で父の考えが理想的すぎることを指摘できるようになった。
彼女は、意思疎通の難しかった二人の間を繋ぐ架け橋のような存在となっていた。長年積み重ねた矛盾とすれ違いは春の雪のように溶けていくことになる。父がマーヴィカに武術を教える時には、母もそばで助言し、母がマーヴィカを連れて竜を躾ける時には、父も同行するようになった。
しかし、マーヴィカをさらに一歩前進させたのは、そのあと家に舞い降りたもう一人の天使——妹のヒネであった。
マーヴィカはもともと家族間の関係において重要な役割を担っていたこともあり、彼女はすぐに姉という立場に慣れ、両親から学んだことをひとつずつヒネに伝えていった。
ヒネは手のかかる子だった。時にやんちゃで、時に静かで、言うことを聞かないことも多々あった。家族三人がテーブルに集まり、頭を抱えてため息をつく日もあった。ただ、それも日常の温かなひとコマだ。
ある日、父とマーヴィカがヒネに授業をしていると、ヒネがこんな質問をした。
「炎神ってみんな普通の人間なんだよね。なら、炎神になった人がみんなを守るってどう保証するの?」
「みんな普通の人間だからこそ、保証なんていらないんだ。」
「お父さんまたなぞなぞ?よくわかんないよ。」
「お姉ちゃんに聞いてみたらどうだ?マーヴィカならもう分かってるはずだ。」
マーヴィカはただ微笑みながらヒネを抱きしめ、何も言わず彼女の頭を撫でた。
キャラクターストーリー4
好感度Lv. 5 •
白石に埋もれし黒石
五百年前、マーヴィカがナタを救う計画を族長と選りすぐりの戦士たちに話した後、人々の意見ははっきりと分かれた。
マーヴィカという重要な指導者と戦士を失うのは、受け入れ難いと考える者がいたのだ。この時代すら守れないのなら、未来を考えることになんの意味もない、と。
しかし、彼らのほとんどはマーヴィカや各部族の族長に説得され、炎神の計画こそが勝利への唯一の道であり、たとえその時代ではリスクが高く、実現の可能性が低いとしても、それに賭けるしかないのだと納得した。
戦士たちは一斉にマーヴィカの「談議室」を訪れ、自分の大切な持ち物を差し出した。それは、将来の非常時に必要な「燃料」として使うためのものだった。
この必要な犠牲に対して、勇敢な人々は誇りを抱き、一切躊躇わなかった。それを渡して去ろうとする彼らをマーヴィカは呼び止め、温かい飲み物を一杯用意し、その品にまつわる物語を聞きたいと言った。
彼女は、そのすべての物語を未来に運ぶことを決め、また必ずそうしなければならないと感じていた。人の寿命は時間を超えられないが、記憶は超えることが出来る。たとえ未来でこれらの物が存在しなくなっても、その物語が語られ続ける限り、彼らは未来の人々と共に勝利の光を迎えることができるのだ。
そのため、マーヴィカの旧友も、あまり面識のない戦士も、「談議室」で思う存分語った。勇敢な戦績を誇らしげに話しながら胸を叩く者もいれば、親しい友人や家族の死を思い出して涙を流す者もいた。
すべての品物は適切に保管され、五百年の間にその数はさらに増えていき、今に至っている。
自分の物語を話し終えてカップの中身を飲み干した後、しばしの間をおいて、似たような話はあるかとマーヴィカに尋ねた者がごくわずかにいた。
彼女は微笑みを浮かべながら、両親やヒネ、そしていたずらっ子な二匹のユムカ竜のことを話した。これらは彼女が失おうとしている時間の中で、最も大切なものだ。
「それってみんな大切なものですよね…」
「いや、計画が決まった瞬間、どれも重要なものではなくなった。私自身でさえな。」
キャラクターストーリー5
好感度Lv. 6 •
灼烈の反魂の詩
マーヴィカはアビスに対抗する計画を長い旅に例えていた。彼女は、荷物をたくさん持った冒険者のように、定められた目標に向かって進んでいく。記憶と愛は彼女の背負う荷物の中の物資であり、迷いと孤独を乗り越える助けでもあった。
彼女は瞑想の世界でこの道を具体的にイメージする。遠くには高塔が現れ、その頂上には聖火が灯され、マーヴィカのために道を照らし、進むべき方角を示してくれる。
