ありし日の春庭は、「サマータイムオデッセイ」イベント期間中のイベント任務である。其の二の前編である。
手順[]
- 翌日(6時~24時)まで休む
- パイモンと会話する
- 「御肉丸」に乗る
- 別のウェーブボートを召喚し、それに乗り込むこともこのステップを満たす。
- 奇妙な光景のある島へ行く
- 盆景に触れる
- 煙山霧閣の任務秘境に入る: ありし日の春庭・其の一
- みんなと会話する
- 周囲を調べる
- 装置を操作し、詳しく調査する
- 廊下のさらに奥へ探索する
- 周囲を調べる
- 周りを調査し、扉を開ける方法を探す
- 装置を操作し、詳しく調査する
- 供物を置く (0/3)
- 万葉を探す
- みんなと話し合う
対話[]
ゲーム内の任務の説明
島での初日は特に何も起こらなかった。しかし、翌日の朝からは不思議なことが…奇妙な光景に導かれてたどり着いた島で、あるはずのない盆栽を見つけるのだった…
- (翌日到着後)
- 誰かの話し声と、驚きながらも冷静を装うパイモンの声がかすかに聞こえた…
- パイモン: ……!おいってば!
- パイモン: 早く起きろよ、(旅人)!
(まだ起きたくない…)
(でもパイモンを放っておくわけにはいかない。)
- パイモン: 良かった、やっと目が覚めたか!なあ、良い知らせと悪い知らせがあるけど、どっちを先に聞きたい?
……
- パイモン: あああ!オイラが悪かった!謝るから起きてくれよ!
早く言って、心の準備はできてる。
- パイモン: じゃあ、まず悪い知らせからな。実は、この島でなにか事件が起こったみたいなんだ。
- パイモン: で、良い知らせは…昨日の心配していたこととはほとんど関係ないようで、今は別の問題に直面しているんだ。
どんな問題?
- ???: おっ!目が覚めたらしいぞ!早く見に来い!
- ???: 怖がらせるなよ。こいつも他の連中と変わらないと思うぜ。人間なんて脆いもんさ。
- ???: やあ、気分はどうだ?体調はいいのか?
- パイモン: ご覧の通り、船が喋るんだ。
もうちょっと寝た方がいいかも…
- パイモン: 逃げるなよ!
- リス: 哀れなやつだぜ。オレたちが話すのを聞いただけでこんなにビビるなんてな…
- 不思議な船: ハハハッ、それもしょうがないこと。人間は俺たちみたいなやつが喋るところを、普段は目にせんからな。
- パイモン: 待てよ、おまえら元から喋れたのか?
- リス: そりゃもちろん。喋れないと、同族とも会話できないじゃん。
- パイモン: つまり、オイラたちが突然理解できるようになったってことか?変だぞ…
- リス: それか、急に賢くなったのかもな。おめでとさん。
- モナ: おや、起きたんですね?もうお日様の光がギラギラしていますよ。
- パイモン: 戻ってきたのか!
- 楓原万葉: ふむ。景色もきれいで、天気もよい。旅のおかげで、気分が癒されたでござるよ。
- オズ: すべてが順調でございますね。島の一部おかしなところを除けばですが…
- フィッシュル: ふふ…暗黒の眷属が降臨した。これぞ幽夜浄土が世に帰還する前兆だわ。皆の者、喜びなさい。
- オズ: お嬢様は、こんなこと見たこともないし、こんな展開になるとは思ってもいなかった、とおっしゃっています。
- パイモン: そんな意味じゃなかっただろ!
- オズ: ああっ、これは僭越でした。今の発言は、私自身の感想として受け止めてくださいますよう。
何があったの?
- 楓原万葉: 昨晩から、恐らく島のみに…普段は見られない奇妙な光景が広がり始めたのでござる。
- モナ: ええ。水中を泳ぐ鳥に、空飛ぶリス、そして天には時を同じくして太陽と月が昇る…そう言ったことがたくさん。チラっと見える風景だけでも、何となく違和感があります。
- 辛炎: 島で奇妙な羽音が聞こえたのに、アタイの周りには空飛ぶ生き物なんていなかったんだ。
- 楓原万葉: うむ、それに水音や草花の香りも。この島にはたくさんの植物があるが、この香りはそのどれとも異なる。
- 辛炎: 多分、肉眼では見えない何かだと思う…
- モナ: 占ってみましたが、水占の盤は混沌としていて、とても解読できません。
- パイモン: なんだか嫌な予感がするぞ。まさかオイラたち…面倒事に巻き込まれたりしてないよな。
- フィッシュル: うぅ…この地に幽夜浄土を喚ぶと決意したのに、こんなに奇妙な光景が広がるなんて…まさか罪深き者がわたくしを阻んでいるの…?
- パイモン: なぁ、もしかして、この島を改造したやつらの仕業じゃないのか?
……
あり得なくはない。
- パイモン: でもこんなことする動機がないよな…
- リス: ははっ、見てよ兄貴、死ぬほど怖がってるみてぇだぞ!
- 不思議な船: そりゃそうだろう、誰でも奇妙な出来事に遭ったら驚くさ。
- 不思議な船: 俺はいろんな海域を経験してきたベテランだ。たくさんの船乗りに声をかけてみたが、誰も反応してくれなかった。
- リス: ウンウン、こんな環境じゃなかったら、人間がオレたちと言葉を交わすなんて、想像もできないよな。
- パイモン: こんな環境ってどんな環境だ?
- モナ: 環境…もしかして、環境の変化が私の占い結果を左右した…?
何だか…
夢を見てるみたい。
- パイモン: うぅ…そんなこと言われても…
- パイモン: 夢が現実になるわけないだろ?船とリスの言葉が急に分かるのもあり得…あっ!
- 辛炎: どうしたんだ?
- パイモン: あれ、あれを見ろ!
- (カットシーンが再生される)
- 楓原万葉: 幻覚?いや…幻覚にしては、あまりにも真に迫りすぎていた。
- モナ: 一瞬で通り過ぎましたが、先ほどの奇妙な光景とまったく同じでした!
- フィッシュル: まさか…本当に幽夜净土がこの世に存在するなんて…
- 辛炎: え?しないのか?
- フィッシュル: あっ、コ、コホン!!
- フィッシュル: おほほ、戯言よ。幽夜净土はわたくしの予言通り降臨した。諸君、これこそが新たな黙示録だわ!
- オズ: その通りです。皆様、奇跡を目の当たりにし、創造の瞬間に敬意を表するときが来ましたぞ!万歳!
- フィッシュル: ふふふふ、幽夜净土へようこそ。
- パイモン: あいつ、なんだか本当に嬉しそうだな。水を差さないでおこうぜ…
- モナ: まったく驚かないとは…さすがは冒険者、色んなものを見てきたんですね…
- 楓原万葉: これが幻覚でないのなら、行って調査すべきでござる。
- 辛炎: 一つ方法を思いついたぜ。ちょっと刺激を与えてみて、痛かったら目が覚めるはずだろ。
- 楓原万葉: ふむ?一理あるかもしれぬ。
- 辛炎: そうだろ?さあ万葉、アタイの顔面に一発かませ。
- 楓原万葉: えっ、そんな訳にはいかぬ。辛炎殿…拙者が一発受けよう。
- 辛炎: でも、アタイのパンチは痛いぞ。
- パイモン: それよりもこうしようぜ!
- パイモン: オイラたちに任せるんだ!おい旅人、オイラにパンチさせてくれるか?
?
バカなの?
- 不思議な船: ハハハハハ、お前たちは面白いな。幻覚だと?人間にとっては、俺たちの声が聞こえるというだけで幻覚なのか?
- リス: 兄貴も知ってるはずだろ?人間は大人になると色んなことを忘れ、色んな能力を失うらしいぜ。
- 不思議な船: そうか、それは勿体ないな。今日のようなことで笑うなどと、艦隊で働いていた頃は想像もできなかった。
- 不思議な船: おいみんな、気になるところに行ってみたいとは思わないか?
- パイモン: もちろんだぞ!でも、どうしたら行けるんだ?
- 不思議な船: ほら!見ろ!
- モナ: 何をですか?
- 不思議な船: もちろん俺を!おっと、自己紹介を忘れていたな。俺はこの海域で最も賢く、最も器用な船だ。名前は…好きに呼んでいいぞ。
- パイモン: 名前がないのか?