誰もどこに行けばいいのか分からず、どれほど道が長いかも知りえない。しかし、荷物が次第に軽くなっていくにつれ、道はマーヴィカの足取りに伴って前へと続いた。
アテアは彼女に別れを告げ、テノッチも彼女に別れを告げた。そして母親と妹も彼女に別れを告げた。
スンジャタは彼女に別れを告げ、ブルキナも彼女に別れを告げ、ワンジルも彼女に別れを告げた。
勝利への道は当然のようにあるわけではない。それは過去と現在の無数の英雄たちが手を取り合って築き上げたものである。だからであろう、マーヴィカは「救世主」という肩書きよりも「代行者」という呼び方を好んだ。
だが、それだけでは足りない。旅は苦しい修行ではないのだ。道を行くには意志だけでなく、決断力と知恵も必要になる。
五百年前の彼女には、旅人や「隊長」のような変数を予測する力がなかった。しかし、彼女はそれらの情報を得た後、わずかに思索しただけで、彼らを計画に組み込むことを決めた。
現実的な要素に基づいた数々の考慮の他に、マーヴィカの判断を支えるもう一つの理由があった——それは旅人も「隊長」も、彼女と似たような気質を持っているからだ。
もし立場の問題を置いておけるなら、三人で座って、バーベキューをしながら飲み物を片手にそれぞれの旅の見聞を語り合いたいと彼女は思っている。同じく旅路を歩み、決まった住処がない者同士だけが、互いを理解し共感できるのだ。
だが、彼女はその難しさもよく理解していた——遠くへ旅をする人は、心の中の疲れや脆さを見せたがらないものだ。それは彼女自身も同じだった。
彼女は、戦友や家族との昔話を笑って語れるが、その幸せが長い時間の中で育んできた悲しみにはほとんど触れようとしなかった。そして、既に空っぽになった荷物を指さし、これが今の彼女の心と同じだと言うこともなかった。
できないし、したくないし、そのようなことをする必要もない。
だから彼女は最後まで変わらず節度を守った。誰もが祝賀会の歓声と美酒を必要とし、誰もが祭りの後は一人静かに過ごす時間を必要とするだからだ。
この時代で、彼女が「静けさ」を必要とする時に、空気を読まずドアをノックするのはシトラリくらいだろう。
ただ単にお酒が好きだからという可能性もあるが、飲み仲間として相性がいいのかもしれない。
双駆輪
好感度Lv. 4 •
灼烈の反魂の詩
緊急事態下において、スピードは生死を左右することをマーヴィカはよく理解している。そこで、早い段階から強力な機能を備えた乗り物を作りたいと考えていた。
その乗り物はスピードが速く、安定した構造を持たなければならない。どんな状況で走っても破損しないことが必須条件だった。
その乗り物は崖や水面、空中など、様々な地形を乗り越えられなければならない。肝心な時は直線を行くのが最も早いからだ。
その乗り物は強力な爆発力を備え、必要な時に武器としての役割を果たせる機能を持っていなければならない。何しろアビスが襲ってくる時、魔物に割く時間などないからだ。
炎元素力と相性がよく、呼べば来て、使えば消える。手を伸ばすだけで、自分の傍に現れる、そんな乗り物だ。
「これが私の求める条件だ。できるだろう?シロネン。」
「は…?」
どの条件も極めて難しく、それを一つの物に組み込むなど、まるで夢物語だ。シロネンのような職人でさえ、マーヴィカのことを頭がおかしいと思っても仕方がない。
ただ、マーヴィカは依頼をただ持ってきただけではなかった。その問題を解決する方法も考えていた——彼女はナタの地下を探し回り、アビスに侵蝕されていない秘源装置や、出所不明の設計図をたくさん掘り出してきていたのだ。
遥か昔、同じくアビスに対抗しようと試みた古代の龍族たちは非常に荒々しく、力で相手をねじ伏せるような装置を数多く開発した。その設計図を、マーヴィカが写し取ってきたのだ。
もし設計図の秘密を解き明かし、既存の装置を研究して、使える部品を分解し組み合わせれば…
そう考えたシロネンが顔を上げたとき、微笑むマーヴィカを見て、悟った。自分には断る理由などなく、断るつもりもないのだと——これほど偉大な創作をみすみす見逃す職人などいるだろうか?