- 不思議な船: 名前など、もう忘れてしまった。覚えているのは、稲妻から来たということだけさ。
- パイモン: そうか。じゃあおまえのことを「御肉丸」って呼んでもいいか!稲妻の名前はなんとか丸が多いからな。
- 不思議な船: 御肉丸?ははっ、かまわんぞ。
- 御肉丸: 俺に出会えたお前たちは運がいい。俺はどんな嵐でも乗り越えられるし、どんな波も俺の相手じゃない、だから…
- 御肉丸: 乗りな、行きたいところに連れて行ってやる!
- リス: やれやれ、兄貴はいいやつだな。オレたちをここに放り込んだ風神とはまるで大違いだぜ!
風神?
- リス: モンドの風神のことさ。
- リス: 知らなかったのか?この島々の中には、昔モンドの山頂だったやつがある。当時、風神は地形を整えるために、山頂を切り落としてそいつを丸ごと海に投げ捨てたんだ。
- リス: オレのひいひいひい…もう何代前か分からねぇじいちゃんは、山頂と一緒にここまで投げられたのさ。あの風神め!
- パイモン: そんなことがあったなんて!
- リス: はは、それ以来オレたち一族は代々ここに住んでる。幸い、他にもいくつかリスの巣が投げられて来てたから、オレたちはここで王国を築いたんだ。
- リス: メリットは天敵がいないから、島のナッツが全部オレたちのものになるコト。デメリットは…他のどこにも行けないコト。
- パイモン: まさか、幽夜净土がリスの帝国だったなんてな。
- フィッシュル: 無礼者!
- オズ: パイモン殿、デタラメをおっしゃってはいけませんよ。幽夜净土は夜鴉の国、これは常識でございます。
- 御肉丸: おい、そこの稲妻のあんちゃん、俺たち同郷同士だろ。稲妻の男なら、海に出る勇気がないといかん。ついてくるか?
- 楓原万葉: ……
- 楓原万葉: 海に出るというのは…故郷を遠く離れ、遥かな土地に向かうことでござるか。
- 御肉丸: そうだ。ありったけの勇気と、ちょっとした決心が必要だ。二度と帰れなくなるかもしれないが、旅立たねば世界はいつまでも己の心の中だけだ。
- 楓原万葉: …ふむ。御肉丸、お主の言うことはとても正しい。それを聞いて着いていかねば、男がすたるでござる。
- 楓原万葉: 皆も来るか?拙者は、先ほどの異常現象が起きた島に行くつもりであるが。
- 楓原万葉: 彼からは船の匂いがする。古き木材、水を遮る漆…まさに稲妻の匂いだ。それゆえ、拙者は彼のことを信じる。
- モナ: ほう、みんなはどう思いますか?
- フィッシュル: オズ、わたくしのために梯子を設置して。断罪の皇女、出航よ!
- 辛炎: 一緒に行って、みんなで見識を広めようぜ。
- 御肉丸: ハハハ、面白い!じゃあ早速出発だ!
- リス: くれぐれも気を付けて!
- (リスと話す)
- リス: よぉ、兄弟。その顔、まだ驚きが覚めないみてぇだな。
- リス: おっと、そんな反応するなよな。オレだって、アンタが現れたことに驚いてないだろ?仲良くしようぜ。
- リス: 美味しいナッツを探すなら、いつでもオレに聞けよ。いいところを教えてやるから。
- リス: あぁ…モンドって、いったいどんなところなんだろう…
- (ウェーブボートに搭乗)
- 御肉丸: 皆の衆、いい根性ではないか。勇気のある若者は嫌いじゃないぞ。
- 御肉丸: いつからここにいるのだ?ほう、これが初めてではなかったのか?ハハハ、それは興味深い。
- (島に近づく)
- 御肉丸: もうすぐだ、荷物を準備しろ。降りるときは足元に気を付けて。
- パイモン: 見ろ、あそこになにかあるぞ。
- 楓原万葉: あれは…
- 楓原万葉: 皆、近づいてみるぞ。
- (盆栽鉢に近づく)
- 楓原万葉: ……
- 楓原万葉: なんと、この地で相まみえようとは。
- 辛炎: これって盆栽だよな?シブいお盆だけど、中身はあまり手入れされてなさそうだ。
- (『華彩紫庭真説』をクリアしてなかった場合[要検証])
-
- 楓原万葉: これは…我が一族に代々伝わる盆栽であった。長きにわたり受け継がれてきたが、残念ながら拙者の代で、天領奉行の倉庫行きになってしまった。
- 楓原万葉: ははっ、知らぬ方もいようが、拙者はかつて稲妻の指名手配犯で、長きにわたって逃亡生活を送っていた。この盆栽は拙者が稲妻を去ってから、官府に押収されたのでござる。
- フィッシュル: 指名手配…
- モナ: …まあ、生きていく中で困難に遭遇したことのない人なんてなかなかいません。
- (『華彩紫庭真説』をクリアした場合)
-
- 楓原万葉: これは…我が一族に代々伝わる盆栽であった。以前天領奉行の倉庫で見たが、それとは様子が違う。
- 楓原万葉: その時は、とうの昔に枯れた植物だけが植わっていた。
- モナ: もう枯れていたのに、どうしてお盆に残されていたんですか?
- 楓原万葉: きっと、「盆栽の中に秘密がある」という暗示だったのであろう。
- 手紙があったのでござる。手紙を読み終えた後は、盆栽を倉庫に残していったのだが。 楓原万葉: 盆栽の底には、拙者の一族の古き秘密に関する
- 楓原万葉: 誰が植物を片づけ、そして何故ここに置いたのか…
- 辛炎: つまり、ご先祖さまが残した骨董品なんだろ?何もなしで置いてあるだけなんて、ちょっと勿体ないぜ。
- 辛炎: うーん…そうだ。万葉、これで何か作ってみねーか?
- 楓原万葉: うむ。
- 楓原万葉: なぜここに現れたのかはまだ分からぬが、試してみる価値はある。
- パイモン: うわぁ!?
- (秘境移行が発生する)
- パイモン: へへ…やっぱりそう単純じゃないよな。
万葉は?
- パイモン: えっ?そういえば、みんないるのに万葉だけがいないのか?
- 辛炎: おーい!万葉!大丈夫か?どこにいるんだ!
- パイモン: 返事がないみたいだな。歩きながら探してみようぜ。
- モナ: この配置、まるで豪邸のような感じですね…もしかすると、ここは危険な迷宮ではなく、誰かの家なのかもしれません。
- フィッシュル: 面白い。ここの秘密、皇女の名において解き明かして見せるわ。
- (筆跡の綺麗な手記と対話する)
-
- 筆跡の綺麗な手記
- 本日、古書を探していたところ、偶然にも父の古い手記を見つけた。
- きっと父は気にしないであろうと思い、中身を読んだが、やはり、そのほとんどが鍛冶の技術や鉱石の扱い方に関するものであった。
- 最後の方には盆景の設計図が描かれていた…この盆景に対する趣味も、代々伝わるものなのであろう。
- 拙者の息子も、今年で六つになる。妻の願い通り、「万葉」と名付けた。
- ……
- 妻が逝ってしまったのは、息子が生まれてまだ間もない頃であった。もう六年も経つのかと思うと…もしまだ妻がここにいたら、きっと庭で父の手伝いをしていたのであろう。
- 父は幼い頃はよい暮らしをしていたそうだが、年をとった今になって、生活の質が落ちてしまった。改善して差し上げられず、申し訳なく思っている。
- だが父は己のことよりも、拙者たちのような若者の方が重要だと仰る。
- パイモン: どうやらこれは、万葉の父ちゃんが書いた手紙みたいだな。
- パイモン: あいつの一族は、代々盆栽を育てる習慣があったんだ。