そこで二人は力を合わせて、秘源装置の秘密を探った。だがそのうち、彼女たちは自分たちの考えがあまりにも甘かったことを痛感する。既存の材料から必要な部品をすべて集めることなど不可能だったのだ。
ならば現代の技術だけで作り、それらを組み合わせよう。もちろんその過程は険しいもので、幾度となく熱暴走や爆発を経験することになったが、ようやく秘源装置と炎元素の親和性の問題を解決できた。
長い開発期間を経て、ついに双駆輪のプロトタイプは完成した。これほど勇猛なフォルムと、パワフルな機能を持ったものは誰も見たことがない。多くの人が集まり、歓声をあげて拍手した。
こうして、ナタを守る指導者はまた一つ、力を支える土台を増やしたのであった。
…これは余談だが、あるテストからシロネンは「二つ目のヘルメットを作るのを忘れた」という理由で試乗を断るようになった。その本当の理由は、マーヴィカが運転する双駆輪の後部座席に座ると、ひどい乗り物酔いに襲われるからだという。
神の目
好感度Lv. 6 •
灼烈の反魂の詩
幼い頃、マーヴィカが生と死の概念をまだ完全には理解していなかった時、彼女の父親は「帰火聖夜の巡礼」で勝利を収め、栄誉の旅に出ようとしていた。
ナタの伝統において、この資格を手に入れることは英雄になったのとほぼ同義である。そのため、マーヴィカはこの上なく誇りに思っていた。だから、父が家族に別れを告げた時、母が心配そうな表情を浮かべていたことを彼女は理解できなかった。
「夜巡者の戦争」で全滅することはそうそうない。たとえ戦士が犠牲になったとしても、出征した小隊が勝利を収めて帰還さえすれば、犠牲者は反魂の詩の歌声の中で再び燃え盛ることができる。
その後、戦いに勝利したという知らせが競技場に届いた。しかし戦場に赴いた七人の戦士は三日三晩の激戦を経験し、そのうち三人が犠牲となっていた。そして、マーヴィカの父親がその犠牲者の一人だった。
マーヴィカは少し心配したが、彼女にとって「再燃の儀式」はまるで祝いの宴のようなものだったため、すぐに記憶の中の父親が聖火から帰ってきて、家族が再び一緒になると信じていた。
だが、現実はマーヴィカの想像と全く違った。彼女のもとに戻ってきたのは、痛々しいまでに傷だらけの、立って歩くことすらできない父親だった。
反魂の詩は命を再燃させることができるが、回復させられるのは致命傷くらいだ。戦いで負った傷と元からある病が癒えることはない。彼女の父親はまさに激戦が長引いたことにより、怪我で衰弱しきっていた。
それはマーヴィカが初めて見る、弱った父親の姿だった。そして「死」が彼女を凝視しているという概念を感じたのも、それが初めてだった。たとえ反魂の詩に守られていたとしても「死」は依然として畏敬の念を持つべき存在だと悟った。
普段は泣かない彼女もその時ばかりは涙を堪えた。俯いて沈黙し、ベッドの横に座って、父親の手を握った。その心の中にあるのは悲しみよりも、後悔のほうが大きかった。
父親は彼女の心を見透かし、「戦争」という言葉の本当の意味を教えた——誰もが死を恐れる、だが身を挺して立ち上がる者が必ず現れる。なぜなら、彼らの心の中には守りたいものがあるからだ、と。
しかし、その理屈は子供からしてみればそう納得できるものではなかった。彼女はなぜ父親が、ひいては大人たちが、戦争の責任を喜んで背負うのか理解できなかった。
「戦争が避けられないものなら、私がこの戦争を終わらせる。」
マーヴィカの両目は炎のように光を放った。その瞬間、父親と母親は何かを確信したように互いに視線を交わし、マーヴィカの「甘さ」を否定することもなく、ただ頷いた。
両親からの信頼を得て、マーヴィカは最初の目標を決めた。神の視線も彼女に注がれた。その後、彼女は多くの秘密やナタが直面している窮地を知ったが、かつての両親の真っすぐな眼差しを疑うことはなかった。
彼女は、これが自分にしかできないことだと確信している。それは彼女が「キオンゴズィ」のマーヴィカであるからだけではない。自分は両親の誇りであり、「懸木の民」の娘であり、ナタの娘でもあるからだ。
名刺の飾り紋
マーヴィカ・光冠 | |
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取得: マーヴィカの好感度がLv.10に到達後獲得。 記述: どの時代の炎神も、その輝きを太陽と競おうと思ったことはない。しかし、凡人の目から見れば、この「太陽の環」はまさに太陽のように輝く指導者の冠なのだ。 |
命ノ星座
任務とイベント
キャラお試し
腕試しイベント
- マーヴィカ、シトラリ、ベネット、ディオナ — 5.3
キャラクターの紹介
キャラストーリー
キャラクター | ストーリー |
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キャラボイス