- パイモン: うーん…それにしても、万葉の父ちゃんのノートが見られるなんてレアだよな。
- (手紙と対話する)
-
- 一通の手紙
- 父・楓原景春様へ:
- 楓原家が崩壊してからと云うもの、拙者は荷物をまとめて生家を離れ、世界中を旅し、多くのことを学び候。
- 今日は海沿いの山を通り、父上が手記に描いておられた風景画を思い出し、感慨深い気持ちで御座候。
- 行楽は我が一族の伝統行事にはあらぬが、花を見たり、雲を眺めたりすることはもはや習慣…此れは、曾お祖父様の始めし事で候よし。
- 曾祖父様が最も愛されたのは小さな木を植える事で、強靭な木の枝を好んでおられたと父上から聞き候へども、お祖父様の趣味は石也。
- 幼少のみぎり、裏庭にはお祖父様の集めてきた珍しい石が多く在り、当時は宝物だらけと思ひ候へども、見識が広くなった今は確信致し居り候。あれらはお祖父様が刀の鍛冶場から持ち帰った、ただの砥石也。
- あの折、拙者はその方面に殆ど知識が無く、あのどれもが宝なのだとばかり思ひ候ひぬ。
- しかれども、生きる中で、それほどの数の宝が存在するわけもなく…
- …拙者は山の日陰で休みつつ、この文を書き候。
- この後、この文を燃やし、渓流の水で残り火を消したく存じ候。さすれば、この文もきっと父上の元に届くと願い候。
- 父上がいなくなってから、拙者は使用人を解雇し、一部の家具をも片づけ候。ふところは豊かとは言えぬが、生きるには十分也。
- されども、我が家の盆景はままならぬ最後を送るもの也。曾祖父様が残した遺物以外の価値あるものはすべて、借金の弁済に当て候。
- 天領奉行に押収されたこともあったが…あるいは、拙者の手に残るよりも、蔵にあった方がよかったのであろうかと思ひ候。
- ここに来るのも久方ぶりのこと…山々を吹き抜ける風は、父上が何年も前に初めて連れてきてくれたときと同じように、心地よいもので候。
- また旅立つ時と相成り候。
- これにて御免。
- 楓原万葉
- 辛炎: 万葉が旅の途中で書いた手紙みてーだ。
- モナ: とても、哀しい手紙でした…
- フィッシュル: …万葉殿…
- (倉庫の黄ばんだ古いノートと対話する)
-
- 黄ばんだ古いノート
- 今日、面白いことがありましたので、筆を執り書き留めようと思います——実は、若様がお酒に酔っ払いました。
- そもそも、若様はまだお酒を飲める歳ではありません。おそらく、お父上の盃に入っていたお酒を普段飲んでいるものと勘違いしたのでしょう。
- 私は遠くから、中庭で武術の練習をしている影を見て、それを若様だと思いました。その予想は間違っていなかったのですが…ただ、酷く酔っぱらっていたのです…
- 私に挨拶する姿は元気なものでした。顔を真っ赤にしていなければ、普段通りだと勘違いしていたでしょう。
- 夏の夜に酔うのは優雅とは言えません。しかし若様の年齢を考えると、黙って見ているわけにもいきません。
- 本当は最初、見て見ぬふりをしようかとも思いました。恥をかかせないために、遠回りして裏庭へ荷物を運ぼうと思ったほどです。
- 抱えていた仕事を終えてから様子を見に行くと、若様は酔い潰れて階段のそばで横になっていました…いつもは大人っぽい若様がこんな一面を見せるなんて、本当に珍しいことがあったものです。
- 私はもう一人の使用人と一緒にそっと若様を部屋まで運ぶと、お茶とお菓子を用意しました。すると、若様の口から父と母のことを呼ぶ声が微かに二回聞こえてきました。目を閉じてはいましたが、あのように幸せそうな顔をしていたのは、かつての幸福な出来事を夢で見ていたからなのでしょう。
- 親愛なる若様、あなたはまだお若い。これから先、お酒を飲む機会はきっとたくさんありますよ。
- (初めて流韻の御守りを聴く)
- 楓原久通: 俗世に身を置きながら、山水に思いを馳せる。我が楓原家はこうして代々受け継がれてきた。
- 楓原久通: この家もいずれ其方に託すのだ、万葉。
- 楓原久通: その時が来たら、初心を忘れるでないぞ。
- 辛炎: 誰か年寄りが、「我が楓原家は…」って言ってたぜ。
- モナ: 口ぶりからして、彼のおじいさんかもしれません。
- (2つ目の流韻の御守りを聴く)
- 楓原久通: 万葉、よく聞きなさい。楓原家の刀は、人を傷つけるために造られたのではない。
- (3つ目の流韻の御守りを聞く)
- 楓原景春: 父上、何を作っているのでござるか?
- 楓原久通: はは、これは異国の見聞を記録する築山だ。後ほどこれを盆栽に入れておく。
- 楓原久通: ここ数年は責務で忙しく、孫の傍にいてやれる時間もなかった。万葉は拙者の真似などせず、長じて後は己の目で世界を見ることにより時間をかけてくれればいいのだが。
- オズ: もう一人の声は万葉殿のお父上でしょうか?
- フィッシュル: ほう?なるほど…すべては万葉殿の思い出ということね。
- (万葉に近づく)
- 辛炎: ここにいたのか!
- 楓原万葉: うむ?皆こそ、今までいずこに?
- パイモン: ここは迷宮なんだ!オイラたち全員この迷宮に閉じ込められてたんだけど、万葉だけいなかったんだぜ。
- 楓原万葉: 拙者はずっとこの部屋にいたが、出ることができなかったのでござる。それにここは子供の頃住んでいた屋敷の寝室によく似ている。
- パイモン: ここはおまえの家だろ?なのになんでおまえが閉じ込められるんだ?もしかして、迷宮はおまえを中に入れたくないのか?
- 万葉に先ほどの出来事を話した…
- 楓原万葉: ……
- 楓原万葉: どうやら、この迷宮全体はうちの屋敷をモチーフに作られたようでござる。迷宮の声もすべて、父や祖父が拙者に話してくれた言葉。
- 楓原万葉: 拙者を中に入れてくれたくない…ふむ、確かに探索に参加できないのは拙者のみであるな。
- モナ: この不思議な建物は幻境のはずだと思いますよ。今の万葉さんの話からすると、これは万葉さんの経験をもとに作られたものです。
- フィッシュル: 何故、万葉殿だけが拒絶されたの?
- 楓原万葉: …恐らく、この状況は拙者自身によるものかもしれぬ。
- 楓原万葉: 拙者にとって、過去などもう過ぎたこと。天地万物にはそれぞれの法則がある。人は…過去の道を歩むことはできないのでござる。
- 楓原万葉: このような考えを持つゆえに、幻境は拙者を入れてくれないのであろう。
- 辛炎: 何となく分かるぜ、前向きな考えだな。
- 楓原万葉: 考えは、相応の結果に結びつく。とにかく拙者は気にしておらぬから、心配せずともよい。
- 楓原万葉: ふむ…先ほどは盆栽に触れたことでこの空間に入った、そうであったな?ならば、もう一度触れてみれば…
- (秘境移行が発生する)
- パイモン: 出たぞ!
- 辛炎: 見ろよ、あの山!丸ごと変わっちまったぜ。
- 楓原万葉: …待ってくれ。
- 楓原万葉: ……
- 楓原万葉: 皆、一つ考えがあるのだが。この幻境の変化は、盆栽と関連があるのではないだろうか。
- 楓原万葉: この磁器のお盆は元々、曽祖父の収集品だったと父から聞いたことがある。曽祖父は盆栽や盆景が好きで、よく庭で手入れをしていたと聞いた。
- 楓原万葉: その後、例の一件が起き、祖父は一家を再興する方法を探して故郷を後にしたのだ。ちょうどあの頃、曽祖父は大病を患った。
- 楓原万葉: 曽祖父は、祖父が盆栽に興味がないことを知っていた。曽祖父は最期の時、丁寧に手入れした盆栽のほとんどを他人に譲り、この盆栽だけを残したのでござる。
- (『華彩紫庭真説』をクリアした場合[要検証])
-
- パイモン: それって、秘密の書かれたあの手紙を残すためだよな?
- 楓原万葉: さよう。それに、一種の記念でもあったのだろう。
- 楓原万葉: 祖父が駆けつけた時には、曽祖父は既に亡き人となっていた。最期を見届けることすらできなかったのでござる。それから、祖父はよく盆景の前で呆然と立ちすくんでいることが多くなった。
- 楓原万葉: それをきっかけに、祖父も盆景を作るようになったのでござる。しかし曽祖父とは違い、祖父が好んだのはお盆に草木ではなく、石を配置する盆景であった。
- 楓原万葉: 祖父の影響を受けてか、父もその趣味を受け継いだ。当時、屋敷の庭には色々な盆景が置かれていたでござる。
- 楓原万葉: この磁器のお盆も、家宝として拙者に受け継がれたもの。
- 楓原万葉: それがここに現れ、さらに幻境の入り口となった——偶然とは思えぬ。まるで…拙者に心残りを埋める機会を与えてくれているようでござる。
心残り?