キャラクター | ボイス |
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メール
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履歴
豆知識
- Ver.5.0公式PV「栄華と炎天の途」や、選択 (魔神任務)のカットシーンで、マーヴィカがキィニチから借りた両手剣「アースシェイカー」を使用しているのが確認できる。
- 当時の炎神として、マヴイカは大災害の際に六人の英雄と行動を共にしたが、それ以前から何人かの英雄とは個人的なつながりがあった[2]。
- 懸木の民でブルキナとともに育ち、彼がまだ幼い頃に古名を授かったとき、炎神になることをほのめかした。
- 神童だった彼女は、有名な戦士のトレーナーであるスンジャタの家を訪れ、自分を生徒として迎えるよう説得したようだ。
- 大人になってからはワンジルと友人で、レスリングの試合をした。彼女はいつも勝っていたが、魔神の力を授かる数日前に少なくとも一度は負けた。
- 彼女の竜の仲間は「キタタ」という名前のオスのユムカ仔竜だった。
- マーヴィカは現在プレイアブルキャラクターの数少ない一人で、旅人が別世界の人間であることを認めている。
- マーヴィカには、以下のような別名や肩書きがある。
- キオンゴズィ
- ハボリム
- 炎神
- 戦争の神
- 彼女のスプラッシュアートにはチャスカ、イアンサ、ムアラニ、キィニチ、オロルン、シロネンのシルエットが存在し、現代における国家の6人の英雄を表している。
- マーヴィカは、通常1つの部族に限定されるいくつかの能力やメカニズムを使うことができる。
- マーヴィカは燃蝕の風洞、射流の渦、霊覚の能力を使うことができない。懸木の民出身であるにもかかわらず、巻き葉のルーンやユムカ竜に関連する他の存在を利用することはできない。
- マーヴィカはこのゲームで初めて、そして今のところ唯一、アルティメットのチャージをエネルギーに頼らないキャラクターである。その代わり、味方が夜魂の加護状態で夜魂値を消費したり、敵に対して通常攻撃を行ったりすると、戦意が充填される。
- マーヴィカの待機モーションが始まると、近くにいるNPCが拍手する。
- マーヴィカがコアテペック山にあるフイツトラン部族で生まれたのは、アステカの神ウィツィロポチトリがコアテペック山で生まれたという神話にちなんでいるのかもしれない。ここはまた、フイトシロポチュトリが妹のコヨルシャウキと400人のセンソヌイツナウアと戦った場所でもある。
語源
- MavuikaはMāoriの火の神Mahuikaにちなんで名づけられたのかもしれない。マフイカは一般的に女性として描かれ、特に中国名の「玛薇卡」が 「Mahuika 」と訳されることからわかる。彼女は彗星の神であり火の起源であるAuahitūroaの妻である。彼女は、英雄マウイが火を作る秘訣を得た人物である。
- このことは、マウイの妹であるヒネ・ヌイ・テ・ポにちなんで名づけられたと思われる妹のヒネの名前からも裏付けられる。
- ハボリム(『ソロモンの小鍵』ではエイムまたはアイムとも呼ばれる)は地獄の大公である。人間の姿では、蛇、人間、猫の3つの頭を持つハンサムな男で、毒蛇にも乗っている。彼は火の杖を携えており、その杖で都市、森、城を燃やすと言われている。
その他の言語
キャラ称号: 夜を焼き尽くす炎
言語 | 正式名称 |
---|---|
日本語 | 夜を焼き尽くす炎 Yoru wo Yaki Tsukusu Honoo |
中国語 (簡体字) | 焚夜以炎 Fényè Yǐyán |
中国語 (繁体字) | 焚夜以炎 Fényè Yǐyán |
英語 | Night-Igniting Flame |
韓国語 | 밤을 사르는 불꽃 Bameul Sareuneun Bulkkot |
スペイン語 | La Calcinadora de la Noche |
フランス語 | Flamme embrasant la nuit |
ロシア語 | Пылающая ночь Pylayushchaya noch' |
タイ語 | เพลิงผลาญรัตติกาล |
ベトナム語 | Lửa Thiêu Đêm Đen |
ドイツ語 | Flamme der Nachterhellung |
インドネシア語 | Night-Igniting Flame |
ポルトガル語 | Chama da Noite Ardente |
トルコ語 | Geceyi Tutuşturan Alev |
イタリア語 | Fiamma che incendia la notte |
脚注
ナビゲーション
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