- 楓原万葉: 拙者は稲妻の出身で、拙者の家系「楓原家」は、世が世なら名門士族とも言える一族であった。
- 雷電五箇伝の一件で楓原家は衰退の一途を辿った。拙者の代にはもう、没落していたのでござる。 楓原万葉: …しかし、
- 楓原万葉: その後、指名手配された拙者は稲妻から逃げ出した。誰もいなくなり、楓原家に残されたものはこの屋敷のみであったが…この盆栽も、屋敷にあった他のものと共に幕府に押収されてしまった。
- 楓原万葉: …かなうなら拙者も先祖のように、家宝の器でこれまで巡ってきた名山勝川の盆景を作ってみたいと思っていた。
- モナ: ……
- 楓原万葉: このお盆の上にあるものが幻境に影響を与えるのであれば、少し手細工をしてみたいのでござる。
- 楓原万葉: ふむ…曽祖父の好んだ植物の盆景にするか、それとも祖父や父が好きだった山石系の盆景にするか…
- 楓原万葉: …やはり、山石の方が拙者に合っているようでござる。
- パイモン: 盆景を作るためには、なにが必要なんだ?
- 楓原万葉: ふむ…道具と、装飾用に加工できるような石があるとよかろう。
- パイモン: 分かった、一緒に探しに行こうぜ!
- 辛炎: 運に任せてやってみろよ。盆景はここにあるんだし、それに関係するものだってそんなに離れたところにはないはずだ。
- フィッシュル: 確かにそうね!万葉殿、心ゆくまで探すといいわ。わたくしも臣下を率いてあなたに同行し、失われた秘宝の探しに協力するから。
- 楓原万葉: 皆、かたじけない。
サウンドトラック[]
No. | サウンドトラック名 | アルバム | 再生 |
---|---|---|---|
50 | 激動の前奏 | 真珠の歌2 | ありし日の春庭 (上) (カットシーン) |
豆知識[]
- 目的地のワープポイントが解除されていれば、任務のある位置まで高速移動することで、ウェーブボートを使った移動をスキップできる。
その他の言語[]
言語 | 正式名称 | 直訳の意味 (英語) |
---|---|---|
日本語 | ありし日の春庭 Arishihi no Haruniwa | The Olden Days' Spring Garden |
中国語 (簡体字) | 春庭景如旧 Chūn Tíng Jǐng Rú Jiù | Scenery of the Spring Courtyard in the Past |
中国語 (繁体字) | 春庭景如舊 Chūn Tíng Jǐng Rú Jiù | |
英語 | As the Courtyard in Spring Once Appeared | — |
韓国語 | 변함없는 봄의 정경 Byeonhameomneun Bom-ui Jeonggyeong | Unchanging Sunlight of Yard of Spring |
スペイン語 | Jardín primaveral de antaño | Spring Garden of Old |
フランス語 | La cour printanière d'antan | The Vernal Courtyard of Yesteryear |
ロシア語 | Весенний дворик прошлых лет Vesenniy dvorik proshlykh let | Spring Courtyard of Past Years |
タイ語 | ดั่งย้อนวิวทิวทัศน์สวนวสันต์ Dang Yon Wio Thiothat Suan Wasan | As Yesteryear in the Spring Garden |
ベトナム語 | Vườn Xuân Cảnh Như Xưa | |
ドイツ語 | Der Frühlingshof, wie er einst war | The Spring Courtyard as It Once Was |
インドネシア語 | Bagaikan Pekarangan Musim Semi yang Dulu Pernah Ada | Like the Spring Courtyard That Once Existed |
ポルトガル語 | Jardim Primaveril de Outrora | Spring Garden of Yore |
トルコ語 | Bahar Bahçesinden Manzaralar | |
イタリア語 | Come appariva un tempo il cortile in primavera |